競艇の獲得賞金ランキング最下位を調査!その金額は?
競艇のレースを観たり、レース結果の速報などを見たりした際に優勝賞金の金額に驚く人も多いのではないでしょうか。
競艇のレースはグレード制になっていて、ランクに応じて出走条件や優勝賞金が変わるのですが、特に最上位クラスであるG1レースやSGレースの優勝賞金は1,000万円を超えるものばかりです。
たまに賞金ランキングを見ていると、自分の年収の何年分なんだろうと、その金額差に愕然としてしまいます。
しかし競艇のレースには勝ち負けがあり、勝利した選手がいれば敗北する選手も当然存在します。
本記事では全く勝敗に絡めないような賞金最下位クラスの選手の年収はどのくらいになるのか、調べてみる事にしました。
競艇選手の収入はレースの賞金が大部分を占める
競艇選手はレースに出走して誰よりも早くゴールに到達するのが仕事です。
したがって競艇選手の収入はレースで得られる賞金が大部分を占めます。
競艇のレースは基本的に予選を数レース、準優勝戦、優勝決定戦といったスケジュールで進行していきますが、各レースでの着順に応じて賞金が支払われます。
当然1着に近づけば近づくほどたくさんの賞金を獲得でき、もし6日間の日程でオール1着の完全優勝を成し遂げた場合は一般戦でも合計で200万円程度の賞金を獲得できます。
派遣社員やパートの人達の年収クラスの金額をたった6日間で獲得できるというのは凄まじいとしか言いようがありません。
しかし競艇の一般レースの予選では4着から最下位までは賞金が出ないので、逆に言えば結果を出さなければこの200万円のうち、1円すら得られないという事になります。
この現実を目の当たりにすると、競艇選手という職業は夢がある一方で徹底的に実力主義である、厳しい世界であると言えるでしょう。
2023年7月終了時点の獲得賞金トップ5は?
2023年7月終了時点の獲得賞金トップ5は以下のようになっています。
1 | 石野貴之 | 89,910,000円 |
2 | 磯部誠 | 80,276,000円 |
3 | 池田浩二 | 72,430,666円 |
4 | 羽野直也 | 70,575,000円 |
5 | 茅原悠紀 | 70,105,000円 |
まだ5か月ありますが、トップ5の選手はいずれも小さな企業の年商クラスの賞金を獲得しています。
このままの勢いだとトップ5の選手は全員獲得賞金1億円は軽く突破するのではないでしょうか。
ランキング上位は注目されるがランキング下位は全く注目されない
賞金ランキング上位選手は否が応でも注目される存在になります。
賞金ランキング上位に居る選手は、どのレースでも上位に入賞し、賞金を多く獲得しているています。
つまり賞金をあまり獲得していない選手と比べれば舟券に絡む可能性が高いことになるため、必然的にファンは賞金ランキング上位の選手の動向は常にチェックするようになります。
一方で賞金ランキング下位の選手はどのレースでもほとんど5着や6着であり、舟券に絡むような走りをすることは滅多にありません。
競艇ファンが注目するのは、レースで3着以内に入り、自分のお金を増やしてくれる可能性がある選手のみです。
したがって、賞金ランキングに名前が載らないようなレベルの選手には見向きもしないのです。
獲得賞金ランキング最下位の金額は?
