遠藤エミが女子初のSG制覇!結婚や師匠などプロフィールもあわせて紹介
近年の競艇は女性選手の育成に力を入れていて、現在200名以上もの選手がレースで活躍しています。
その中でも現在トップクラスの実力を持っている選手の一人が遠藤エミ選手です。
遠藤エミ選手は先日2022年3月21日に行われたボートレース大村での「SG第57回ボートレースクラシック」で見事優勝。
ボートレース70年の歴史で、これまで誰も成し遂げることができなかった「女子レーサー初のSG戦制覇」を成し遂げました。
本記事では遠藤エミ選手のSG制覇について、これまでの経歴や成績、そして結婚や師匠についても解説していきます。
遠藤エミ選手のプロフィール
遠藤エミ選手のプロフィールは以下のようになっています。
名前 | 遠藤エミ |
登録番号 | 4502 |
生年月日 | 1988年2月19日 |
所属支部 | 滋賀 |
身長 | 153センチ |
体重 | 51キロ |
級別 | A1 |
遠藤選手は滋賀支部に所属しており、滋賀県といえば琵琶湖ということもあって、「湖国のレイクレーサー」という異名をつけられています。
遠藤選手はどちらかといえばボーイッシュな外見であり、男性からの人気はもちろんですが、特に女性からの支持を多く集めそうな顔立ちをしています。
趣味はスノーボードや釣りなど身体を動かすことが好きなのですが、遠藤選手といえば無類のパン好きとして知られています。
競艇選手となった現在も時間があれば自宅でパン作りを楽しんでいるとのことです。
女子レーサー初のSG制覇という偉業を成し遂げる
冒頭でも少し説明しましたが、遠藤エミ選手は2022年3月21日に行われた「SG第57回ボートレースクラシック」で見事、女子選手史上初のSG制覇を達成しました。
ボートレースは1952年に初の女子選手が登録され、これまでに約530名の女子レーサーが活躍してきた歴史の中でも、女子選手がSG制覇を成し遂げることは今回が史上初となります。
レース当日、優勝戦では激しい雨が降る中での決戦となりました。
スタートは6人全員がコンマゼロ台という接戦となりましたが、インから好スタートを決めた遠藤選手が1マークを先制、直線で一気に後続を突き放し先頭に立ちます。
歴史的なゴールを果たした後のインタビューでは、「嬉しいですね。(前夜から)普通にしようとしても、すごく緊張して、感じたことのない感情が出てきて…。スタートもターンも失敗したんですけど、エンジンがしっかり連れて行ってくれました。」と優勝戦を振り返りました。
ファンの方に向けては「いつも応援ありがとうございます。みなさんの声援が力になってこういう結果が出たと思います。これからもご声援よろしくお願いします。」と涙ながらに語りました。
優勝戦レース、インタビューの様子は下記動画から観られるので、ぜひチェックしてみてください。
2022年賞金ランキング暫定トップに!
遠藤エミはこのSG優勝で、賞金3,900万円を獲得し、なんと2022年賞金ランキング暫定トップ(2022年3月24日現在)に立ちました。
12月に再び大村で開催されるグランプリ出場に向けて大幅な賞金加算となり、例年のペースで今後も賞金を積み上げていければ、女性初のグランプリ出場という可能性も見えてきました。
3月時点で住之江クイーンズクライマックス出場もほぼ確定、トライアル初日1枠の可能性もかなり高まりました。
2022年SG皆勤賞なるか!?
