競艇で1号艇が得意な選手は誰?2023年勝率トップ10の選手を調査してみた
競艇の予想をする際、1号艇に乗っている選手はあらゆるレースで真っ先にチェックしておかなければなりません。
何故かと言うと、競艇はその性質上、基本的に1号艇がレースの主導権を握る事が多いためです。
本記事では1号艇がレースの主導権を握っている理由を解説しつつ、2023年時点で1号艇での勝率が特に高い選手は誰かについて、検証していきます。
競艇は1号艇が圧倒的に有利という鉄則がある
競艇は競馬、競輪と比較すると圧倒的に当てやすいと言われています。
当てやすいといわれている最大の理由は他のふたつの公営競技と比較して「買い目点数」が少ないためです。
競馬の場合、最大頭数である18頭立てになると3連単の的中率は4,896分の1という途方もなく低い確率になってしまいます。
競輪も7車立てで210分の1、9車立てだと504分の1と競馬ほどではありませんが簡単に当てられる確率ではありません。
これと比較すると競艇3連単の的中率は120分の1と確率としてはかなり当てやすいです。
それに加えて競艇では「1号艇が他の艇よりも圧倒的に有利」という他の公営競技にはない特徴があります。
したがってレース選定が的確であれば、上記の的中率よりも更に的中率を大幅に上昇させる事が可能です。
1号艇が有利なのには明確な理由がある
1号艇の1着率は全競艇場平均で56パーセントで、競艇の全レースのうち半数以上は1号艇が1着になっているという事になります。
これだけ高い確率になっているのは偶然ではなく、明確な理由があります。
1号艇が有利となっている理由3つを本項目では解説していきます。
第1ターンマークに最短距離で到達できる
競艇は、水上に設置された600メートルのコースを周回するボートレースの競技です。
スタート位置は横一列に並ぶため、内側に位置する1号艇が最も短い距離を走ることができます。
このため、1号艇はスタート直後から有利な位置に立ち、競技を有利に進めることができるのです。
そしてそのまま1号艇は最短距離で第1ターンマークに到達し、周回を始めることができます。
インコースのアドバンテージを最大限に発揮する事がどれだけ有利かは改めて説明するまでもないでしょう。
第1ターンマーク以降で前の艇を抜くのは至難の業
競艇は選手がボートに搭乗し、ボートを操縦する事で順位を競いますが、使用するボート、モーター、プロペラは全て同じ設計で製造されています。
したがってレース中のボートの性能というのは基本的には変わりません。
競馬や競輪では後方からの大逆転劇がしばしば発生し、大きな盛り上がりを見せますが、このような大逆転劇が発生するのは競走馬や競輪選手の能力に大きな差が生じるからです。
ところが競艇では同じ条件で争われることになるので、スタート直後に発生した着差を縮める事は非常に困難です。
スタートして以降、前の艇を追い抜く最大のチャンスは1周目第1ターンマークを周回するまでであり、ここを通過してしまうとほぼトップスピードで残りを走りきるので、前に行けなければ負けはほぼ確定します。
そのため、競艇の予想は1周目第1ターンマークを回るまでで十分だと言われるほどです。
後続艇は必ず引き波の影響を受ける
競艇で後続の艇が不利になる理由は前を追い抜くのが非常に難しいからだけではありません。
ボートが走行した後には、必ず「引き波」と呼ばれる波が発生します。
何も考えずに前の艇と同じコースを追走していると引き波を乗り越えなければならなくなり、速度が大きく低下してしまってその間に後ろから来た艇に追い抜かれてしまうという最悪の状況に陥ります。
そのため引き波を受けないように別のコースを走行するか、握っているハンドルを緩めて速度を落とし、引き波をやり過ごす必要がありますが、いずれにしても時間を大きくロスしてしまい、前を走る艇との差は決定的なものとなるでしょう。
前を行く艇というのはたいてい1号艇であり、1号艇は引き波の影響を受けないばかりか後ろの艇に引き波の効果を最大限に発揮できるという点を見ても、1号艇が圧倒的に有利であると言えます。
いかに1号艇の出走回数を増やして確実に勝つかが競艇では極めて重要
ここまでの解説で、1号艇がいかに有利であるかがわかってもらえたのではないでしょうか。
