女性競艇選手の最強は一体誰?現役最強候補と歴代最強候補を紹介!
最強の競艇選手は誰かという議論は、競艇ファンの間でしばしば繰り広げられますが、それらはたいてい男性選手に限定されているケースが大半です。
最強の女性選手は誰かという議論があまり交わされることはないでしょう。
本記事では最強の女性選手は誰かというテーマで、多くのファンが候補に挙げるであろう現役選手と、歴代女性選手をそれぞれ紹介します。
競艇は男女差があまり無い競技
(引用元:Ladies Information)
競艇は基本的に男性と女性の差があまり無い競技です。
ほとんどの競技で男性選手と女性選手が混合で争われることはありませんが、競艇ではレース数は少ないものの、男性選手と女性選手が同じレースで争うことがあります。
男性選手と女性選手の差があまり無いといわれている理由として考えられるのは主に以下の3つです。
走るのは選手ではなくボートだから
男女差が無いといわれる最大の理由は、やはり選手自身がコースを走るわけではないからでしょう。
競艇でコースを走るのはボートです。
選手自身の能力差に関しては運営側が操作できませんが、ボートはモーターやプロペラによって走行するため、運営する側が自由に能力を操作できます。
逆に言えば明確な能力差があれば真っ先に疑われるのは運営側です。
したがって、競艇ではボート、モーター、プロペラはすべて全く同じ条件で製造されます。
プロペラやモーターは整備することが可能ですし、100パーセント同じ性能で製造出来るわけではないので、実際には個体差が出てくるものの、理論上はまったく同じもので争うことになるので、ほかの競技ほど男女差は発生しないのです。
操縦の際に力はあまり必要ない
ボートの操縦は一般的な自動車と同様にハンドルとアクセルでおこないます。
ちなみに競艇のボートにはブレーキはありません。
自動車を操縦する際に特に力が必要ないのと同様に、競艇のボートを操縦する際も力をあまり必要としません。
したがってボートそのものの性能にほとんど差が無いだけではなく、操縦する時の男女差もほとんど生じないのです。
スタートが勝敗を大きく左右する
競艇は1周600mのコースを3周して勝敗を決めますが、3周すべてで熾烈なトップ争いが行われるわけではありません。
競艇のレースでもっとも重要になるのは、スタートから最初のターンマークを周回するまでの間です。
したがって、他の艇よりも先にスタートで切ればかなり高い確率で勝利することができます。
スタートのタイミングを計る能力に男女差はありません。
ボートやエンジンに差がなく、操縦の際にも力は必要ないうえに、スタートが勝敗を分けるという性質を持っている競艇は、かなり男女差が少ない競技のひとつといえるでしょう。
女子競艇は今や無くてはならないものに
(引用元:Ladies Information)
実は女子競艇の歴史はかなり長く、競艇そのものがスタートして翌月には早くも競艇の歴史上初の女性競艇選手が誕生しています。
しかしその当時は女子競艇に対して本腰を入れて普及しようという動きは一切なく、徐々に選手数は減っていき、一度低迷期を迎えます。
そして74年に鈴木弓子元選手が登場すると一躍人気となり、女性競艇選手は多くの支持を集めることが改めて証明されると運営側も本腰を入れて女子競艇選手の育成に励むようになります。
近年は実力だけではなく、ルックスも兼ね備えた女性競艇選手が増え、更にYouTubeなどでファンと接する機会も増えていったことも追い風になったため、女子競艇は今や競艇界において無くてはならないものとなりました。
現役女性選手最強候補を紹介
ここからは女性競艇選手の最強候補は誰かという議論になった際に多くの競艇ファンが名前を挙げるであろう、輝かしい成績を残している選手たちを紹介します。
まずは現役女性選手のなかで突出して高い成績を残している選手を5名、厳選に厳選を重ねて選出しました。
遠藤エミ
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
遠藤エミ選手は、2023年時点で現役で活躍している女性選手の中で真っ先に最強候補に挙げなければならない選手の1人です。
その理由は競艇がスタートしてからずっと女性選手が達成できなかった、SGレース制覇という偉業を女性選手として初めて、そして2023年9月時点で唯一達成している選手だからです。
もちろん長年最高ランクであるA1級選手として活躍し続けていますし、毎年年間賞金女王争いに加わっているという実績もあっての選出である事は改めて言うまでもありません。
寺田千恵
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
寺田千恵選手はもう30年以上現役選手としてレースに出続けているにも関わらず、未だに女性競艇選手の中ではトップクラスの成績を残し続けており、実績で言えば現役女性選手の中でナンバーワンと言い切っても過言ではないのではないでしょうか。
2001年6月のグランドチャンピオンでは女性選手として初めて優勝戦に進出するという快挙を達成しています。
2014年には通算1,500勝も達成しましたが、寺田選手にとっては通過点でしかなく、これからもどんどん勝利数を積み上げていく事でしょう。
平高奈菜
