競艇で「カド」と呼ばれる4号艇を得意としている選手を紹介!
競艇は1号艇から6号艇まで、全部で6艇によって争われる競技です。
各艇はそれぞれ他のコースの艇とは異なる特徴を持っており、その特徴を把握して予想する事が的中率を上げる重要なポイントのひとつと言えるでしょう。
本記事では4号艇の特徴を解説し、4号艇を得意としている選手も紹介します。
4号艇の特徴
4号艇は、最も内側からスタートする1号艇から数えて4番目の位置からスタートする艇で、青色で塗装されています。
4号艇がどのような特徴を持っているのか、スタートと勝ちパターンの2点で検証する事にしましょう。
イン3艇とアウト3艇でスタートが異なる
4号艇は「カド」という別名でも知られていますが、それは1号艇から3号艇までと、4号艇より外側の艇とはスタート方法が大きく異なるためです。
競艇では待機場所が設けられており、そのスペース内であればどの位置で待機しても構いません。
1号艇から3号艇まではスタートラインに近い位置に待機し、4号艇はかなり引いた場所で待機することが一般的です。
したがって、1号艇から3号艇までと4号艇以降のスタート時の動きがまったく異なります。
1号艇から3号艇までは、スタートタイムを合わせるようにゆっくりとスタートしますが、4号艇以降は全速力でスタートする「スピードスタート」となります。
上手くスタートできればさまざまな決まり手を決める事ができる
4号艇の決まり手に関してはかなり自由度が高いです。
競艇の主な決まり手は、「逃げ」「まくり」「差し」「まくり差し」の4つとなっています。
厳密には「恵まれ」や「抜き」という決まり手もありますが、滅多に決まるものではないためここでは決まり手としてはカウントしません。
4つの決まり手のうち、「逃げ」は1号艇特有の決まり手なので4号艇で決める事は不可能ですが、残り3つに関してはどの決まり手も決めるチャンスがあります。
決まり手をある程度自由に決められる4号艇は、選手にとっては乗っていて楽しいコースと言えるでしょう。
4号艇の主な決まり手
4号艇は「逃げ」以外の全ての決まり手を決める事ができます。
それぞれの決まり手が具体的にどのような展開になるのかを把握しておく事が、4号艇が舟券に絡むと想定したレースを的中させるためには重要です。
まくり
4号艇の決まり手で最も多いのが「まくり」です。とにかくスタートダッシュを決めてインの3艇よりも先に第1ターンマークを回るのが、まくりを決めるための絶対条件です。
まくりでターンをする際はインの3艇の外側を通過するような軌道でターンします。
特に内側に切り込んでまくりを決めると、インの3艇は引き波を直接受ける事になるので速度が大きく低下し、舟券圏外になってしまう可能性が高いです。
まくり差し
まくりに次いで多い決まり手がまくり差しです。
まくり差しはインの3艇のうち1艇ないし2艇が遅れた場合に狙える決まり手です。
例えば2号艇のスタートが遅れた場合、1号艇と3号艇の間にスペースが出来るため、まず3号艇をまくり、その後3号艇と1号艇の間を通って1号艇を差すといった流れになります。
どの艇をまくり、どの艇を差すかはインのどの艇が遅れるかによって変わりますが、まくりを決められたインの艇は、まくりのみの時と同じような引き波にやられて着外になる可能性が高いです。
差し
4号艇が差しを決めるパターンというのは大きく分けるとふたつに分けられます。
ひとつ目のパターンはイン逃げが決まった時で、この時は1号艇と2号艇の後ろを3号艇を差して追走する事になります。
もうひとつはイン逃げが失敗して2号艇が差しを決めた時のケースで、この場合は2号艇のすぐ後ろを追走して1号艇を差すといった形になります。
差しで勝つのはモーターの性能が飛び抜けて良い時でなければならないため、差しが決まる状況というのは、4号艇が2着または3着に入る事が多いです。
4号艇の1着率はどれくらい?