もちろん1号艇に乗ったからといって必ず勝てるという保証はありませんが、競艇で良い成績を残すためには、1号艇の出走回数をできるだけ増やしていくことが一番の近道です。
予選に関しては競艇場を運営する側が出走表を決めているため、1号艇に乗れるかどうかは運次第ですが、準優勝戦と優勝戦は成績がもっとも良い選手が自動的に1号艇に乗ることができます(一部例外あり)。
したがって、予選をトップ通過することで必然的にほかの選手よりも1号艇の出走回数を増やすことができますし、勝ち続けるということは賞金もたくさん稼ぐことができるため良いことづくめです。
2023年4月15日時点での勝率トップ10
ここからは話題を変えて、現役選手のなかで1号艇での勝率が高い選手は誰なのかを検証していくことにします。
1号艇が得意な選手は勝率も高いだろうと想定したため、2023年4月15日時点で勝率が高い選手を調べることにしました。
その結果が以下の表になっています。
飽くまでも4月15日時点の順位であるため、記事掲載時は若干順位の変動が発生しているかもしれません。
順位 | 選手名 | 記録 |
1 | 白井 英治 | 8.80 |
2 | 峰 竜太 | 8.20 |
3 | 長嶋 万記 | 8.18 |
4 | 毒島 誠 | 8.15 |
5 | 池田 浩二 | 8.12 |
6 | 茅原 悠紀 | 8.10 |
7 | 河合 祐樹 | 8.05 |
8 | 吉田 拡郎 | 8.01 |
9 | 前田 将太 | 7.98 |
10 | 小坂 尚哉 | 7.96 |
1位は白井英治選手でした。
白井選手は昨年の賞金王であり、好調だった昨年をそのまま継続しているといってもよい成績ではありますが、それを含めても現時点では頭二つほど抜けた勝率を叩き出しています。
2位は説明不要の現役最強ボートレーサー峰竜太選手、一時期は不祥事によってB1級に陥落しましたが、圧倒的な強さで勝ちまくり、わずか1シーズンでAI級に復帰、先日はG1レースでも優勝するなど、完全復活は目前です。
3位以降もA1選手でなおかつG1、SGレースの常連選手が名を連ねています。
トップ10選手の1号艇の成績を比較してみる
トップ10選手が実際にどのコースでの勝ちを多く積み重ねているのか、各選手の成績について、1号艇を中心に比較してみることにしましょう。
ちなみに成績の集計は2022年11月〜2023年4月までです。
白井 英治
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
白井選手の成績を確認してみると、1号艇での出走は45回、そして1着になった回数は41回、その勝率は91.1パーセントと、恐るべき数字を記録していて、3連対率は95.5パーセントと1号艇でスタートできれば、ほぼ確実に舟券圏内に入っていると言い切ってよいほどの安定感です。
そして3号艇の勝率も50パーセント以上と非常に高く、白井選手の勝率を押し上げている大きな要因になっていることは間違いありません。
ホワイトシャーク白井英治の経歴は?成績や得意コースもあわせて紹介峰 竜太
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
峰選手の勝率を確認すると、1着率は白井選手と比較すると83.3パーセントとかなり低いですが、2連対率と3連対率がともに96.6パーセントとまったく同じです。
これは1号艇で出走した場合は必ず1着か2着になっているためであり、安定感は白井選手以上といえるでしょう。
そしてもう一つ、全コースでまんべんなく高い勝率を記録しているのも峰選手の特徴です。
特に5コースの勝率が45.4パーセントとずば抜けて高くなっています。
長嶋 万記
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
長嶋選手は1号艇の勝率が80パーセント近くと高いのはもちろんの事、2号艇での勝率が40パーセントであり、このコースだけで言えば白井選手と峰選手を超えています。
ちなみに女子選手のなかで唯一勝率トップ10にランクインしている選手でもあります。
毒島 誠
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