今回の大村クラシック優勝で、5月の宮島オールスターの出場権も獲得。
その他SGも出場できる可能性が大きく、SG皆勤賞への期待も高まっています。
レース | 出場条件 | 出場の可能性 |
大村クラシック | ・前年優勝、グランプリ優出6名 ・前年のSG・G1・G2優勝者 ・G3以下の優勝回数上位者 |
出場(優勝) |
宮島オールスター | ・前年優勝、グランプリ優出6名 ・ファン投票上位 |
出場確定 |
唐津グランドチャンピオン | ・前年優勝、グランプリ優出6名 ・SG優出完走者 ・SG予選得点上位者 |
可能性大 |
尼崎オーシャンカップ | ・前年優勝、グランプリ優出6名 ・前年のG1・G2優勝戦得点上位者 |
可能性大 |
浜名湖メモリアル | ・前年優勝、グランプリ優出6名 ・23ボートレース場推薦及び主催者希望 |
推薦次第 |
常滑ダービー | ・前年優勝、グランプリ優出6名 ・年間勝率上位者 |
可能性中 |
鳴門チャレンジカップ | ・10月末までの獲得賞金上位者 | 可能性大 |
大村グランプリ | ・1月1日〜チャレンジカップまでの 獲得賞金上位18名 |
可能性大 |
遠藤エミが競艇選手になるまでの経歴
高校生時代はソフトボール部に所属していました。
競艇選手は遠藤選手のように学生時代は運動部に所属していた人が多く、更に部活動に所属していた頃にはすでに全国でトップクラスの実績を上げていたりします。
しかし遠藤選手の場合は特にソフトボール部時代に全国大会で優勝というような輝かしい実績を上げているわけではありません。
高校に通っていたころから競艇選手になりたいと思っていたわけではなく、高校卒業後はパン好きであることを生かし、ベーカリーショップでアルバイトをする日々を送ります。
ちなみに女性がベーカリーショップでアルバイトをする際は販売担当となることがほとんどですが、遠藤選手の場合は販売担当ではなく、焼成担当でした。
競艇選手になっていなければ、パン屋さんを経営していたという可能性もあるでしょう。
ところが遠藤選手はある日、競艇選手を目指していたお姉さんから「競艇選手になってみない?」と誘われます。
恐らく漠然と将来について考えていたであろう遠藤選手は、試しにやまと養成学校の入学試験を受けますが、1回目は不合格となります。
しかし不合格となったことで本腰を入れて競艇選手になろうと思ったのでしょうか。
再度やまと養成学校を受験し見事に合格、競艇選手としての道を歩み始めることになりました。
やまと養成学校の学生時代のリーグ戦の勝率は3.92、準優出はしたものの優出はしておらず、どちらかといえばそれほど飛び抜けてよい成績とは言えない成績でした。
デビューから約半年で初勝利
遠藤選手は2008年5月6日、地元滋賀県の競艇場である「びわこ競艇場」でデビューします。
しかし新人選手はデビューしてからしばらくは必ず一番外側である6コースから進入しなければなりません。
したがってインコースが大幅に有利な競艇では大きく不利な状況でレースに挑むことになります。
遠藤選手もデビュー戦は6着と振るわず、リーグ戦での成績もあってそこまで注目されるような選手ではありませんでした。
それでも遠藤選手は地道に努力をしてレースに出続け、徐々に舟券に絡む機会も増えていきます。
そしてデビューから約半年後の2008年9月24日、デビュー戦と同じびわこ競艇場でのレースにデビュー後初勝利を飾ります。
とはいえ、デビュー後半年での勝利というのも競艇選手としては平均的なペースであり、今のような強さはまだ感じられませんでした。
デビュー4年目にして念願の初優勝
それでも遠藤選手は着実に成績を伸ばしていき、2010年にはB1級に昇格、その後も勝率は4点台、5点台と上がっていき、A級昇格も目前というところまで来ていました。
そして2012年11月25日、鳴門競艇場での「第15回日本財団会長賞競走 男女W優勝戦」に出走して、デビュー4年目にして念願の初優勝となりました。
この年は年末の第1回賞金女王シリーズ戦にも出場するなど飛躍となった年で、2013年には最高ランクであるA級選手の仲間入りを果たしました。
遠藤選手は2013年にA級に昇格して以降はずっとA級を維持し続けています。
大レースでもしっかりと結果を出し始める
A級クラスを維持できるような勝率を上げ続けていると、グレードの高いレースにも出走する機会が増えていきます。
2013年8月にはG1レースである「女子王座決定戦」に初出場、初出場ながら3日目の第3レースではG1初勝利を上げます。
さらに2015年8月にはSGレースである「ボートレースメモリアル」に初出場します。
