競艇で追い風・向かい風・風速が与える影響を知ろう!
競艇で舟券を購入する際には、出走表を見て選手のランクや直近のレースで成績を確認する、という人がほとんどでしょう。
また、モーターの勝率や競艇場の特徴も調べることも多いのではないでしょうか。
ところが、競艇のレース展開を大きく左右する要素がもうひとつあります。
それは競艇場に吹く「風」の存在です。
当日にどのような風が吹くのかは、レース直前に調べなければいけないということもあり、ついついチェックし忘れることも多々あります。
しかし、風がレースに与える影響は想像以上に大きいです。
本記事では競艇で向かい風または追い風になったとき、どのような影響を与えるのか、そして風速によってレース展開がどのように変わるのかを解説します。
競艇は屋外の水上で行われる競技
改めて説明するまでもありませんが、競艇は屋外でなおかつ水上でおこなわれる競技です。
陸上で行われる競技であっても、風の影響は強く受けます。
たとえば100メートル走などの場合、追い風になればその分スピードに乗るため好タイムが期待できます。
競艇も同様に、ほかの選手よりもいち早くゴールすることを競う競技なので、追い風になればスピードに乗って普段よりも早く走行できるでしょう。
さらに競艇の場合は、ボートが走行する水面も風の影響によって状況がめまぐるしくかわることになります。
したがって、ほかの競技以上に風の影響が大きいと認識しておいた方がよいでしょう。
風はスタート時に強い影響を与える
競艇はスタートから第1ターンマーク終了時の時点でほぼレースが決するスポーツです。
そのため、いかにほかの艇より早くスタートを切り、先頭に立つかがとても重要となります。
レース場に吹く風はこのスタート時に強い影響を与えます。
競艇は6艇でおこなわれる競技ですが、スタート時はインの3艇と、アウトの3艇とで状況が大きく異なります。
インの3艇は、スタートまで加速する距離が短いのでスロースタートとなり、アウトの3艇はスタートまで十分な距離があるのでスピードに乗った状態でスタートできます。
ところがここで追い風が吹いている場合、いつもより加速することになります。
競艇ではフライングスタートという方式が採用されていて、スタートのタイミングが規定よりずれると反則扱いとなってレースに失格になります。
スピードに乗ってしまうと、フライングをする恐れがあるので特にアウトの3艇はスタートの際に慎重になり、普段通りのスピードが出せません。
いっぽうインの3艇は、そこまで影響を受けないので普段通りのスタートを切ることができます。
逆に向かい風の場合はインの3艇は普段以上にスピードが出なくなりますが、アウトの3艇はフライングをあまり恐れずに思い切ったスタートを切ることができます。
スタート時に追い風となる場合はインの3艇が有利に、向かい風の場合はアウトの3艇が有利になる、と覚えておきましょう。
追い風と向かい風がレースに与える影響を知ろう
競艇において、風が与える影響はスタート時だけではありません。
風によって競艇のレース全体そのものが大きく変わることもあります。
本項目では、追い風と向かい風、そして横風が競艇のレースそのものに与える影響について解説します。
追い風
追い風になると、スタート時に本来ならばスピードに乗れるはずの4号艇から6号艇までがフライングを恐れてスピードに乗れないということもあって、イン側に有利なスタート展開となるのは先に解説した通りです。
そしてレースはそのまま進行していくので、基本的に追い風のときはインが有利になります。
ところがある程度、追い風で風速がある場合は、1号艇の動向に注意が必要です。
もっともインコースを走る1号艇は圧倒的に有利なのですが、その分ほかの艇よりも鋭角にコーナーを曲がることになります。
ここで追い風によってあまりにスピードに乗ってしまうと、ターンが膨らんでしまうため、外側に2号艇や3号艇に内を突かれて「差し」を決められてしまうケースが出てきます。
追い風である程度風速がある場合はより慎重に1号艇の選手をチェックしたほうがよいでしょう。
向かい風
向かい風になると、選手たちは風をまともに受けながらスタートすることになるので、風の抵抗によって普段よりもスピードが出づらくなります。
ただでさえスロースタートとなるインの3艇が、よりスタートが遅くなってしまうこととなり、加速をつけやすいアウトの3艇に有利なスタート展開となります。
そして、そのままアウトの3艇が先行する形でレースが進んでいくと、そのままスピードに乗った状態で外側からインの3艇を一気に捲ったり、捲り差しを決めたりするなど、終始アウトコースに有利な展開でレースが進んでいくでしょう。
当日の風をチェックして、向かい風になっているのであれば、アウトコースに有力選手が出場していないかを確認しましょう。
場合によっては高いオッズが期待できるレースとなります。
横風の影響は?
