競艇の即日帰郷について解説!即日帰郷となる条件とは?

競艇の即日帰郷について解説!即日帰郷となる条件とは?

競艇はギャンブルであり、時には命を失う危険な競技ということもあって、厳しいルールの下で選手たちは日々のレースを戦っています。
たとえばレース開催中は、選手は競艇場から出ることは特例がない限り禁止されていますし、携帯電話を使うなどもってのほかです。

ルール違反になった選手にはさまざまな罰則がありますが、そのなかでも特に厳しい罰則といわれているのが「即日帰郷」です。
本記事では、競艇における即日帰郷について、条件や選手にどのような影響を及ぼすのかについて解説していきます。


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競艇における即日帰郷とは?

即日帰郷とは、呼んで字のごとく、その日のうちに地元に帰ることを意味します。
競艇場は全国に24カ所あり、選手は地元だけではなく自分が出場する競艇場に出張します。

そしてレースはその日で終了するのではなく、1節3日から7日間レースが開催されるのですが、即日帰郷を言い渡された場合、自分が後日出場する予定のレースがあった場合でもその日のうちに直ちに地元に帰らなければいけません。

ただし、即日帰郷を言い渡されたとしても、1日に2レース出場する予定がある場合は、その日のレースにすべて出場してから地元に帰ることになります。

即日帰郷になる条件について

即日帰郷になる条件について
即日帰郷になる条件というのはいくつかありますが、すべてに共通して言えることは、レースの進行を著しく妨げる行為を選手自身の責任で犯してしまった時に即日帰郷が言い渡されます。

本項目では、即日帰郷になる条件について解説していきます。
ただし、これらの条件はあくまでも選手側に明らかな責任があると認められた場合にのみ適用されるので、選手に責任がないと判断された場合は即日帰郷の対象とはなりません。

前検で不合格となる

レースに出場する選手は、実際にレースが始まる前に「前検」という検査を受けることになります。
前検は節の開催日の前日におこなわれ、選手の身体検査や持ち物検査などが実施されます。
この前検に合格しなければ、選手はレースに出場する権利すら与えてもらえません。

そして、前検で規定値以上の体調不良が見られた場合は失格となり出場停止となります。

また、持ち物検査の際に選手であることを証明する選手登録証を持参していなかった場合も出場することはできません。
これらはいずれも選手自身の責任によるものなので、即日帰郷が言い渡されます。

また、前検は通常は12時まで、SGレースの場合は10時までに会場入りしなければいけません。
この時間に間に合わなかった場合は「遅参」となり、特に重い処罰を受けることになります。

遅参した場合はレースに出場する権利がなくなって即日帰郷となることはもちろんのこと、その後一定期間すべてのレースに出場できないばかりか、その年はどれだけ実力がある選手であってもSG・プレミアムG1レースに1年間出場できなくなります。

ただし、台風などによる公共交通機関の乱れによって遅参した場合、レースに出場することはできず即日帰郷とはなりますが、一定期間の出場停止といった処分は下されません。

非常識なフライングをする

競艇はスタートラインで停止した状態でスタートするのではなく、すべてのボートが走っている状態で、スタートラインという場所を通過した時点でスタートとなります。
スタートラインを通過するタイムというのはあらかじめ定められており、そのタイムよりも早いタイミングでスタートラインを過ぎてしまうと「フライング」扱いとなってしまいます。

このフライングがあまりに非常識とみなされた場合、その時点でフライングを犯した選手には即日帰郷が命じられ、選手は地元に帰らなければなりません。
非常識なフライングとは、具体的にはスタートタイミングよりも0.05秒以上早いタイミングでスタートラインを通過してしまった場合が対象となります。

参考 競艇でフライングがあるとレースはどうなる?ペナルティなど詳しく解説!

スタート事故

非常識なフライングだけが即日帰郷の対象なのかというと、決してそうではありません。
実は通常のフライングであっても、同じ節の間に2回起こしてしまうと、その時点で即日帰郷が言い渡されます。

また、逆にスタートタイミングがあまりに遅い、「出遅れ」でも同様にその節の間に2回起こしてしまった場合は即日帰郷の対象となります。
フライングや出遅れは「スタート事故」と呼ばれていますが、実はこのスタート事故による即日帰郷が即日帰郷を言い渡される原因のなかでもっとも多くなっています。