4号艇の正式な1着率は提示されていないため、ここでは4コースの1着率を4号艇の1着率として話を進めていきます。
4号艇の1着率は全競艇場平均で約11.5パーセントです。
競艇は1日12レース実施されるので、そのうち1レースは4号艇が1着のレースになるといった割合と思っておけば良いでしょう。
4号艇が活躍しそうな条件
ここまで4号艇の特徴や勝ちパターン、1着率までを解説しましたが、本項目では4号艇が活躍する可能性が高い条件について全部で5つ紹介します。
これらの条件は、複数該当すればより4号艇が活躍する可能性が高まります。
イン3艇のスタートが遅い
インコースの艇のスタートタイムは、4号艇が活躍するかどうかを大きく左右する要素のひとつです。
特にインコースの3艇がすべて4号艇よりもスタートタイムが遅い場合は、4号艇の最も得意とする決まり手である「まくり」を決める絶好のチャンスとなります。
4号艇のスタートが早い
イン3艇のスタートタイムがいくら遅くても、肝心の4号艇の選手のスタートが同じように遅いようではまったく意味がありません。
4号艇選手のスタートが早いかどうかも4号艇が活躍するかどうかを大きく左右する要素のひとつです。
スタートタイムは選手の級別が高ければ高いほど早くなる傾向にあります。
例えばB1級選手の平均スタートタイムは0.17〜18秒といったところですが、A1級選手の中でもトップクラスである白井英治選手の4コース平均スタートタイムは0.14秒となっています。
コンマ04秒違えばスタート時に明確な差として現れます。
インの3艇と4号艇選手のスタートタイムを比較してコンマ04秒以上差があれば積極的に買い目に含めておくようにしましょう。
4号艇の選手がA1級トップクラス
もしインの3選手のスタートタイムが遅かったとしても、4号艇の選手が実力的に圧倒的に優れている場合は、問題ありません。
例えば、インの3選手がB級であり、4号艇の選手がA1級でさらにSGレースの常連選手である場合、4号艇選手は積極的にまくりやまくり差しを決めてくれるでしょう。
4号艇のモーター性能が高い
4号艇のモーター性能が高い場合も、4号艇選手が活躍する可能性が高くなる条件の1つと言えます。
モーター性能が高いとスタートをうまく決めた後、すぐに最高速度に達してくれます。
インの3艇よりも先んじてターンマークに達することができれば一気にまくりを決めて勝利を手にすることができるでしょう。
さらに、まくり差しを決める際にもモーター性能が高ければ前の艇が起こした引き波を受けてもスピードを落とすことなく乗り越えることができるため、勝率も飛躍的に上昇します。
向かい風が強い
インコースの艇は、比較的スタートラインに近い位置からのスタートとなるため、あまり加速できていない状態でのスタートとなります。
ここに向かい風が加わると更に加速しづらくなり、スタートで出遅れる可能性が高いです。
一方で4号艇は後方からのスタートとなるので向かい風があっても十分加速した状態でスタートすることができます。
向かい風が3メートル以上になっていると、インコースの艇にとっては不利になり、逆に4コースよりも外側の艇にとっては有利になります。
4号艇が得意な選手を決まり手ごとに紹介!
