競艇の勝率とは?計算や予想時の見方について解説
競艇を予想する際には、さまざまなデータをチェックすることになりますが、必ずチェックしておきたいデータのひとつに「勝率」があります。
結論からいえば、勝率が高い選手というのは、どの競艇場のどのレースであっても上位に食い込む可能性があるので、予想をする際にチェックしておいて損はありません。
本記事では、競艇の勝率についてどのように計算するのか、そして枠ごとに勝率の違いがあるのかについて解説します。
競艇の勝率とは?
競艇における勝率とは、着順点を出走回数で割った数値となっています。
着順点とはレースの着順によって選手に与えられる得点となっていて、着順ごとに与えられる点数が異なっています。
勝率と聞くと、一般的には1着になる確率を想像してしまいそうですが、競艇の勝率はすべてのレースの着順をもとに計算されているので、勝率が高い選手は1着になっている確率が高いというだけではなく、そのほかのレースでも高い確率で上位に食い込む選手だと認識しておいてよいでしょう。
したがってレースの予想をする際にほかの選手よりも飛びぬけて勝率の高い選手が出場している場合は、高い確率で上位に絡んできます。
勝率はこのように計算する
着順点は当然ながら上位になればなるほど与えられる点数は高くなっているほか、どのレースに出場しているかによっても付与される点数は異なっています。
具体的にどのように点数が付与されているのかというと、下記になります。
2着 8点
3着 6点
4着 4点
5着 2点
6着 1点
2着 9点
3着 7点
4着 6点
5着 4点
6着 3点
さらにSG競走では2点増し、G1、G2競走では1点増しとなり、仮にSG戦の優勝レースで1着になると14点付与されます。
参考 競艇のSG競走とは?出場条件や予想方法を徹底解説!勝率は選手のランクに影響する
勝率は舟券の予想をするときにも大切ですが、それ以上に選手自身にとってもとても重要です。
なぜかというと、競艇選手にはそれぞれランクが定められているのですが、勝率はこのランクを定める基準のひとつとなっているからです。
たとえば競艇選手の最高ランクであるA級になるためには2連対率が30%以上、3連帯率が40%以上である、という条件があります。
この条件を満たすためには当然どのレースでも上位に入っておかなければいけません。
クラスが上になればなるほど、獲得賞金の高いレースに出場できますし、イベントなどにも呼ばれてレース以外での収入も増えるので、収入を増やしたいのであれば自然と高い勝率を選手は目指すようになっていきます。
勝率の見方と勝率ごとの人数
勝率は単純に高ければ高いほど強い選手だと思っておいて間違いありません。
では勝率ごとの人数はどのようになっているのでしょうか。
現在登録されている選手が度の勝率に分布しているのかをまとめた表が以下になります。
なお人数は概算となっています。
勝率 | 人数 |
8点以上 | 10 |
8点~7点台 | 80 |
7点~6点台 | 300 |
6点~5点台 | 400 |
5点~4点台 | 400 |
4点~3点台 | 200 |
3点~2点台 | 100 |
2点以下 | 100 |
7点以上の選手は全1,600選手のうちわずか90人で、たった5.6%です。
このクラスの選手は超一流選手といってもよく、SG競走で常に出走している常連組となっています。
勝率が1点違うと実力に明らかな違いがあり、同じ条件であれば5点台の選手が6点台の選手に勝利することはまずありません。
選手の勝率には「全国勝率」と「当地勝率」がある
出走表には選手の勝率が記載されていますが、記載されている勝率には「全国勝率」と「当地勝率」の2種類があります。
全国勝率は出場したすべてのレースにおける勝率となっていて、当地勝率は出場している競艇場に限定した場合の勝率となっています。
競艇場には波や風などの独特の特徴がありますが、大きく分けると選手にとって走りやすく実力を出しやすい「静水面」と、乗りにくくなかなか実力を発揮できない「難水面」とに分けられます。
舟券を購入する競艇場の特徴をしっかりと調べておき、静水面であれば「全国勝率」に、難水面であれば「当地勝率」に注目しましょう。
勝率の審査期間と実施期間
勝率は半年ごとに審査され、その都度更新されています。
実際の審査期間と実施期間は以下のようになっています。
審査期間 | 実施期間 | |
前期 | 5月1日~10月31日 | 1月1日~6月30日 |
後期 | 11月1日~4月30日 | 7月1日~12月31日 |
例えば2020年の4月1日のレースの出走表には、2019年の5月1日から10月31日までのレース結果をもとに計算した勝率が記載されていることになります。
この表からもわかる通り、紙面などに記載されている勝率は現在よりも少し前の結果が反映されています。
勝率が高い選手は強いことには間違いありませんが、念のために直近のレース結果がどうだったかも確認しておくと、選手の本当の実力が分かるようになります。
審査終了間際ではボーダーすれすれの選手に要注意!