獲得賞金ランキング最下位の選手は誰か調べようとしましたが、どのサイトにも賞金ランキング最下位選手の名前は記載されていませんでした。
したがって、獲得賞金ランキング最下位の選手が誰かをここで発表することはできません。
しかしながら、賞金ランキング最下位の選手の獲得賞金については推測できます。
競艇では毎年一切レースに出走できない選手が何名か存在するので、本当の意味での賞金ランキング最下位選手の賞金はゼロ円です。
しかしゼロ円というのはレースには全く出走しておらず、真の最下位とは言い難いのです。他の選手と同様に休まずレースに出走し、なおかつ賞金ランキング最下位クラスの選手の獲得賞金がいくらくらいになるのかを検証していくことにしましょう。
競艇ではレースに出るだけで手当が出る
競艇選手の年収の内訳で大部分を占めるのはレースの賞金であることは間違いありませんが、それだけだとレースで好成績を残したわずかな選手しか収入を得られないことになり、ほとんどの競艇選手が収入が得られず路頭に迷ってしまいこととなります。
しかし競艇ではレースで上位に入った際に支払われる賞金だけではなく、レースに出るだけでさまざまな手当てが支払われます。
この手当のおかげで常に成績下位の選手であってもある程度は収入を得ることができるのです。
出走した時に支払われる手当
競艇選手に支払われる手当には様々な種類がありますが、その中でも最も大きな比率を占めているのが、レースに出走した時に支払われる手当です。
なかなか勝利できない選手にとって、出走した時の手当はメインの収入源となっています。
出走した時に支払われる手当は以下の1種類です。
出場手当 | レースに出場することで支払われる手当 |
出走手当 | ボートに乗り、レースに出走することで支払われる手当 |
完走手当 | 反則や転覆などによって脱落することなく、ゴールまで走り切った選手に支払われる手当 |
参加賞・特別参加賞 | 斡旋されてレースに参加した選手に支払われる (G1・SGレースの場合は特別参加賞) 補欠で呼ばれてレース出場しなかったとしても、この参加賞や特別参加賞は支払われる |
ナイター手当 | ナイターレースに出走した選手に支払われる特別手当のひとつ |
荒天手当 | 風が強い日など荒天のレースに出走した選手に支払われる特別手当のひとつ |
敢闘賞 | 6艇のうち5艇が失格したレースで唯一完走した選手に支払われる 5艇が失格することはそうそうないので、敢闘賞が支払われるケースは極めてまれ |
敢闘手当 | 優勝戦でフライング、反則などで失格した選手に支払われる |
金一封 | 節間で全勝、つまり完全優勝した選手に支払われる 完全優勝はそう簡単に達成できるものではないので、この手当が出ることも極めて珍しい |
スタート無事故賞 | 節間でスタート事故をまったく起こさなかった選手に支払われる 節間を無事故で終える選手はそれなりに多いので、スタート無事故賞はそこまで珍しい徳悦手当ではない |
それ以外の手当も
一方、レース関連以外で支払われる手当には「班長手当」、「交通費」があります。
競艇ではレース毎に選手たちのまとめ役である班長を決めなければなりません。
班長となった選手は問題が発生した場合の対処や、レース中選手から何かした意見が出た場合の伝達、節間に開催される各種イベントの裏方役など、実はとてもたくさんの仕事があります。
そのため、班長になった選手には出走時の手当てとは別に、慰労金として班長手当が支払われるというわけです。
交通費は文字通りレースが開催される競艇場に行くまでに利用した交通機関の運賃を競艇側が負担するものですが、この交通費は公共交通機関を利用した場合のみと定められています。
新幹線や特急などを利用した場合の特急料金は交通費には含まれません。
レース賞金ゼロで手当のみのB2級選手の半年間の獲得賞金を計算
ここまで手当について解説してきました。
では実際にしっかりとレースに出走しているにもかかわらず、まったく勝てない本当の最下位クラスのB2級選手が半年間に得られる獲得賞金について計算してみましょう。
出走回数についてはA1級選手が月15回出走できるのに対してB2級選手はその半分しか出走できないとなっているため、ここでは月の出走回数は8回とします。
したがって、半年間に換算すると出走回数は48回です。
さまざまな手当のうち、レースに出走すれば必ず獲得できる手当というのは以下の通りです。