本項目では、4号艇の各決まり手ごとに好成績を記録している選手を紹介します。
「A1級選手である事」「年間30勝以上している事」「直近1年間のデータであること」と3つの条件を設けているので、この結果はかなり信用できるものとなっています。
まくり
4号艇でもっとも多い決まり手である「まくり」を直近1年間で多く決めているのは以下の3選手となりました。
まくりは高配当となる可能性が高い決まり手なので、穴党の人は以下の3選手が4号艇で出走した時は要注目です。
菅章哉
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
まくりを直近1年間でもっとも多く決めた選手は菅章哉選手でした。
菅選手は徳島支部所属のA1級選手で現在34歳とまだまだ若手にも関わらず、ベテラン選手を差しおいてまくりナンバーワン選手に輝きました。
菅選手のまくり成功率は優勝した時の決まり手にも如実に現れており、通常「逃げ」の決まり手が多くなるはずなのですが、菅選手に関しては明らかに逃げよりも3コースより外側からの「まくり」「まくり差し」での優勝の方が多くなっています。
競艇学校時代は自ら「劣等生」と評するほど成績が悪かったそうですが、デビュー3年目にして初優勝を飾るなど、選手としてデビューしてからはその才能をいかんなく発揮しています。
ただしチルト角度を上げて伸び足を徹底的によくする調整をすることもあって、フライングが多いのも特徴で、過去にはフライングによってB2級まで降格したこともありました。
しかしこの独特の調整法のおかげで4号艇でのまくりを量産できていることは間違いありません。
水摩敦
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
水摩敦選手は福島市部所属のA2級選手です。
コース別成績を見ると、2コースが20.5パーセント、3コースが19パーセントなのに対して4コースが23.3パーセントとなっており、4号艇巧者であることが数値からも読み取れます。
水摩選手も少々フライングによる反則が一般的な選手と比べると多めであり、2022年には3度のフライングを犯してランクをB1級にまで下げてしまっています。
安定した成績を維持するためにはフライング事故を減らすことが課題といえるでしょう。
堀之内紀代子
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
城之内選手は岡山支部所属の女性競艇選手です。
初勝利はデビューから2か月目と早かったのですが、初優勝までには実に13年を要しており、それまでには並々ならぬ苦労があったのではないでしょうか。
城之内選手は年間最多出走回数の記録保持者なのですが、その回数はなんと驚きの337回で、回数で言えばほぼ毎日レースに出走しているということになります。
競艇選手は1日に数回出走することも多いので、厳密には毎日出走しているわけではないのですが、それでも恐らく出走回数が多いA1級選手の平均出走数よりも100回以上は多いため、この記録が破られることは恐らくないでしょう。
差し
続いて差しで勝利した回数が直近1年間で多かったのは以下の3選手となりました。
4号艇の差しで勝利することは非常に難しいため、下に名前を連ねている3名はいずれもA1級でもトップクラスの実力者ばかりです。
吉川元浩
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
吉川選手は兵庫支部所属のA1級選手です。
競艇選手になったきっかけは阪神淡路大震災であり、その際に会社の同僚からの薦めで競艇選手を志すようになりました。
競艇学校に入学したのが当時の年齢制限の上限である22歳と、かなりの遅咲きでしたがデビュー戦でいきなり初勝利を挙げ、一躍注目されることとなります。
さらに翌年4月には早くも初優出、デビューから3年足らずで初優勝と圧倒的なスピードで実績を積み重ねていき、2007年の賞金王決定戦にて初出場初優勝という快挙を達成し、SGレースでも頂点に輝きました。
以降も2019年2020年のボートレースクラシックを連破するなど、これまでにSGレースを4回優勝しており、A1級選手のなかでも間違いなくトップレーサーの1人として活躍し続けています。
毒島誠
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
毒島選手はその独特な名前もさることながら、毎年のように賞金ランキング上位に名を連ねているため、競艇ファンで知らない人は恐らく居ないことでしょう。
これまでにSGレース優勝は7回、そのうち6回がナイターレースであることから「ナイターキング」の異名を持っています。