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
平高選手は遠藤エミ選手と並んで、現在女性競艇界を牽引する選手の1人です。
2011年には最優秀新人選手に選出されたほか、この年にはSGレース初勝利も達成しています。
その後も通算500勝を達成するなど順調な選手生活を送っていたのですが、2018年にフライングを3回犯してしまい、B2級まで降格してしまいます。
しかしあっという間にA1級に復帰すると、2020年にはクイーンズクライマックスで優勝し、G1初制覇を達成しました。
そして2022年、ボートレースオールスターでは女性選手として4人目の優出を果たしますが、優勝戦では惜しくも6着に敗れてしまいました。
田口節子
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
田口節子選手は銀河系軍団と呼ばれている85期の選手です。
1999年11月にデビュー、デビューからわずか1ヶ月で初勝利を達成すると、2003年11月には先ほど紹介した寺田千恵選手からまくりを決めて初優勝を果たします。
その後、一度は負傷による長期休養でB級まで階級を落とすもすぐにA級へと復帰、2011年にレディースチャンピオンを制してG1レース初優勝を達成しました。
翌年にもクイーンズクライマックスを優勝して連覇を果たしますが、2014年に出産のため長期休養を余儀なくされます。
復帰後はすぐに階級をA1級に戻し、2021年9月19日には男性選手でも困難である全24場制覇を女性選手として初めて達成しました。
大山千広
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
競艇界ではベテランだけではなく若手ホープも続々と誕生していて、それは女性選手であっても例外ではありません。
未来の女子競艇界を牽引する若手選手の1人が大山千広選手です。
大山選手は福岡支部所属で、実はお母さんが元競艇選手であり、大山選手がデビューした頃はまだ現役選手として活躍していました。
そのため、デビュー直後から母娘レーサーとして注目される存在でしたが、なかなかその期待に応えられないまま1年が経過します。
しかしデビューから約1年後の2016年4月30日、127走目にして初勝利を達成しました。
しかもこのレースにはお母さんも1号艇で出場していましたが、4コースから豪快なまくりを決めて見事に母親超えを果たしたのです。
すると、それまでの不調が嘘のように優勝戦まで勝ち進むようになり、2017年ついに初優勝に輝きました。
その後2019年にはレディースチャンピオンを当時最年少の23歳6ヶ月で優勝、賞金女王のタイトルも獲得します。
それ以降も順調に実績を積み重ねていたのですが2022年10月、レース中に転覆し、背中に別選手のボートが乗り上げてしまうという事故に見舞われます。
この事故によって骨盤を骨折してしまい、4ヶ月の休養を余儀なくされました。
2023年2月に復帰、級別はA2級になってしまいましたが、既に2回優勝しており、勝率も7点を軽く超えているため、次期A1級復帰はほぼ確実でしょう。
歴代女性選手最強候補を紹介
ここからは現役最強候補選手たちに劣らない実績を残している歴代女性選手の中でも、特に最強候補に名前を挙げなければならないくらいの強さを見せていた元レディースレーサーを5名紹介します。
横西奏恵
(引用元:YOUTUBE)
歴代女性選手の中でも最強候補は誰かという議論になった際、真っ先に名前が挙がるであろう選手が横西奏恵元選手です。
1994年、76期訓練生として本栖研修所(現在の競艇学校)に入所します。
同期には瓜生正義、原田幸哉、魚谷智之など現在の艇界を牽引するレーサー達が居たのですが、横西選手は卒業記念レースで何と優勝、女子生徒としては当時史上4人目の快挙を達成しました。
1995年5月20日にデビューするといきなり2着に入着、次走で早くも初勝利に輝きます。
1999年、レディースチャンピオンの優勝戦でフライングを2回犯すという崖っぷちの状況の中、大外からコンマ10秒のスタートを決めてそのまま豪快にインコースの選手たちを沈めて念願の初優勝を達成しました。
2006年にもレディースチャンピオンを制して同レース2度目の優勝を決めると、ボートレースクラシックでは当時女性史上2人目となる優勝戦進出を果たします(優勝戦は6着)。
2007年には7月29日から始まった女子リーグを完全優勝すると、8月5日まで負けなしの17連勝という前人未到の大記録を打ち立てます。
2011年、夫であり当時競艇界を代表するトップレーサーの1人である山崎智也元選手と共にボートレースオールスターのドリーム戦に出場、最強夫婦対決と銘打たれたこのレースには多くの競艇ファンの注目が集まりましたが、レース結果は何と妻である横西選手が勝利、その勢いのまま横西選手は2度目の優勝戦進出を果たしました。
ここまで一線級の活躍を見せていた横西選手でしたが、2012年に突如引退を発表、12月19日付で選手登録は抹消されています。
この年のグランプリ、夫である山崎選手も出場していたのですが、出場当時は12位とかなり厳しい状況でした。
ところが山崎選手は優勝戦まで勝ち進み、4号艇で優勝戦に臨みます。