風が吹く方向は様々です。
したがって追い風や向かい風ではなく、選手から見ると横風となっている時もあるでしょう。
実は横風の場合は、レース展開そのものに大きな影響は出ません。
横風となっているときは、それ以外の情報を重要視して買い目を決めるとよいでしょう。
風速が強くて艇が揺れるような状況であれば話は別ですが、そもそもそこまで風速が強い場合は風の吹く方向に関係なくレースに大きな影響を与えます。
風速がレースに与える影響
競艇では風の吹く向きだけではなく、風の強さによってもレース展開が大きく変わります。
むしろ風向きよりも風の強さによる影響の方が大きいくらいです。
当日の風をチェックする際には、風の向きだけではなく風速も忘れずに確認しておきましょう。
本項目では風速がレースに与える影響について解説します。
3メートルまでなら問題なし
風速3メートルの範囲内であれば、普段通りの競艇場とそこまで変わらないと考えてよいでしょう。
選手たちは普段レースがないときも競艇場で練習をしていますが、遠州時も風速3メートルくらいまでの風は吹いているので、この程度の風であれば普段通りのレースができます。
したがって、風速3メートル以内であれば、セオリー通りの予想方法で問題ありません。
4メートルを超えると要注意!
競艇で風の影響を考慮する必要が出てくるのは、4メートルを超えたときです。
自分が舟券を買おうとしている競艇場の当日の天候、風を確認して、風速が4メートルを超えているのであれば、風がどっちに吹いているのかを確認しましょう。
追い風であれば普段以上にインの3艇が有利に、向かい風ならばアウトの3艇が有利になります。
安定板を装着するような風速のレース
5メートルを超えると、正直レース展開が予想できないほど風の影響は大きくなります。
突風によってインコースのターンが膨らめば内側の艇が一気に差すといった展開になりますし、風によって水面が波だつような状況だと選手自身にもどのようなレースになるのか想像も尽きません。
もし確実に舟券を当てたいと思っているのであれば、風速5メートル以上のレースは買わないほうが無難です。
逆に穴狙いの人にとっては、どの艇が来るか分からない風速が強いレースはチャンスとなります。
そして風速が8メートル以上になると、通常ではレースそのものができないため、「安定板」という板を舟底に装着します。
安定板を装着すると、モーターの回転数が落ちるといわれています。
モーターの回転数が落ちるということは、コースの優劣を覆すことが難しくなるので、安定板を装着するようなレースはインコースの艇が基本的には有利です。
レース前の風速を確認する方法
レース当日にどのような風が吹いているかは、レース当日にならないと確認できません。
更によりレース本番での風向きや風速を確認したいのであれば、展示航走が終わってからの風を確認する必要があります。
レース当日の風速については、「ボートレース」のオフィシャルサイト上にて、展示航走後に掲示されるのでチェックしましょう。
また、当サイトでも公式サイトからデータを確認できますので、そちらも合わせてご利用ください。
特徴ある風の吹き方をする競艇場
競艇場は全国に24カ所あって、それぞれほかの競艇場には無い独自の特徴があります。
そのなかには、ほかの競艇場と比べると、特徴ある風の吹き方をする場所があったり、海沿いや海水を使用していることにより風の影響が出やすい場所があったりします。
本項目では特徴ある風の吹き方をするといわれている競艇場を9カ所紹介します。
三国競艇場
三国競艇場は、日本海から近いということもあり、海からの風の影響が強いです。
夏は特に海からの風に注意して予想するとよいでしょう。
また冬になると海からの風に代わって、季節風が強く吹き付けます。
風の方向は年間を通じて追い風となっており、全体的にインコースが有利な競艇場といえるでしょう。
常滑競艇場
常滑競艇場は、伊勢湾にほど近い場所にある競艇場です。
夏は比較的穏やかな日が多いのですが、それ以外の季節は海からの風、そして冬は季節風がさまざまな方向から吹き付けます。
風の吹く方向や風向きによって有利不利が変わるので、当日の風向きはしっかりチェックしておいたほうがよいでしょう。
参考
【永久保存版】常滑競艇場で勝つための予想マニュアル!特徴と傾向を徹底分析
平和島競艇場
平和島競艇場は海水を使用したコースとなっていますが、それ以上に周辺に建っているビルやマンションから吹く、「ビル風」の影響を強く受ける競艇場です。