・出場手当
・出走手当
・完走手当
このうち、参加賞は賞金ではなく何かしらの商品というケースもあるので、ここでは金額換算はしないでおきます。
すると、まったく勝てない選手がレースに参加して確実に受け取れる収入というのは出場手当、出走手当、完走手当の3つ、ということになります。
まずレースに出場するだけでもらえる出場手当ですが、これは1日当たり20,000円支払われます。
本来はここから宿泊費が差し引かれますが、ここでは宿泊費は除外するので、出場手当はそのまま受け取れると仮定して計算します。
次に出走手当はレースに出走するごとに15,000円、そしてゴールまで完走すると一般戦の6着でも10,000円の完走手当が支払われるので、もちろんこれらも獲得賞金として計算したとすると以下のようになります。
半年間で216万円ということはそのまま計算すれば、B2級選手でなおかつ全レース6着であってもレースに出場し続けていれば年間で432万円の賞金を獲得できるということになります。
常に最下位の成績であったとしても、一般サラリーマンの平均年収くらいの賞金は獲得できるというわけです。
更に流石に全レース6着というのはあまり現実的ではありません。
いかに実力が劣っている選手であったとしても、5着ないし4着に入ることは年に何度かあるでしょう。
順位が上昇すれば完走手当もその分上昇します。
また、ナイターやミッドナイトレースに斡旋されればナイター手当も支払われるため、それらを踏まえるとだいたい最下位選手でも500万円くらいの賞金は獲得できていることでしょう。
成績が悪すぎると強制的に引退させられる
計算上ではたとえレースでまったく活躍できなかったとしても500万円くらいの年収を確保できることが分かりました。
一般サラリーマンで500万円の年収ならば平均よりもかなり多めです。
贅沢をしなければ1人で暮らしていくには十分な収入でしょう。
ここまで読み進めた人の中には、全然勝てなくてもレースに出て完走するだけでサラリーマン以上の年収を得られる競艇選手は恵まれた高収入な職業だと思うかもしれませんが、残念ながら現実はそう甘くはありません。
競艇ではその年競艇学校を卒業した研修生が毎年新人選手としてデビューしているというのは競艇ファンならば周知の事実でしょう。
そして、それと同じくらい、またはそれ以上の選手がさまざまな理由で引退をしているのです。
競艇選手の引退理由として真っ先に思い浮かぶのが年齢の夜体力面や精神面での衰えでしょう。
競艇選手の選手寿命は一般的なスポーツ選手よりも長いといわれているものの、流石に50歳を迎えたころにはほとんどの選手が引退について考え、実際に引退していきます。
しかし年齢を理由に自らの判断で引退するならばまだ納得いく競艇人生だったといえるでしょう。
しかし競艇では一定期間以上定められた成績を残せなかった選手に対して運営が合が引退勧告をしても良いという取り決めがなされています。
条件はいくつかありますが、期間は基本的には4期、つまり2年間所定の成績を残せなかった選手に対して引退が告げられます。
この引退勧告を受けた選手はどのような理由があろうともその期をもって競艇選手を引退しなければなりません。
競艇選手に安定や安泰という文字はありません。
競艇選手として収入を得続けたいのであれば、常に勝負を挑んで上の順位を目指さなければならないのです。
まとめ
ここまで競艇における獲得賞金ランキング最下位の選手について説明しました。
成績上位の選手たちのランキングについてはすぐに見つけることができたものの、逆に成績最下位の選手についてはまとめているところが見つからないため、実際の最下位選手を見つけることはできませんでした。
ですが、手当等を計算した結果、最下位選手でも規定通りレースに出続けていれば各種手当によって500万円くらいの賞金を獲得できていることが判明しました。
500万円というと、一般サラリーマンからすればそれなりの年収なので、特に主部押しかけずとも完走するだけで500万円もらえる競艇選手は楽な職業だと思ってしまうかもしれません。
しかし競艇選手には4期通算で一定以上の成績を残せなければ強制的に引退させられるという非常に厳しい取り決めがあります。
競艇選手として収入を得続けるにはレースで勝てる走りをしなければなりません。
したがって、どの選手も常に全力でレースに挑み続けているのです。