ボートレーサー小林晋選手の死亡事故の原因や接触相手を調査

小林晋選手の死亡事故について

これまで競艇のイメージといえば、あまり清潔ではない競艇場に毎日のように常連のおじさんが新聞片手に通っているようなイメージで、若い人はもちろん、ましてや女性にとってはほぼ無縁といっても過言ではない世界でした。

しかし女性選手の増加やルックスも整ったスター選手の登場、そして何より有名俳優を起用したコマーシャルのお陰で競艇のイメージは一変し、2021年の売上げは史上最高額を記録するほどの盛り上がりを見せています。

その結果、以前とは比べものにならないほど「ライトなスポーツ」というイメージが定着しました。
しかし競艇は別名「水上の格闘技」と呼ばれるほど激しい争いが繰り広げられる競技であり、時には思わず息を飲んでしまうような危険な事故が発生することもあります。

本記事では2022年に発生した痛ましい事故について、事故の状況や事故後の世間の反応について解説し、さらに競艇で事故を防ぐことは不可能なのかについても考えていきます。


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小林晋選手の基本情報や成績について

小林晋選手(引用元:ボートレース平和島オフィシャルサイト)

その痛ましい事故は2022年の競艇シーズンが始まったばかりの1月12日に発生してしまいました。
事故の詳細は後述しますが、この事故によって小林晋選手が帰らぬ人となっています。
まずは小林晋選手がどういった選手なのかを簡単に紹介しましょう。

小林晋選手は1977年11月3日生まれ、2022年時点では44歳です。
通常のスポーツ選手であれば、45歳というと引退を考える年齢ですが、競艇選手は選手寿命が長く、50歳、60歳になっても最上級のA1級で活躍している選手が多数存在します。

そのため、年齢で言えばまだまだこれから十分伸びていく可能性がある年齢でした。

所属支部は東京支部であり、級別は2022年前期時点でB1級です。
2011年には一度A2級まで上昇しましたが、その後は伸び悩み、B1級とB2級を行ったり来たりしているという成績なので、トップクラスの選手と比べると勝率などは見劣りします。

しかし2021年後期は久々に4.5を超える勝率を記録してB1級に返り咲いており、小林選手自身もここから更に上を目指そうとしていたことでしょう。
その矢先の事故だっただけに、小林選手自身はとても悔しい思いだったのではないでしょうか。

小林晋選手の事故をスポーツ誌はどのように伝えたか

小林晋選手の事故をスポーツ誌はどのように伝えたか

この事故について、スポーツ誌はどのように伝えているのでしょうか。
スポーツ中日の記事では、このように記載されています。

「東京・多摩川ボートで12日に行われた6Rに6号艇で出走した小林晋(しん)選手(東京)が、2周目バックストレッチを航走中に他艇と接触して転覆し、直後に後続艇と接触する事故に巻き込まれた。

すぐに東京都府中市内の多摩総合医療センターに搬送され、集中治療室(ICU)で治療を行ったが、同日午後3時52分に死亡が確認された。死因は調査中。44歳だった。」

(引用:https://www.chunichi.co.jp/article/399111

つまり、この事故の原因はレース中にほかの艇と接触し、転覆したことによるものということが分かります。

接触して転覆するだけならまだ良かったのですが、運悪く後続の艇が小林選手とまともに接触してしまったことで小林選手自身の身体が大きく損傷し、集中治療の甲斐もなく死亡してしまったというのが大まかないきさつとなっているようです。

動画から事故の状況を検証

動画から事故の状況を検証

事故の瞬間が撮影されている動画がYouTube上に残っています。

動画を見た限りでは、バックストレッチを小林選手が走行中に前の艇がいきなり小林選手の進路を塞ごうとして斜行、スピードに乗っていた小林選手の艇はその斜行を避けきれずに接触し転覆、といった状況だったように見えます。

後続の艇と接触する瞬間は撮影されては居ませんでしたが、恐らくあのような急な転覆をしてしまった艇や選手を避けることはほぼ不可能だったことでしょう。

接触した選手は誰?

