競艇は1号艇の勝率が圧倒的に高い!その理由と1号艇が危険なレースを紹介!
競艇で舟券を購入する際に必ず頭に入れておかなければならないセオリーがあります。
それは、「1号艇の1着率が非常に高い」という鉄則で、よほどの例外が無い限りは競艇は1号艇を軸に舟券の買い目を組み立てることとなります。
本記事では1号艇の1着率が高い理由と、1号艇を軸にすると危険なレースについて解説します。
競艇は1号艇の1着率が圧倒的に高い競技
競馬、競艇、競輪、オートレース、公営競技は全てコースを周回する「トラック競技」であり、内側であればあるほどトータルの走行距離は短くなるので枠の有利不利はどうしても出てきます。
しかしながら競馬のレースを見ていると内側を走っている馬ばかりが勝つ訳ではなく、レースや競馬場によっては大外から一気に他の馬をごぼう抜きして勝利するというケースを何度も目撃する事でしょう。
ところが競艇では他の公営競技とは比べ物にならないほど1枠からスタートする艇、つまり1号艇の1着率が他の枠よりも圧倒的に高いです。
なぜ1号艇の1着率が圧倒的に高いのか
なぜ競艇だけ他の公営競技と異なり1号艇の1着率が高いのでしょうか。
その理由としては以下の4つが考えられます。
ターンマークまでの距離がもっとも短い
単純にトラック競技であるため、1号艇が他の艇よりも最初のターンマークに到達するまでの距離が最も短いから、というのがひとつ目の理由です。
これは誰でも思いつく理由でしょう。
第1ターンマーク後の逆転は非常に難しい
競艇には「逃げ」「まくり」「まくり差し」「抜き」「恵まれ」と5つの決まり手がありますが、この中で圧倒的に多いのは1号艇の「逃げ」です。
競馬や競輪では最終直線での逆転劇は日常茶飯事ですが、競艇の場合、先頭で最初のターンマークを周回した艇を途中で抜くというのは非常に難しくなっています。
競馬や競輪で何故逆転劇が頻発するかというと、競走馬や選手の能力に大きな差があるからなのですが、競艇で使用するボートにはほとんど差はありません。
モーターやプロペラはある程度調整できるので多少の差は生まれますが、毎回のように大逆転するといった差にはならず、競艇は基本的に第1ターンマークを回った時点の順位でほぼ決まると言われています。
オートレースも選手が乗っているバイクは全て同じ性能なのですが、実力ある選手ほど外側のコースで更にスタート位置も後ろにずらされるというハンデがつけられる為、競艇ほど枠による優劣差はありません。
引き波の影響を受けずに走れる
先頭を走る艇が圧倒的に有利になる理由として、もう一つ忘れてはいけないのが「引き波」の存在です。
競艇は水上を走るので、ボートが走行した後は必ず「引き波」という波が発生します。
引き波の上を通るとボートの速度が落ちてしまい、追い上げる事が難しくなるため、引き波を後ろの艇にぶつける事は非常に有効で、競艇で勝つためのテクニックのひとつになっているほどです。
持ちペラ制度の廃止により更に有利に
ひと昔前、競艇では「持ちペラ」という制度を採用していました。
持ちペラ制度が採用されていた頃は、競艇場がプロペラを用意するのではなく、選手が個々に自分専用のプロペラを持ち、レースで使用していました。
中にはスタートしてからトップスピードになるまでの時間を極限まで短くするような調整をする選手も居て、そういったプロペラを搭載したボートはアウトコースから一気に内側の艇をまとめてまくり差すという戦法を得意としていました。
持ちペラ制度は各選手が個性的な戦法で戦えるため、レースを観ている側としては面白かったのですが、資金が潤沢な選手ほど高性能なプロペラを沢山持つことができ、公平なレースが成立しづらいというデメリットがありました。
その為持ちペラ制度は現在は廃止され、プロペラは競艇場が所有しているものを使う事となっています。
その結果元々強い1号艇の強さが更に際立つようになり、持ちペラ制度が採用されていた時と比べると明らかに1号艇の1着率は上昇しています。
インが強い競艇場とは?その理由も解説
(引用元:ボートレース徳山Official Site)
競艇場全体の1号艇1着率はおよそ55パーセントとなっていますが、実は1号艇1着率が高い競艇場と低い競艇場とでは確率の開きがかなりあります。
特に1号艇1着率が高いのは「大村」「芦屋」「下関」「徳山」の4競艇場で、1号艇1着率は60パーセント以上になっています。
何故ここまで1着率が高いのかというと、これらの競艇場では人為的に1号艇が1着になりやすい番組構成になっているレースを多く実施しているからです。
上に紹介した競艇場で開催されるレースの出走表を確認すると、A級選手を1号艇に配置し、残りがB級選手となっているレースがいくつか組まれています。
これは偶然そうなったのではなく運営側が意図的にこのような構成にしていて、わざと予想しやすい配置にする事で売り上げをアップさせるという目的があります。
危険な1号艇を知れば高額配当につながる!