毒島選手の持ち味は「スーパーピット離れ」とも呼ばれる狂的なスタートからのインコース奪取と全速ツケマイと呼ばれる引き波を相手にぶつけつつターンをするという高等テクニックです。
特に2018年の活躍はすさまじく、「ボートレースメモリアル」「ボートレースダービー」と2つのSGレースを優勝、さらに周年記念競走2回とダイヤモンドカップ優勝と、G1レースも3回優勝するという快挙を成し遂げています。
桐本康臣
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
桐本選手は三重支部所属のA1級選手で、85期といえば「銀河系軍団」と呼ばれるトップクラス選手が多く在籍する期として競艇ファンには有名です。
何度かA2級に降格してしまっているものの、2008年からほぼA1級を維持し続けているのは安定して好成績を記録している何よりの証拠でしょう。
4月11日には記念すべき1,500勝を達成しましたが、この時のレースでも4号艇から鮮やかなまくりを決めています。
まくり差し
まくり差しを直近1年間でもっとも多く決めたのは当項目で紹介する以下の3選手となりました。
まくり差しは状況によってどこからまくってどの艇を指すのかを瞬時に判断しなければならないため、以下の3選手はどのような条件であっても冷静なレース運びができる選手であると言い換えることもできるでしょう。
小坂尚哉
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
小坂選手は兵庫支部所属のA1級選手で、デビューから4か月目で初勝利、そして3年目で初優勝と、A1選手としてはごく平均的な実績の積み上げ方をしている選手です。
しかし2009年には児島競艇場で完全優勝という快挙を達成しています。
このレースではSGレース常連選手である瓜生正義選手や倉谷和信選手といった強豪選手が出走していて、その中でも完全優勝というのは非常に価値あるものといえるでしょう。
2023年もすでに3回の優勝を決めるなど、好調ぶりを維持し続けています。
大橋純一郎
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
大橋選手は静岡市部所属のA1級選手で、デビューからわずか1か月で初勝利を達成する快挙を成し遂げますが、その後はなかなか思うように成績を挙げられず、初優勝までには実の10年の歳月を要しました。
しかしそれ以降はコンスタントに優勝を決めることができるようになっており、特に初優勝を決めた2010年と2016年には年間で3度の優勝に輝いています。
古澤光紀
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
古澤選手は福岡支部所属のA1級選手です。
やまと競艇学校時代、勝率7.24、優勝3回というトップ成績でやまとチャンプに輝くなど、その才能は早くから注目されていました。
しかし勝ちたいという気持ちが前に出すぎるのか、なかなか優勝することができず、初優勝は何とデビューから7年後の2015年という、学校時代の成績を考慮すると遅すぎるくらいに時間がかかってしまいました。
しかしそれ以降は毎年のように優勝しており、特に2021年には年間6回優勝するという驚異的な成績を残しています。
優勝した時の決まり手を見ると、逃げよりも圧倒的に「まくり」「まくり差し」が多く、これらの戦法を得意としていることかデータからも見て取れます。
ちなみに今回ここに名前は上がりませんでしたが、現競艇界のトップ選手である峰竜太選手は「4カドの峰」と呼ばれるほど4号艇からの攻めを得意としてるので、峰選手が4コースになっている場合は要注目です。
ただし最近はその事が有名になりすぎて多くの選手に警戒されるようになってしまったとも語っておられました。
まとめ
4号艇は後方で待機して一気に加速しTエスターとする、「スピードスタート」を決めるアウト3艇のもっとも内側に位置する艇で、競艇ファンからは「カド」と呼ばれています。
「逃げ」以外の決まり手である「差し」「まくり」「まくり差し」のいずれも狙うことができるというのが最大の特徴で、「自在戦」と呼ばれることもあります。
4号艇の勝ちパターンとしてはインの3艇よりも早くスタートを決めて外から一気にターンを回る「まくり」による決着が最も多く、次いで「まくり差し」が多くなっています。
「差し」は1着を狙うというよりもどちらかといえば前の艇を追走して2着や3着を狙うといった結果になることが多いです。
以下の条件に該当するレースは4号艇が活躍する可能性が高いので、積極的に狙っていくとよいでしょう。
・4号艇がA1級トップクラス選手
・4号艇選手のスタートタイムが早い
・4号艇勝率が高い
・向かい風3メートル以上
・4号艇のモーター性能が高い