天才・清水愛海はSGレースでも戦える逸材か?師匠や過去に起きた落水事故についても紹介

天才・清水愛海はSGレースでも戦える逸材か?師匠や過去に起きた落水事故についても紹介

女子競艇界で現在、期待の大型新人と呼ばれている選手がいます。
まだデビューして数年しか経っていませんが、トップレーサーからも成長すればSGレースでも十分戦えるだけのポテンシャルを持っていると太鼓判を押されているほどで、競艇ファンならば絶対に注目しておかなければならないでしょう。

本記事では女性新人選手のなかでぶっちぎりのトップ成績を残している清水愛海選手について詳しく解説していきます。

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清水愛海選手のプロフィール

清水愛海選手(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)

清水愛海選手は山口県柳井市出身の女性競艇選手です。
1999年11月23日生まれなので、2023年8月時点では22歳という事になります。

山口県には下関競艇場があるので、普通の人よりは競艇というものに接する機会は多かったのかもしれません。
学生時代から運動一筋で、中学生の頃は陸上部、高校生になるとバスケ部に所属して汗を流す日々を送ります。

現在現役競艇選手として活躍している人の中は学生時代から別競技でかなりの実績を残しているケースがかなり多いのですが、清水選手に関してはそのような優れた実績を残しているわけではなく、その当時はスポーツが好きな1人の少女でしかありませんでした。

競艇選手を目指すようになったきっかけとは?

競艇選手を目指すようになったきっかけとは?

清水選手の家庭は清水選手が生まれた時点ですでに母子家庭でした。
母子家庭にはさまざまな手当が支給されたり税制面で優遇されるとはいえ、小さな子供がいる状態で長時間働くことはできないため、とにかく金銭面で苦労します。

清水選手はお母さんが四苦八苦しながら子育てをしているのを観てきて、何とか楽をさせてあげたいという気持ちがとても強くなります。

そんな時に知ったのが競艇選手という職業でした。
競艇選手の平均年収は約1,600万円と言われているので、活躍すれば確実にお母さんを楽にさせてあげる事ができます。

さらに偶然にも清水選手のお母さんが現役競艇選手である高岡達也選手の両親と知り合いであり、話を聞いたり実際にレースを観戦するうちによりその思いが強くなり、競艇選手になる事を決心しました。

女子生徒初の快挙を達成して卒業!

清水愛海(引用元:YOUTUBE)

高校卒業後に競艇学校の入学試験を受け、見事に合格して入学を果たします。
競艇学校は時に競争率10倍以上にもなるという狭き門で、スポーツで優れた成績を残している人でも一発合格は難しいものです。

そんななか特に実績も残していない清水選手は一発で合格しました。
もしかするとすでにこの頃から何かしら競艇選手向きの才能を持っていたのかもしれません。

競艇学校時代に色々と教わった、荘林幸輝教官(現在は引退)をとても尊敬しているらしく、インタビューで目標としている選手はと問われた清水選手は迷うことなく荘林幸輝教官の名前を挙げています。

そんな清水選手ですが、競艇学校の学生時代すでに史上初の快挙を成し遂げています。
清水選手の競艇学校時代の最終成績は、リーグ戦優出5回、優勝1回、リーグ戦勝率は7.12で同期トップ、そして修了記念競走でも優勝、見事チャンプに輝きました。

つまり清水選手は年間勝率トップ、修了記念競走優勝と競艇学校時代に二冠を達成しているのです。
競艇は条件的に他のスポーツと比べると男女の差はあまりなく、互角に戦える競技とはいえ、女性生徒でこの快挙を達成したのは清水選手が初めてで、当時競艇界では大きな話題となりました。

そのため、競艇の最新情報を常にチェックしているコアな競艇ファンの中ではすでに清水選手は注目されていました。

生徒時代転覆回数も随一だった

生徒時代転覆回数も随一だった

しかし清水選手は決して優等生だったわけではありません。
恩師である荘林幸輝元教官は清水選手について、「同期の中で1番転覆や落水の回数が多かったと思う」と回答しています。
清水選手はリーグ勝率トップ、修了記念競走優勝、さらには転覆女王とある意味三冠に輝いていると言えるでしょう。