風の吹く向きはその時によって変わりますが、晴翔夏は全体的に追い風、冬場は季節風の影響によって向かい風になることが多いといわれています。
秋はほかの季節に比べると、風の影響はそれほど強くありません。
大村競艇場
全国の競艇場の中でも最西端にある大村競艇場は、時間によって目まぐるしく風向きが変わるといった特徴を持つ競艇場です。
そのため、展示航走では向かい風になっていたのが本番では追い風に代わっているということもありますし、逆に場合も当然あるでしょう。
したがって選手にとっては思い切ったスタートが切りづらいので、結果的にインコースの艇が有利になりやすいです。
参考 【永久保存版】大村競艇場で勝つための予想マニュアル!特徴と傾向を徹底分析芦屋競艇場
福岡県にある芦屋競艇場は、基本的には風の穏やかな日が多いのですが、ときどき北西からの強い追い風が吹くことがあります。
3メートルを超える追い風はスタート時に影響するので、アウトコースの艇はスピードを抑えることとなり、結果インコースの艇が有利となりやすいです。
ただし、あまりに風が強すぎると、ターン時にインコースの艇が膨らんでしまう恐れもあります。
レース当日は風速、風向きを確認したうえで買い目を決めましょう。
宮島競艇場
宮島競艇場は海沿いの立地ということもあって、海からの風の影響を強く受けます。
夏場は向かい風に、冬場は追い風となる場合が多いのですが、風向きは日によって、さらには時間によっても変化します。
更に海水を使用しているコースのため、時間によって水位が上下するので、道潮の時と引き潮のときでも風の影響が変化します。
したがって予想が難しい競艇場といえるかもしれませんが、その分レースが荒れて高配当になる確率も高いです。
徳山競艇場
徳山競艇場は、風邪を遮断する建造物がほとんどないということもあって、競艇場の構造自体が風の影響が出やすい造りとなっています。
しかし、競艇場の南西には太華山という山があるので、この山が西からの風をほとんど遮断してしまう影響で、西からの風が競艇場内に吹き付けることはありません。
したがって一年を通して競艇場には日か死からの追い風が吹くことになり、通年インコースが有利なレース展開となります。
丸亀競艇場
丸亀競艇場は、瀬戸内海からほど近い場所に建てられているということもあり、年間を通じて海からの風がコース内に吹き付けています。
風向きは年間を通じて向かい風となっており、基本的にアウトコースに有利な条件です。
特に冬場は季節風も重なって風速が強くなりやすい傾向にあり、もともとスピードが出にくいインコースの艇はスタートに苦労することとなるでしょう。
時にはあまりにも風が強すぎるので、安定板を装着しなければレースができないような悪条件のときもあります。
参考 【永久保存版】丸亀競艇場で勝つための予想マニュアル!特徴と傾向を徹底分析まとめ
事前に確認できる選手やモーターの情報とは異なり、風についてはレース当日に情報を仕入れるしかありません。
したがって長年舟券を買っている人でも風についての情報収集は怠ってしまいがちですが、競艇は屋外、しかも水上を走行する競技ということもあり、風の影響をとても強く受けます。
基本的には追い風の時はスタートタイミングを計ることが難しくなるので、スピードを出しやすいアウトコースの艇と比べると、インコース有利に、逆に向かい風の時は風の手一行を受けるのでインコースの艇が伸びづらくなってアウトコースの艇が有利となります。
風向き以上に注意しなければいけないのが風速です。
風速3メートル程度であれば向かい風でも追い風でもレースにそこまで影響を与えませんが、風速が4メートルを超えると向かい風や追い風の有利不利が顕著になります。
さらに5メートルを超えると、艇が不安定になるだけではなく、水面も突然波が立ったりするので、ベテランの選手でもレースがどのようになるか想像もつかないほど、荒れたレース展開となります。
確実に舟券を当てたいと考えているのであれば、風速5メートル以上のレースで舟券を買うのはおすすめしません。
しかし、穴狙いの人にとっては一攫千金のチャンスとなります。
更に風が強くなり、8メートルを超えると、安定板という装置を装着しなければレース自体が成立しませんが、この安定板を付けるとモーターん出力が落ちやすいことから、安定板を付けたレースではインコースの艇が有利です。
また、競艇場によっては特徴的な風の吹き方をするので、各競艇場の特徴も併せて押さえておくとよいでしょう。