抜群のスタートを決めてまくりさしでインの艇を抜き去ると、バックストレッチで先頭を走っていた松井繁選手を捉え、その後は先頭を譲ることなくゴール、奇跡の大逆転優勝を決め、妻の引退に華を添えたのでした。
鵜飼菜穂子
(引用元:BOAT RACE蒲郡 Official Site)
鵜飼菜穂子選手は今のように女子競艇が一定の盛り上がりを見せる前から女性競艇選手の第一人者として男性選手に劣らない活躍を見せた選手です。
デビュー前の練習中に大時計に激突し、怪我を負ってしまうというアクシデントが発生し、当初の予定よりも半年遅れてデビューすることになります。
デビュー後は安定した実績を積み重ねていき、1989年には優勝回数・勝率・獲得賞金の3部門で女性競艇選手最高の成績を残し、1990年から1992年にレディースチャンピオンを3連覇しました。
ファンからの人気も高く、ボートレースオールスターには1990年以降9年連続で出場しているほか、運営側の推薦によってしか出場できないボートレースメモリアルや勝率上位しか出場できないボートレースダービーに選出されるなど、実力も男女含めてトップクラスで、SGレースでは2度の準優勝戦出場も果たしています。
2010年視力検査をクリアできなかったため選手登録を抹消されてしまい、そのまま引退することも考えましたが、同期である今村豊元選手からそのまま選手を続けるよう叱咤激励されたためレーシック手術を受けて視力を回復、視力検査をクリアして選手登録を復活させました。
しかし今度はお父さんの介護によって規定出走回数を満たすことができなくなり、4期連続で規定勝率を満たせなかったため引退勧告を受け、2020年10月29日に引退することとなりました。
同年には今村豊元選手も引退していて、男女のレジェンド選手が同時期に引退するという、往年の競艇ファンからすると寂しい1年となっています。
2022年2月20日から常滑競艇場の公式チャンネル上で、にゃんこの目という番組の司会進行を努めているので、現在の鵜飼選手の姿を確認したい人は番組をチェックしましょう。
鈴木弓子
(引用元:ボートレース大村 ボートレース殿堂・殿堂マイスター特設サイト)
鈴木弓子選手は1980年代に活躍した女子競艇選手です。
鈴木選手が本栖研修所に入所したのは1979年なのですが、女性の研修員が入所するのは実に9年ぶりであり、入所した女性は鈴木選手のみでした。
当時、女性競艇選手はわずか4名と、ほぼ絶滅寸前の状態だったのですが、運営側は特に女性競艇選手に対して対策をとるといったことはしていなかったのですが、鈴木選手のことはデビュー前から競艇ファンの間で大きな話題となり、鈴木選手がメディアで取り上げられたことがきっかけとなって女性の競艇選手志望者が急激に増加します。
女性競艇選手が増えていくとともに、選手の質も向上し、女子戦が復活、この動きを受けて運営側も女性選手の地位向上を図るため、レディースチャンピオンやクイーンズクライマックスといった女性競艇選手限定の特別戦が設立されるなど、現在まで繋がる女子競艇の土台作りに多大な功績を残す選手となりました。
1987年に設立されたレディースチャンピオンの初代優勝者がこの鈴木選手です。
1989年2月に選手を引退、2007年にはボートレースの殿堂入りを果たしています。
山川美由紀
(引用元:BOATRACE福岡 QUEENS CLIMAXサイト)
ここから紹介する残り2名の選手はまだ現役選手として活躍していますが、さすがにピーク時の強さでは無くなってきているため、歴代女性選手の1人として紹介することとします。
山川美由紀選手は香川支部所属の選手で1985年11月21日にデビューすると、いきなり3着に入る活躍を見せます。
1996年レディースチャンピオンを優勝すると、1999年には四国地区選手権でG1レース初優勝を達成、グレード制が採用されて以降、これが初めての女性選手G1レース制覇となりました。
2001年にもレディースチャンピオンを優勝すると、2013年には女性選手としてはじめて 通算2,000勝を達成、2017年にはレディースオールスターの初代女王となり、2018年には4回目のレディースチャンピオン優勝を達成、この記録は現在も破られていません。
2019年には通算28人目、女性選手としてはもちろん初となる通算2,500勝も達成しています。
生涯獲得賞金は10億7,000万円であり、女性競艇選手のなかでは第2位にランクインしています。
谷川里江
(引用元:ボートレース広報facebook)
谷川里江選手はお父さんの谷川宏之氏が艇界屈指のペラ巧者であり、幼いころからお父さんの活躍を見て育ってきました。
自然に自分も競艇選手になることを目標に学生生活を送り、1987年5月21日にデビューすると、次の節には早くも初勝利を達成します。
1990年4月には初優勝を飾り、1994年にはレディースチャンピオンでも優勝、更に翌年のレディースチャンピオンも制して同レース連覇を果たしました。
谷川選手はレディース戦での強さもさることながら、男女混合戦でも変わらぬ強さを見せる選手であり、一般戦では優勝経験もあります。
2005年には通算1,000勝を達成したほか、2016年に大村競艇場で実施されたレデイ―ス戦では初日から11連勝で優勝、自身初の完全優勝も達成しています。
生涯獲得賞金ランキングをチェック!