しかし転覆するのはハンドル捌きが下手だからではありません。
むしろ逆で、基本的なハンドル捌きはすでに身についており、更に攻めのハンドル捌きを試行錯誤した結果転覆を繰り返しているのです。

実は学生時代に転覆王と呼ばれた選手が少なくとも2名居ます。
1人は今村豊選手、そしてもう1人は松井繁選手です。

今村選手は全速ターンを完成させていち早く実践に本格導入し、競艇のレースを根本から変えてしまったレジェンド中のレジェンドであり、2023年時点で唯一殿堂入りを果たしています。

もう1人の松井選手は2023年に生涯獲得賞金40億円を突破、全盛期は絶対王者という異名を持ち、手がつけられない強さを発揮したこちらもレジェンド中のレジェンド選手です。

そんな選手たちと同じような経歴を持っている上に生徒時代にしっかりと実績を残している訳ですから期待の新星と言われるのも当然と言えるでしょう。

初勝利はそこまで早くはなかった

清水愛海(引用元:ボートレース下関facebook)

清水選手は2020年11月2日、徳山競艇場でデビュー戦を迎えます。
これまでの経歴を知っている多くのファンが注目したデビュー戦でしたが…緊張していたからかスタートは大幅に出遅れてしまいます。

スタート後は懸命に追いつこうと猛追するものの、流石にプロの壁は厚く良いところを全く出せない状況が続きます。
さらに2周目第2ターンマークで引き波に引っかかり転覆、清水選手のデビュー戦は転覆失格というなんともほろ苦いものとなってしまいました。

それ以降も期待されるほどの活躍は正直見せることはなく、一部のファンの中には「学生時代二冠はたまたまなのでは…」という考えを持つ人も出てきます。
しかしデビューからちょうど1年後の2021年11月2日、清水選手は念願の初勝利に輝きます。

しかも初勝利を達成した競艇場はほろ苦いデビューを飾った徳山競艇場でした。
このレースでも前評判からすれば不甲斐ない結果ばかりで、4号艇からのスタートと、レース前は初勝利の気配はあまり見られませんでした。

しかし清水選手はコンマ13のトップスタートを決めると一気に加速、そのままインの3艇をまくり、その後も先頭を独創して見事1着でゴールしました。
この初勝利後、今までの不調が嘘かのような目覚ましい活躍を見せて現在に至ります。

天才・期待の大型新人と言われる理由

清水愛海(引用元:Ladies Information)

伝説の選手たち同様に研修生時代は転覆女王と呼ばれながら、リーグ勝率1位、修了記念競走優勝と実績も残してきたというだけでも清水選手が大型新人と呼ばれる理由としては十分なのですが、彼女が大型新人と呼ばれる理由はそれだけではありません。
選手としてデビューしてからも大器の片鱗を披露しています。

女子トップ選手同様強気の攻めを見せる

清水選手最大の強みはここぞという時に女子競艇トップ選手を彷彿とさせるような攻めができるという点です。

生徒時代に転覆しまくっていたのもインコースから速度を落とさず果敢に攻めるトレーニングを積んでいたからこそで、普通の女性選手なら躊躇してしまうような場面でも臆することなくハンドルを握って加速しながら攻めていきます。

トップ選手になるためには、時にはリスクを犯してでも攻めなければならない場面が必ず出てくるので、新人の時点ですでにその攻めができるというのは将来を考えると大きな強みです。

また、引き波を相手にぶつけながらターンする、「ツケマイ」という高等テクニックを既に実践で披露するなど、そのポテンシャルは未だ未知数です。

デビュー2年目にしてA級昇格目前

清水選手の新人離れした能力の高さは既に成績にも現れていて、デビュー2年目の2022年時点で既に5点台をマークしており、このまま行けばA級昇格間違いなしと言われていました。