どんなレースでも1号艇が絶対的に強いという訳ではありません。
いくつかの条件では1号艇を軸にしてしまうと逆に危険な買い方となってしまうケースもあります。
本項目では1号艇を軸にする買い方は危険とされている代表的なレースをいくつか紹介します。
1号艇の1着率が低い競艇場がある
1号艇の勝率が平均よりも高い競艇場があれば、逆に1号艇の1着率が平均よりもかなり低い競艇場もあります。
1号艇の1着率が低い競艇場で何も知らずにいつも通り1号艇を軸に舟券を購入していると全くカスりもせず資金を失うだけです。
特に戸田、江戸川、平和島の3競艇場は1号艇の1着率が50%以下となっているので、競艇を始めたばかりの初心者が舟券を買う事自体あまりおすすめしません。
これら3つの競艇場は1着率が高い競艇場のように人為的に1着率を下げている訳ではなく、コースの形状であったり、水質によってうねりが発生しやすかったり、強風が吹きつけたりするなど、競艇場そのものが1号艇にとって不利となりやすい条件になっているからです。
1号艇がB級選手の場合は要注意
1号艇はどのレースでも肝となるので必ずチェックしなければならないのですが、1号艇がB級選手だった場合、信頼度は大きく下がります。
他の艇に乗っている選手の成績などにもよりますが、1号艇がB級選手だった場合は安易に軸にせずに細かく成績をチェックして信頼できる選手かどうかを確認しましょう。
B級選手でも「1コース1着率」が高ければ信頼して問題ありません。
2号艇がスタートを苦手としている選手
1号艇を必ずチェックすることは重要ですが、1号艇の勝率をより高めてくれるのが2号艇です。
1号艇が先行し、2号艇が続いて外の艇をブロックするというのが1号艇にとっては一番理想的な勝ちパターンです。
ところが2号艇のスタートが遅いと、外の艇が簡単に内側に切り込むことができ、スタート力がある選手だと1号艇よりも先に第1ターンマークに到達してしまいます。
したがって、2号艇に乗っている選手の平均スタートタイムがほかの選手よりも大きく劣っているのであれば要注意です。
4号艇にA1級選手が乗っている
1号艇と2号艇をチェックしたら、次にチェックしなければならないのが「4号艇」です。
競艇のスタートは1コースから3コースと、4コースから6コースで大きく変わります。
内側のコースは前めに付けてスロースタートとなるのに対し、4コースより外側は後ろからのスピードスタートとなります。
なかでも4コースは「カド」と呼ばれており、内の3艇のスタートが少しでも遅れると4コースの艇が一気にまくり差しを決め、大波乱となります。
特に4号艇にA1級選手が乗っており、周りがA2級以下選手となっている場合はよりこの捲り差しが決まる可能性が高いので、1号艇の評価を少し下げたほうがよいかもしれません。
「前付け選手」が居ると枠順通りのスタートにならない
競艇選手はそれぞれ独自の戦法を持っているのですが、特に注意しなければならないのが「イン屋」と呼ばれている選手たちです。
イン屋の選手たちはとにかくインコースからのスタートに拘っていて、4号艇であっても待機行動で半ば強引に2コースやあわよくば1コースに入ってきます。
こうなると事前の出走表の枠順はまったくアテになりません。
イン屋の選手に対する対策はどの選手がイン屋なのかを覚えるしかありませんが、登録番号を見て「4,000番」以降であればまずイン屋の選手ではありません。
イン屋選手はほぼ全員がベテランなので、3,000番代の選手が居た場合は要注意です。
イン屋かどうかは各選手の「コース進入率」を見れば一目瞭然で、イン屋の選手は4コースより外の進入率がほぼ0パーセントになっています。
まとめ
競艇は1号艇の1着率が非常に高い競技です。
その最大の理由はトラック競技であり、一番内側を走ると一番走行距離が短くなるからですが、それ以上に各ボートの性能差がほとんどないというのが最大の理由で、競馬や競輪は各馬や各選手の能力差が大きいため最終直線での大逆転劇が発生しますが、性能差のほとんどない競艇では大逆転劇というのはほぼ発生せず、第1ターンマークを回った着順でほぼレース結果が決まります。
しかしすべてのレースで1号艇を軸にすればよいというわけではありません。
様々な理由で競艇場毎に1号艇の1着率は大きく異なりますし、1号艇がB級選手だった場合、4コースがA1級選手だった場合など、1号艇の選手を安易に軸にすると危険なケースも数多くあります。
レース前には1号艇選手をはじめすべての選手の成績をチェックし、1号艇を軸にして問題ないかどうかを調べるようにしましょう。