2023年3月終了時点の女性選手獲得賞金ランキングを一覧にしました。
2023年9月時点ではこの金額よりもプラスになっているため、もしかすると順位の変動が発生しているかもしれません。
順位 | 選手名 | 生涯獲得賞金額 |
1位 | 日高逸子 | 10億9,417万円 |
2位 | 山川美由紀 | 10億7,344万円 |
3位 | 寺田千恵 | 10億59万円 |
4位 | 谷川里江 | 8億4,411万円 |
5位 | 海野ゆかり | 7億8,565万円 |
6位 | 角ひとみ | 7億7,107万円 |
7位 | 鵜飼菜穂子 | 7億3,229万円 |
8位 | 渡邉千草 | 6億7,035万円 |
9位 | 高橋淳美 | 6億5,468万円 |
10位 | 田口節子 | 6億3,406万円 |
1位はグレートマザーという異名を持つ日高逸子選手です。
最強候補に紹介すべき選手の1人であることは間違いないのですが、今回は説明を省きます。
2位以下の名前を見ると、今回の記事で紹介した選手の名前がズラリと並んでいるのが分かるのではないでしょうか。
完全実力主義の強制の世界では、獲得賞金が高い事と強さは完全に比例するのです。
2024年適用の勝率が高い女性選手は?
2024年適用となる、2023年5月1日〜9月11日終了時点で女性選手の勝率トップ10を調べてみることにしました。
順位 | 選手名 | 勝率 |
1位 | 鎌倉涼 | 7.94 |
2位 | 守屋美穂 | 7.63 |
3位 | 中谷朋子 | 7.31 |
4位 | 長嶋万記 | 7.31 |
5位 | 渡邉優美 | 7.19 |
6位 | 高憧四季 | 7.11 |
7位 | 三浦永理 | 7.08 |
8位 | 小野生奈 | 7.06 |
9位 | 遠藤エミ | 7.06 |
10位 | 平山智加 | 7.00 |
1位の鎌倉選手は女性選手限定だけではなく、男性も含めた全選手の勝率ランキングでもトップ10以内にランクインしています。
かなり突出して高い勝率を記録しているといって良いでしょう。
鎌倉選手の過去の勝率を見比べてもこれだけ高い勝率を維持したことはなく、このままいけば過去最高の勝率で終えられる可能性は非常に高いです。
2位以下の選手も女性選手の中ではトップクラスの選手ばかりであり、勝率がそのまま選手の強さに結び付いていることはほぼ間違いありません。
2人目のSGレース覇者が出る可能性は十分ある
(引用元:YOUTUBE)
2022年、遠藤エミ選手がSGレースを制覇したことは女子競艇のみならず、競艇界にとっては大きな快挙であり、大々的に報じられました。
そして、それからほどなくして平高奈菜選手がSGレース優出を達成するなど、男性選手と女性選手との差は着実に縮まってきています。
遠藤選手の優勝は決して展開などに恵まれた結果ではなく、実力によるものであり、現在も女性選手は次々と新しい力が育ってきているのを見ると、2人目のSGレース覇者が登場するのもそう遠くはないのではないでしょうか。
まとめ
ここまで女性競艇選手最強は誰だというテーマで現役選手と歴代選手(歴代選手は一部現役選手も含んでいますが)を10名紹介しました。
しかし女子競艇選手は魅力的な選手がどんどん登場しており、ファンによって最強と感じている選手は違っていることでしょう。
ここでは紹介していない選手にも、紹介した選手に勝るとも劣らない活躍を見せる選手はたくさん居ますし、これから過去の選手を凌駕するような強さを見せるニューヒロインが誕生する可能性も十分あります。
万人がこの選手こそ最強だと認める、圧倒的な力を発揮する女性選手の登場を楽しみにしましょう。