競艇でフライングがあるとレースはどうなる?ペナルティなど詳しく解説!
競艇のフライングとは、スタートのタイミングになる前に選手がスタートラインを通過してしまうことを指します。
「フライングをした選手には、どのようなペナルティが課せられるのか?」
「フライングがあったレースには、どのような影響を与えるのか?」
今回の記事では、競艇でフライングがあるとレースはどうなるのか詳しく解説していきます。
競艇のフライングとは
競艇のスタートは「フライングスタート方式」が採用されています。
フライングスタート方式とは、決められた時間内にスタートラインを通過することでレースが開始するスタート方式です。
決められた時間よりも早くスタートした場合、フライングになり失格となります。
ここでは、フライングスタート方式の詳細とどのようなペナルティがあるのかについて解説していきます。
フライングスタート形式
競艇のレースは「ピットアウト」→「待機行動」→「スタート」の順番でレースが始まります。
その後、2周の待機行動を行い、3周目で一斉にスタートします。
ボートを留めておくピットを発進した選手は、待機行動中にスタートするコース取りを行います。
コース取りが決まったら、スタートタイミングでうまくスタートできるようにボートを加速させます。
スタートのタイミングは、各競艇場のスタートの位置付近に設置されている大時計が0秒~1秒を指すまでの間にスタートしなければいけません。
競艇選手は、わずか1秒間のタイミングを狙ってボートを調整してスタートしています。
フライングはレース予想にどのような影響を与える
ここからはフライングがレース予想にどのような影響を与えるのか解説していきます。
1度でもフライングをした選手は、フライング回数がリセットされるまではスタートが慎重になります。
スタートのタイミングが0.01秒でも遅いと着順が変わってくるので、選手にとって大きなハンデになります。
出走表にフライングを意味する「F」が書かれている選手は、強そうな選手でも勝てない可能性を考える必要があります。
フライングがレース予想に与える影響は以下になります。
スタート展開でフライングする選手は調子が良い
フライング処分が怖くスタートダッシュができない
2回目のフライングをしてしまうと、後ほど詳しく説明しますが「即日帰郷」という重いペナルティが課せられるので、ペナルティが怖くスタートダッシュができなくなります。
1度フライングをしてしまった選手は、その後のレースからフライングをしないようにスタート時に慎重になるので、周りの選手に比べてスタートのスピードが遅くなります。
スタート展示でフライングする選手は調子が良い
スタート展示の時点でフライングをしている選手は、調子が良いと予想することができます。
このときに、思ったよりモーターの調子が良い選手がフライングしてしまうことがあります。
出遅れている選手よりもフライングしてしまった選手の方が、レース中に活躍すると覚えておきましょう。
フライングした選手が出た場合の舟券はどうなる?
ここからは、レース中にフライングした選手が出た場合、舟券にどのような影響がでるのか紹介します。
競艇場側からすれば、せっかくの売り上げがフライングが理由でなくなってしまうので大損です。
舟券を買う側にとっても、的中舟券のオッズが変わってしまうので残念な気持ちになります。
フライングした選手に対してのペナルティが多い理由は、多くの人に迷惑をかけてしまうからです。
フライングが舟券に与える影響は以下になります。
オッズが変わる
舟券が返還される
フライングが起きた場合、フライングをしたボートが絡んでいる舟券は全額払い戻されます。
通常の払戻金と同じように自動払戻機に舟券を入れることで、購入した金額と同じお金が返ってきます。
たとえば4号艇がフライングした場合、4号艇の単勝や複勝はもちろん、4号艇が絡んでいる二連単や三連単なども全て返還対象になります。
ちなみに、スタート後の転覆・落水・エンストなどの理由では返還が行われません。
オッズが変わる
フライングした舟券の売り上げは返還されるので、オッズも舟券販売時から大きく変化します。
せっかく舟券が的中しても、払戻金額が大きく下がっていることもあります。
こればかりは仕方ないことなので、選手が正常にスタートしてくれることを願うしかありません。
5艇がフライングするとレースが不成立になる
1レースでフライングしたボートが多すぎると、舟券やレース自体が不成立になってしまうことがあります。
3艇がフライングした場合は三連複が、4艇フライングしたら三連複・三連単・二連複・各連複・複勝が、5艇フライングで全ての舟券が不成立になります。
フライングをするとどのようなペナルティが課せられる?
