満潮と干潮は競艇のレースにどのような影響を与えるかを徹底解説

競艇は水上で実施される競技です。
全国には24ヵ所の競艇場があって立地条件はさまざまです。

川の水であれば水の流れのみに注意しておけば良いですが、海水が流れ込んでいる競艇場の場合、潮の満ち引きの影響も考慮して予想をしなければなりません。

本記事では干潮や満潮になった時にレースのどのような影響を及ぼすのかを解説し、実際にその満ち引きの影響を受ける競艇場がどこで、どのような変化がみられるのかを紹介していきます。

競艇は潮の満ち引きの影響を受ける競技

冒頭にも書きましたが、競艇は水上で実施される競技です。
競艇のレースが行われる競艇場は群馬県にある桐生競艇場が最北端で、南は九州の長崎県にある大村競艇場まで全国24ヵ所存在します。

その立地条件は実に様々でひとつとして同じ競艇場はなく、各競艇場の特徴をしっかりと把握しておくこともレースの的中率を挙げるためには必須となっています。

各競艇場のどのような特徴を把握しておけば良いかについてですが、まずは「コースの形状」を知っておく事が重要となるでしょう。

コースの形状によって走りやすさは大きく異なり、中にはインコースが極端に狭いがために窮屈となり、競艇のセオリーである「1号艇が有利」という条件が大きく覆される事もあります。

競艇場の「立地」も非常に重要です。
立地によって競艇場に吹き付ける風の強さや向きが大きく変わり、レース結果に大きく影響します。
そして忘れてはいけないのが、「立地による水質の違い」です。

水質は大きく「淡水」「海水」「汽水」の3種類あって、それぞれ走りやすさが大きく変わりますが、それ以上に「潮の満ち引き」に注意しなければなりません。

全ての競艇場が潮の満ち引きの影響を受けるわけではありませんが、影響を受ける競艇場では水位が変化して競艇場内の水量が大きく変わります。

満潮の時と干潮の時とでは同じコースでも周りの景色の見え方が変わるので、スタートタイミングも変えなければなりません。
このように潮位の変化というのは思っている以上にレースに大きな影響を与えるのです。

潮の満ち引きの時間は日によって変わる

潮の満ち引きは定期的に発生するのですが一年中同じ日、同じ時間に発生するわけではありません。
理解の授業で習ったと思いますが、潮の満ち引きは次からの引力の影響によって発生します。

月と地球の周期が全く同じであれば、一年中全く同じタイミングで潮の満ち引きが繰り返されるのですが、月の周期と地球の周期は同じではないため、翌月になれば満潮や干潮の時間は微妙にズレますし、一年後の同じ日の満潮と干潮も今年とは微妙に時間がズレます。

満潮になった時はレースにどのような影響を与える？

満潮になった時のレースに与える影響ですが、各競艇場ごとの細かな影響については後ほど解説するので、ここでの説明は基本的にどのような影響が出るのかに留めておきます。

満潮になるという事は、通常時よりも水量がかなり増えるという事になります。
水量が増えれば少しの波の変化でも大きなパワーが生まれるため、特に大外からまくりを決めようとすると水の大きな抵抗を受けますし、上手く回る事そのものが難しくなります。

したがって基本的に満潮時はインコースが通常時よりも更に有利になると覚えておけば良いでしょう。

干潮になった時はレースにどのような影響を与える？

逆に干潮の時は普段よりも水量がかなり少なくなります。
すると水面が落ち着くので思い切った走り方をしやすくなり、豪快なまくりなどが決めやすいです。
干潮時はアウトコースが有利になると覚えておきましょう。

「大潮」のときは特に強く影響が出る

潮の満ち引きが特に大きくなるのが「大潮」です。
大潮は満月と新月のころ、月の引力の影響が最も強い時に発生します。
満月と新月の時は特に潮の満ち引きの影響を意識して予想する必要があると言えるでしょう。

競艇場ごとに影響が出る競艇場と出ない競艇場がある

(引用元：BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)

潮の満ち引きの影響はかなり意識しなければなりませんが、全ての競艇場が影響を受けるわけではありません。

例えば周りから水が全く流入しないプールのような造りとなっている競艇場では、外の潮がいくら満ち引きしようがコース内に水が流れ込む事はないので、潮の影響を考慮して予想をする必要は一切ありません。

特に満潮と干潮の影響を強く受ける競艇場を紹介

競艇場は全国に24か所ありますが、特に潮の満ち引きの影響を強く受けるのは本項目で紹介する12か所の競艇場です。
各競艇場が潮の満ち引きによってどのような影響が出てくるのかを簡単に紹介していきます。

江戸川競艇場

江戸川競艇場は100パーセント河川を利用している唯一の競艇場です。
コースが河口に近いということもあって川の流れと潮の満ち引きをダブルで受けるため全競艇場トップクラスの難水面といわれています。

干潮になるとまくりが決まりやすくなるためアウトコースが有利になり、逆に満潮になるとインコースが有利になりやすいです。

平和島競艇場

(引用元：ボートレース平和島)