失格行為

レース中に失格行為と見なされた場合も、即日帰郷の対象となります。
失格とみなされる行為とは、主に以下のような行動が該当します。

失格とみなされる行為
「周回方向や周回回数の誤認」
コースを回る方向と回る回数を間違える

「タイムオーバー」
1位がゴールしてから30秒以内にゴール出来ずタイムオーバーになった

「転覆・沈没・落水」
艇がひっくり返ったり、沈んだり、選手が落ちたりしてボートが走行出来なくなる

「危険な転舵」
他の艇にぶつかりそうな危ないターンをする

「危険な時に道を譲らない」
後ろの艇が事故を起こしてしまう危険性があるのに道を譲らない

即日帰郷を言い渡されるとどうなってしまうのか

即日帰郷を言い渡された選手は、レースの節の途中であったとしても直ちに荷物をまとめて地元に帰らなければいけません。
ただし、その日に2レース出場することになっていて、1レース目で即日帰郷を言い渡された場合は、2レース目に出場することは認められています。

選手目線で見る即日帰郷のリスク

競艇選手目線で見る即日帰郷のリスク
即日帰郷を言い渡された場合は、直ちに帰らなければならないだけではなく、選手目線で見ればそれ以上に厳しいペナルティが課せられます。
本項目では、即日帰郷を言い渡された選手に降りかかるペナルティについて解説していきます。

収入が激減する

即日帰郷を言い渡されて地元に帰った選手は、次回レースに出走することが決まるまではレースに出られないので暇を持て余すことになります。
それだけならばいいのですが、競艇選手の収入はレースに出場した際の参加費や賞金が大きなウエイトを占めるため、大幅な収入減となることは避けられません。

ランクが下がる恐れも

選手にとって賞金以上に致命的なのは、レースに出場する回数が少なくなってしまうことです。
特に現在ランクが下がるかどうかの瀬戸際となっている選手にとっては、即日帰郷によってランクがダウンすることがほぼ決定的になります。

ランクがダウンすると、実は不利な枠でのレースが増えるということもあって、選手によっては一度ランクが下がってしまうと二度と元のランクに戻れないというケースもあります。

即日帰郷を超える罰則である即刻帰郷と選手の都合で帰郷する途中帰郷

選手が節の途中で競艇場から去るケースは即日帰郷だけではありません。

即刻帰郷

ひとつめは、「即刻帰郷」を言い渡されるケースです。
即刻帰郷はきわめて悪質とされる違反行為やフライングに気づかずにそのままレースを続けてしまった場合などに言い渡されます。
即刻帰郷を言い渡された選手は、その日2回目のレースが残っていたとしても、1レースが終了次第すぐに荷物をまとめて帰らなければいけません。

途中帰郷

もうひとつは、「途中帰郷」です。
これは反則などをして協会から言い渡される帰郷ではなく、選手が自主的に地元に帰ることを指します。

例えば節の途中で体調が悪くなってとてもレースを継続できない場合や、4月または10月下旬の審査日終盤で昇給が決まった選手や降格が決まった選手などが自主帰郷をすることがあります。

前例のない即日帰郷が2018年に発生

即日帰郷は滅多に発生するペナルティではありませんが、実はつい最近前代未聞の即日帰郷が発生しています。
2018年宮島競艇場で開催された第9レースにおいて、なんと出走した6選手全員が0.05秒以上の非常識なフライングを犯したため、レースそのものが停止となり、出場していた全選手が即日帰郷となりました。

即日帰郷の懸念がある選手は予想にも影響がある

即日帰郷となる要因に反則やスタート事故がありますが、これらを1度犯してしまっている選手は、やはり積極的なレースをすることができません。
フライングを犯した選手は出走表に記載されているので、その選手の平均スタートタイムがどれだけ良かったとしても、本番ではスタートダッシュにはあまり期待できないでしょう。

特にアウトコースからのスタートとなった場合、スタートダッシュが積極的におこなえないと舟券に食い込むことはかなり厳しいものとなります。

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まとめ

即日帰郷とは前検での失格やレース中に反則やスタート事故を起こした選手などに言い渡される処分で、その節の途中であってもその日のうちに地元に帰ることとなり、その節のレースには出場できません。
収入も激減しますし、選手によってはランクの降格が決定的となるなどとても重いペナルティです。

一般の私たちからみればとても厳しいルールですが、競艇は危険を伴う競技であり、なによりギャンブルということもあって公平にレースを実施しなければいけません。
公平性を保つためには厳格なルールのもとで運営をする必要があるのです。