そして2023年、清水選手はデビュー3年目でA2級に昇格、この時の勝率は5.45だったのですが、2023年後期8月時点ではそれを更に上回る5.69という数字を叩き出しています。
この調子で実績を積み上げていけば、再来年くらいにはA1級昇格も現実味を帯びてきます。

一時はB2級降格の危機も…

実績を見ても分かる通り近い将来女子競艇選手の若きエースになる事間違いなしの清水選手ですが、ただ一つの懸念材料は事故が多いという点です。

競艇では反則や事故に対しては斡旋停止など厳しい罰則があるほか、一定以上の事故率だった場合はたとえAI級だったとしても一気にB2級まで降格してしまいます。

実際2021年と2022年は事故や反則が相次ぎ、あと1回反則を犯すとB2級に降格してしまうという状況まで追い詰められた事があります。
この時はなんとか降格は免れましたが、攻めの姿勢を貫くあまり事故を頻発させて降格…という事態にはならないようにして欲しいところです。

とはいえ、2022年後半あたりからその懸念も改善されていて、以前と比べれば事故を起こす確率が目に見えて減少しました。
この弱点さえ克服すれば清水選手に怖いものは何もありません。

レディースオールスターで起きた落水事故について

2023年レディースオールスター出場を賭けたファン投票で10位という結果を残した清水選手は、G2レース、レディースオールスターに見事出場することとなります。
清水選手が出走したのは初日の第4レースで3号艇でのスタート、スタートタイミングをうまく合わせてほかの艇よりも先行します。

それと同じくらい先行していたのが、6号艇の寺田千恵選手で、寺田選手は大外から一気に絞るようにまくりを仕掛けました。
そしてその際、寺田選手と清水選手の艇が接触、清水選手はその衝撃でボートから落水してしまいます。

後続の4号艇と5号艇の西岡選手と生田選手はとっさの判断で落水した清水選手を避けたため大事には至りませんでしたが、場合によっては大惨事にも十分なりえる事故だったことは間違いありません。

その後長嶋選手から、「清水選手は足を負傷しただけで大したことはない」という報告があったため、大きなケガ等はしていないようですが、大事を取って以降のレースは欠場となりました。
寺田選手は妨害という判断がなされ、このレースは失格となっています。

まずは初優勝が第一目標!

まずは初優勝が第一目標!

清水選手は2022年9月に初優出を達成していますが、初優勝は2023年7月終了時点でもまだ達成していません。
清水選手にとってまず初優勝する事が当面の目標になるでしょう。
初勝利後と同じように、一度優勝すればその後は優勝を量産していくのではないでしょうか。

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まとめ

清水愛海選手は山口県出身で山口支部に所属しています。
幼い頃から母子家庭で育ち、お母さんが金銭面で苦労しているのを間近で見ていたため、なんとかお母さんを金銭面で楽にさせてあげたいと思い、平均年収が一般サラリーマンよりもずっと高い競艇選手を目指すようになります。

競艇学校の入学試験を一発合格して無事に入学、研修生時代は転覆女王と呼ばれるほど転覆や落水を繰り返していましたが、最終的にはリーグ戦勝率トップ、修了記念競走で優勝と、女性選手としては初の快挙を達成します。
この頃から事情通の競艇ファンからは期待の大型新人として注目されていました。

デビュー戦は最下位で転覆失格という悔いの残るものであり、その後も実力をなかなか出せない日々が続いていましたが、デビューからちょうど1年目に初勝利を達成してからは驚異的なスピードで成績を伸ばします。
2022年には早くも勝率5点台をマーク、2023年には自身初のA級へ昇格しました。

まだ初優勝はないものの、清水選手の実力ならば程なくして初優勝も達成するでしょう。
更にA1級へと昇格しました、G1レースに出場する機会も多くなればG1、そしてSGレースの優勝も狙えるだけの能力を持っている選手です。
次の競艇界を担うであろう若きエースのこれからの活躍に注目しましょう。