平和島競艇場は比較的穏やかな競艇場なのですが、コース形状にかなりクセがあり、インコ―スがほかの競艇場よりも不利になりやすいといわれています。

干潮になるとまくりが決まりやすくなるため、アウトコースのアドバンテージがかなり高くなり、これに向かい風が加わるとインコースがスタート時に加速しづらくなるので更にアウトコースが有利になります。

干潮時なおかつ向かい風の場合はアウトコースメインで舟券を買ってみるのも面白いでしょう。

浜名湖競艇場

(引用元：Let's BOAT RACE)

浜名湖という名称がついている通り、湖にある競艇場ですが湖は一部海に流れ込んでいるので潮位の影響は当然受けます。

ここまで紹介した競艇場と同じく、干潮の場合はアウトコースが有利になり、満潮の場合は逆にインコースが有利です。

鳴門競艇場

(引用元：ボートレース鳴門facebook)

鳴門海峡の近くにある競艇場です。
鳴門といえば「鳴門の渦潮」が有名であり、この影響を強く受けるのではないかと思ってしまいがちですが、防波堤があるのでそこまで強い影響を受けることはありません。

他の競艇場と同じで、干潮はアウトコースが、満潮時はインコースが有利となります。

丸亀競艇場

(引用元：ボートレースまるがめ)

瀬戸内海に面している競艇場なのですが水門が無いので瀬戸内海の海流が直接流れてくるということもあって、潮位の影響をかなり強く受ける競艇場です。

干潮の時に向かい風が吹いているとインコースの伸びが悪くなるのでアウトコースからのまくりが決めやすくなり、満潮の時は第2ターンマーク周辺の波が荒れるので差しが決まりやすくなります。

児島競艇場

(引用元：倉敷観光WEB)

児島競艇場も瀬戸内海に直接面していて、潮位の影響をかなり強く受ける競艇場です。
干潮の時と満潮の時の水位が2mから3m近く変わると書けばその影響の大きさがなんとなく分かるのではないでしょうか。

満潮になるとうねりが発生するのでまくりをした際に外側に流れやすくなってしまうので、インコースの艇が有利になります。

宮島競艇場

(引用元：youtube)

児島競艇場を超える最大4mの潮位差がある競艇場で、満潮の時になると水量が増えてうねりが発生して難水面となってしまいます。

潮の流れもほかの競艇場とは異なるので宮島競艇場で満潮になっているときは潮の流れの影響も考慮しなければなりません。

これまで紹介した競艇場は干潮時はアウトコースが優位になっていたのですが、宮島競艇場は真逆で干潮時は第1ターンマークに向けて潮が流れるのでインコースが有利となります。

そして満潮の時は逆に第1単マークから潮が流れるのでインコースの艇が走りづらくなるのでアウトコースの艇が有利です。

徳山競艇場

(引用元：ボートレース徳山)

水面事態は穏やかですが、潮位差が3メートルほどあるので満潮または干潮になった際に風が強くなるとうねりが発生します。

干潮時にうねりが発生するとモーターのパワーが強い選手が有利になり、満潮の時は技術力勝負になるので経験豊富なベテラン選手が有利となりやすいです。

下関競艇場

(引用元：ボートレース下関facebook)

干潮時は特に影響ありませんが、大潮で満潮の時には注意が必要な競艇場です。
大潮で満潮になると海水が流入してまくりがうまく決まらなくなりやすいです。
つまり大潮で満潮の時はインコースが有利になると覚えておきましょう。

若松競艇場

(引用元：ボートレース若松facebook)

第2ターンマーク後方から潮が流入する競艇場で、満潮になると流入した潮と満ちた潮がぶつかってうねりが発生するため潮だまりが発生します。

とはいえ、セオリー通りで干潮の時はまくりが決まりやすいのでアウトコースが有利となり、満潮の時はインコースが有利になりやすいです。

福岡競艇場

(引用元：株式会社 太陽設計)

河口付近にある競艇場で、満潮の時には第1ターンマーク付近で川の水と海水がぶつかってうねりが発生してしまいます。

干潮のときはこのようなうねりが発生せず静水面なのでアウトコースが有利になりますが、満潮になると先ほど紹介したうねりが発生するのでほかの競艇場以上にアウトコースからのまくりが決めづらく、インコースが大きく有利になります。

大村競艇場

(引用元：ボートレース大村)

24か所ある競艇場のなかでもトップクラスにインコースが強い競艇場として知られています。

大村競艇場に関しては「満潮だろうが干潮だろうが関係なくすべてにおいて」インコースが有利ですが、満潮の時は第2ターンマークあたりにうねりが発生するので差しが決まりやすい事は覚えておきましょう。

まとめ

競艇は水上で行われる競技です。
全ての競艇場が該当するわけではありませんが、海水が流入する競艇場もあるため、そのような競艇場では潮の満ち引きによる影響を考慮して予想する必要があります。

基本的には満潮時は水量が増えて水面が不安定なのでインコース有利に、逆に干潮時は水量が減って水面が安定するのでアウトコースが有利になります。

各競艇場ごとの細かい変化は本記事にて解説しているので、気になる競艇場があれば内容を読んで予想に活かしてみてください。