ここからは、フライングするとどのようなペナルティは課せられるのか紹介します。
ペナルティの内容は以下になります。
フライング休み
1回目のフライングをした選手は、フライング休みを課せられます。
フライング休みとは、フライングをしたペナルティで一定期間レースに参加できなくなります。
フライングをしたレースの直後から適用されるわけではなく、事前に参加が決まっているレースがある場合は全て終わってからフライング休みに入ります。
フライング休みになった選手は、レースに参加することができないので、練習や休養にあてている選手が多いです。
即日帰郷
同一のシリーズ以内にフライングを2回してしまった場合、即日帰郷というペナルティが課せられます。
即日帰郷のペナルティを課せられた選手は、その日のレースが終わり次第、荷物をまとめて競艇場から出て行かなければいけません。
ただし、スタートタイミングよりも0.05秒以上早いタイミングでスタートラインを通過してしまうと、非常識なフライングと判断され、1回目のフライングでも即日帰郷の命令が下されます。
非常識なフライングを行うと、他のボートのスタートタイミングを大きく乱してしまう可能性があるため厳しい罰則となっています。
即日帰郷の命令を下される原因は、フライング2回がほとんどです。
フライング休みはどのくらいの期間出場できない?
ここからはフライング休みの選手はどのくらいの期間、レースに出場することができないのか解説していきます。
フライング回数が多いほど期間が長くなる
フライング回数が多いほど重いペナルティが課せられます。
フライング回数とペナルティは以下の表にまとめています。
回数 | ペナルティ |
1回 | 30日間のフライング休み |
2回 | 60日間のフライング休み |
3回 | 90日間のフライング休み |
4回 | 180日間のフライング休み |
ペナルティは合算されているので、フライングを2回した場合は「30日間+60日間」の合計90日間のフライング休みになります。
また、共通のペナルティとして賞金レース除外と事故点数20点が課されます。
フライングを3回や4回行うと実質引退
競艇選手は、レースの賞金や完走手当などで収入を得ています。
フライングを3回以上してしまうと、半年以上稼ぎが無い状態になってしまうので、生活が厳しくなります。
また、4回目のフライングをしてしまうと、「選手出場あっせん保留基準第8号」と「競走の構成確保及び競技水準の向上化に関する規定」により、事実上の引退勧告が出されます。
フライングを2回してしまった選手は、フライング回数がリセットされるまで思い切ったスタートを切ることができなくなります。
賞金レースも除外される
フライングが多くなると、賞金レースから除外されます。
賞金レースとは、「優勝戦」「準優勝戦」「選抜レース」「特選レース」などの賞金が大きいレースのことをいいます。
フライングをしてしまうと、同一シリーズ内の賞金レースに出場できなくなります。
たとえば、シリーズの1日目でフライングをしてしまうと、どんなに成績が良くてもそのシリーズの準優勝戦に出ることができません。
例外として、1日に2回出走する2回走りがある場合は、1走目でフライングしてしまっても2走目は普通に出走できます。
事故点数が加算される
フライングが多くなると、事故点数が加算されます。
事故点数とは、事故率を計算するための点数のことをいいます。
通常のフライングで20点、優勝戦でフライングをした場合は30点の事故点数が加算されます。
事故率とは「事故点/出走回数」で計算され、B2級以上になるためには事故率0.70以下でなくてはいけません。
フライング1回までなら、普通にレースをしていれば事故率が0.70以下になりますが、2回以上になるとフライング休みもあるので挽回が難しくなります。
まとめ
今回は競艇でフライングがあるとレースはどうなるのか、レース予想にどのような影響を与えるのか解説させていただきました。
フライングをした選手は、フライング休みが課せられ、その後のレースに出場できなくなります。
また、2回目のフライングをしてしまうと、即日帰郷が課されて競艇場から出て行かなければなりません。
なので、フライングした選手はその後のレースではフライングをしないように慎重になるので、思い切ったスタートを切ることができなくなってしまいます。
フライングしたボートが絡んでいる舟券は払戻され、オッズも変わってくるので、多くの人に迷惑をかけてしまうので、フライングのペナルティは重くなっています。