審査期間というものが存在しているため、審査期間終了間際は選手にとってとても重要な時期です。
前期の審査期間の終了間際の10月や、後期の審査期間が終了する4月ごろは勝率がボーダーすれすれの選手に注目しておきたいところです。
ボーダーすれすれの選手はひとつのレースが自分の階級に大きく影響するので、何が何でも勝とうと、ときには大胆な戦法にうってでることもあります。
勝率がボーダーすれすれの選手がレースに出場した場合、新聞やアナウンスなどでそのことを紹介するので、チェックしておいたほうがよいでしょう。
選手の勝率同様レースの行方を大きく左右するモーター勝率
勝率は選手勝率のほかにもうひとつ、「モーター勝率」という勝率が記載されています。
モーター勝率とは、文字通り選手が操縦するボートに搭載されているモーターの勝率です。
ボートはモーターによって進むので、モーターの勝率は選手の勝率と同じくらい重要といえるでしょう。
レースを予想する場合、選手勝率はとても重要視するのに、モーター勝率はあまりチェックしないという人が多いのですが、舟券の勝率をアップさせるためにはモーター勝率もしっかりとチェックしておいたほうがよいでしょう。
モーターは毎年抽選によって決められる
実は、競艇のモーターは選手が自分の好き勝手に持ち込んでいるわけではありません。
各ボートレースごとに選手が使用するモーターというのは決まっており、そのモーターは毎年1回抽選で決定されます。
そして抽選によって引き当てたモーターは次の抽選になるまで変更することはできません。
モーターの持ち込みは禁じられているものの、モーターの整備は選手が自由におこなうことができるので、選手は競艇場の現在の環境などを実際のレースでチェックしながら、より適した状態へと整備しています。
モーターがレースに与える影響について
各競艇場に設置されているモーターはどれも同じ性能というわけではありません。
整備によって多少改善されるものの、整備だけではどうしようもないくらい、良いモーターとそうでないモーターには明らかな性能差があるというのが現状です。
同じ実力の選手であっても、良いモーターを引き当てた時とそうでない時は当地勝率に明らかな差が生まれます。
モーター勝率が40%を超えていればよいモーターで、50%を超えているのであれば、スバ抜けて性能が良いモーターと認識しておけばよいでしょう。
枠番ごとの勝率について
競艇は枠ごとに明らかに勝率が異なる公営競技でもあります。
競艇はレースの性質上、1コースが圧倒的に有利になっていて、コースごとの勝率を見ても1コースの勝率は50%以上と飛びぬけて高くなっています。
したがって、競艇の予想をする際には真っ先に1コースの艇の選手とモーターの勝率をチェックします。
選手が明らかにほかの選手よりも実力が劣っていたり、モーターの勝率が極端に悪くなったりしていない限りは1コースの艇が1着になる可能性が高いということを考えつつ、予想をしていけばよいでしょう。
2コース以降でもインコースのほうが勝率が良くなっています。
インコースの艇は1コースの艇が少しでもターンの時に膨らめば、「差し」といった膨らんだ艇の内側を通って先行することができるからです。
いっぽう5コースと6コースの艇は、「捲り」といって大外から一気にすべての艇をごぼう抜きするしか勝機が見いだせないので、インコースの艇と比較すると明らかに勝率は悪くなっています。
逆にいえば、5コースと6コースの艇が3着以内に入りそうなレースは大荒れし、万舟券が出る可能性が高いということです。
まとめ
競艇における勝率というのは単純に1着になる確率というわけではなく、選手が上位に入る確率の高さをあらわしていると認識しておけばよいでしょう。
したがって勝率が高い選手ほどどのレースでも上位に入ることができる強い選手だと考えておいて間違いありません。
勝率7点台の選手はかなり優秀な選手で、8点台になるとSG戦にも常に出場しているようなトップクラスの実力者です。
選手の勝率は半年ごとの審査期間によって決まっており、審査期間終了間際の4月または10月は、ボーダーすれすれの選手には要注意です。
舟券の的中率をアップさせたいのであれば、選手の勝率だけではなくモーターの勝率にも注目しておきましょう。
モーターは選手が勝手に持ち込みをしているわけではなく、競艇場ごとに抽選で使用するモーターが決められています。
整備によって多少性能が改善されることもありますが、良いモーターと悪いモーターには整備では埋められないような明らかな性能差があります。