毒島選手も峰選手や白井選手と同様にSGレース常連選手で、特にナイターで開催されるSGレースの強さには定評があります。
毒島選手は全コースまんべんなく好成績を維持しているというイメージですが、カドの4コースの勝率が53.8パーセントとかなり高いです。
池田 浩二
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
池田浩二選手は非常に偏った成績をしているのが特徴です。
1号艇の1着率が96.5パーセントとこれまで紹介した選手の中ではもっとも高いうえに、1着率から3連対率まですべて同じ確率となっています。
ということは、1号艇で出走して舟券圏内に入っている時は必ず1着になっている事になります。
その一方で2号艇以下の成績はあまり芳しくありません。
1号艇で徹底的に勝率を稼いでいるといったイメージです。
茅原 悠紀
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
茅原選手の成績を見ると、全コースでバランスよい成績を記録しているイメージで、特に3号艇と4号艇の勝率が35パーセント超えとかなり高いです。
河合 祐樹
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
河合選手はA1級トップクラス選手と似たような傾向の成績比率となっていますが、唯一6号艇の勝率が14パーセントとかなり高いのが特徴的といえるでしょう。
圧倒的に不利な6号艇でここまでの勝率を記録できるのは実力があるからこそです。
吉田 拡郎
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
吉田選手も全体的に好成績となっているのですが、それ以上に連対率が非常に高いというのが特徴的で、1号艇の3連対率が97パーセント、4号艇の3連対率が90パーセント、5号艇の3連対率が75パーセントと特に高くなっています。
前田 将太
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
前田選手の成績を見ると、特に1号艇から4号艇までの成績の安定感が光ります。
1着率が高いのももちろんのこと、4号艇までの3連対率がすべて75パーセント以上となっているため、前田選手が4号艇までからのスタートとなった場合は買い目に含めておいたほうがよさそうです。
小坂 尚哉
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
小坂選手の成績は、先ほど解説した前田選手の成績の1着率を減らした代わりに3連対率を上昇させたといった印象です。
特に5号艇の3連対率89.4パーセントは特筆すべき値となっています。
検証して分かる事
検証してみた結果、トップ10の選手全員が1号艇1着率が高いのは当たり前で、プラスαで何かしら他の選手よりも突出して好成績となっている要素があるという事が分かりました。
前述した通り、予選は運営側が出走の枠順を決めるので、当然4号艇以降の不利となる位置からスタートせざるを得ないケースも出てきます。
勝率上位選手が1号艇以外でも一定以上の勝率を記録しているという事は、そういった状況であっても上位を狙えるような実力が必要であるという何よりの証拠です。
まとめ
競艇の予想をする上で1号艇に乗る選手の検証は避ける事ができません。
競艇では1号艇が圧倒的に有利という鉄則があり、どんなレースもまずは1号艇を中心に予想をしなければならないからです。
・競艇は先頭の艇を抜く事が非常に難しい
・後続艇は引き波の影響を受けざるを得ない
上記3つが1号艇が圧倒的に有利である主な理由となっています。
そのため、トップクラスの競艇選手として活躍し続けるためには、他の選手よりも1号艇で走る機会を増やさなければなりません。
予選で1着を取れば必然的に準優勝戦と優勝戦は1号艇で走る事ができますが、予選の出走枠は運営側が決めることになります。
勝率トップ10にランクインしている選手の成績を見てみると、全員1号艇以外の枠であっても連対率が平均よりもかなり高い数値となっています。
不利な枠からのスタートであってもしっかりと結果を残せるような実力がなければ勝率上位にランクインすることは不可能な事を如実に表しているといえるでしょう。