吉田稔選手(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)

小林選手に接触した選手は一体誰なのでしょうか。
動画には艇の番号が書かれているため、その番号とレースの出走表を見ることで接触した選手が誰なのかが判明します。
小林選手に接触した選手は3号艇に乗っていた吉田稔選手です。

競艇はレースに出走して賞金を稼がなければ収入がほぼ無いに等しい競技なので、全選手が勝つために必死なのはわかりますが、それでもこの吉田選手の急な斜行はあまりにも危険すぎであるような気がします。

そして小林選手に接触してしまった選手も5号艇の幸田智裕選手であることが判明しています。
幸田選手に関しては完全にもらい事故となってしまっているため、幸田選手自身には何の罪もありません。
しかしながらその精神的ダメージは計り知れない事でしょう。

小林選手の死因について

小林選手の死因について

小林選手の死因について、事故の翌日の一報では現在調査中となっていました。

死因について調べてみましたが、2022年4月時点でも死因に関しては発表されていないようです。
ですが競艇選手の事故による死亡事故の死因を見てみると、頭部への強い損傷によるものが多く見受けられます。

小林選手が必ずしもそれに該当するとは言い切れませんが、同じように頭部など生命維持に関わる部分が大きく損傷したことによって亡くなってしまったと考えるのが妥当ではないでしょうか。

レース中の事故を完全に防ぐことは不可能

レース中の事故を完全に防ぐことは不可能

競艇選手のなかにはファンが見ていて「危険だ」と感じるような走りをする選手が一部存在することは事実です。
ですが故意に相手選手の命を奪おうと考えている選手は一人としていないでしょう。

今回のレースに関しても選手全員が勝ちたいという気持ちでギリギリの勝負をしているからこそ発生してしまった事故であることは間違いありません。

そして、そのようなギリギリの勝負を見て私たちファンが興奮することもまた事実です。
レース中のコース争い、まくり差しやまくりを禁止すれば恐らく競艇のレース中の事故は大幅に少なくなることでしょう。

しかし順位を争う競技である以上はレース中の事故は恐らくゼロにはできないですし、コース取り争いもない、まくりやまくり差しもないような競艇は競艇の魅力そのものが一切失われた面白味のないものとなり、やがて衰退していくことでしょう。

競艇には時に素人から見れば「厳しすぎるのでは?」と思ってしまうようなルールや罰則があります。
しかしそれらは公正なレースをするため、何よりも安全なレースを施行するために大切なことなのです。

今回の事故に対する反応について

今回の事故に対する反応について

小林選手の死亡が正式発表されると、Twitter上では多くの競艇ファンから追悼のコメントが寄せられました。

「競艇選手が命がけで戦っていることを改めて認識させられた」「今後このような悲しい事故が起こらないことを祈るばかりです」といったコメントのほかに、相次いで発生している死亡事故に対して「ルール改正が必要」「危険な走行をした選手には今よりも重い罰則を設けるべきでは?」というような競艇のルールそのものに対する意見も寄せられています。

また、接触事故を起こした吉田選手に対して、一部のファンからは「元々危険な走行が多い選手だった」「今回の時期の原因の大半は吉田選手にあるのでは?」というように、今レースでの突然の斜行に対して批判的な意見も寄せられています。

選手たちの心理までは分からないので、吉田選手がどうしてこのような走行をしたのかは分かりませんが、このような痛ましい事故は今後二度と発生してほしくないものです。

ファンならば全艇が完走することを第一に願おう

ファンならば全艇が完走することを第一に願おう

競艇選手は全員が一歩間違えれば簡単に命を失ってしまうような世界で生きています。
私たちファンはどうしても購入した舟券の行く末ばかりを気にしてしまい、転覆などで失格してしまうとついつい野次や罵声を浴びせてしまうという人もなかにはいるのではないでしょうか。

しかし選手の舟券を買って応援できるのも、その選手が生きているからこそです。
競艇ファンならば、全員が事故なく無事に完走できることを第一に願いながらレースを観戦しましょう。


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まとめ

競艇ではこれまで30件以上の死亡事故が発生していて、2022年1月にもレース中の事故によって小林晋選手が亡くなっています。

原因はレース中に前方の選手が斜行したことにより小林選手の艇と接触したもので、不運にもそこへ後続の艇が接触したことがこのような悲しい結果を生んでしまいました。

この事故直後、Twitter上では小林選手に哀悼の意を表するコメントが多数寄せられており、なかにはルール改正を願う人や、斜行した吉田選手に対する批判などさまざまな意見が上がっていますが、事故の直接的な原因は2022年4月時点でも判明していません。

私たちは舟券の当たりはずれを意識するあまり選手たちについ心無い声を浴びせてしまいがちですが、何よりも選手全員が無事故で無事に完走することを第一に考えながらレースを観戦するようにしたいものです。