ボートレースメモリアルは、女性だけではなく、全競艇選手のなかでもトップクラスの選手しか出場できません。
出場している選手の中にはSGレースの常連となっているような人たちも多数存在します。
そんな中にあっても遠藤選手は決して怖気づくことなく果敢に攻める競艇をし、2日目の第3レースではSGレース初出場ながら見事初勝利します。
この勝利は遠藤選手にとって大きな自信となったのではないでしょうか。
その証拠にそれまでは6点台前半だった勝率が、2015年を境に6点台後半を安定してキープし続けるようになります。
賞金女王決定戦で史上初の完全優勝達成
そうして迎えた2017年は遠藤選手が大活躍する1年となります。
年間を通しての勝率が7.5点台と驚異的な数字を記録、もちろん獲得賞金もこれまでで最高額となって、年末の賞金女王決定戦に出場することとなります。
賞金女王決定戦でも遠藤選手の圧倒的な強さは健在でした。
なんと予選から準決勝まですべてのレースを1着でゴールし、優勝決定戦に臨むことになります。
優勝決定戦でもその強さはまったく変わらずほかのライバルたちを寄せ付けることなく優勝、予選から決勝まですべて1着でゴールする「完全優勝」を成し遂げました。
ちなみに賞金女王決定戦での完全優勝は、現在の前の名称である「賞金女王決定戦競走」だったころから合わせても史上初という快挙です。
この年遠藤選手は5,390万円の賞金を獲得し、文句なしの年間賞金女王に輝きました。
この金額は男性選手の獲得賞金ランキングを合わせても23位という素晴らしい成績です。
2018年痛恨のフライングを喫する
こうして2017年最高の結果を残した遠藤選手はその勢いそのままに2018年のレースに臨むこととなります。
ところがここで思わぬ落とし穴が待っていました。
2018年3月に地元びわこ競艇場で開催された「レディースオールスター」の準優勝戦において、遠藤選手は痛恨のフライングを喫してしまいます。
このレースでは平高奈菜選手と大山千広選手もフライング失格しており、全選手がギリギリのところで争っていたことがよくわかります。
このフライングによって遠藤選手は約1か月間のフライング休みとなり、出場資格を与えられていた6月のグランドチャンピオン決定戦に出場できません。
さらに6月以降3か月間は記念レースとオール女子戦に出場できなくなったため、7月に開催される女子王座決定戦の出場資格も失ってしまい、たくさんのチャンスを逃してしまう結果となりました。
2021年2回目の賞金女王の座へ
2018年は痛恨のフライングを喫するなど歯がゆい結果となった年でしたが、それでも動揺することなく安定した成績を維持し続けます。
しかしながらなかなか大レースで勝てない日々が続いていました。
特に遠藤選手が欲しいと思っていた「女子王座」のタイトルには、夏のレースが少し苦手だったということもあって、ファンの期待に応えるレースができていませんでした。
しかし2021年の女子王座において、遠藤選手は2017年の賞金女王戦を彷彿とさせるような強いレースをします。
結局優勝決定戦までに2着が1回だけという圧倒的な成績で優勝戦は1号艇でのスタートとなりました。
強いときの遠藤選手が1号艇に乗ったら、並の女性選手では歯が立たないでしょう。
しかし、2号艇の櫻本あゆみ選手が見事な攻めを見せ、第1ターンマークではあわや差されるかという危うい場面もありました。
それでも遠藤選手はしっかりと櫻本選手の攻めを阻止しそのままゴール、念願だった「女子王座」のタイトルを手にします。
さらにこの年は年間を通してもとても好調で、最終的には6439万8,000円という2017年以上の獲得賞金をマーク、2017年以来2回目の年間賞金女王の座も獲得しました。
遠藤選手のレーススタイル
これまでの経歴を見ても分かるように、遠藤選手は決して養成学校時代から飛び抜けた成績を上げていた選手というわけではありません。
デビューしてから初勝利までも半年と、至って平均的です。
それでも現在女性選手としてトップクラスの成績を上げるまでになったのは、地道な努力を続けた結果といって間違いないでしょう。
遠藤選手の強みとは一体何なのでしょうか。
ここでは遠藤選手のレーススタイルについて見ていきましょう。
最大の武器はスピード
遠藤選手最大の武器は「スピード」です。
競艇では特に大事となるもののひとつに「スタート」がありますが、遠藤選手の平均スタートタイムは「0.15秒」です。
これは男性トップ選手と比べてもかなり早いスタートタイムとなっています。
男性選手と比較しても劣っていないわけですから、女性限定のレースともなればこのスタートの速さは圧倒的な武器になるのも当然です。
レディース戦で遠藤選手が1号艇に乗っていたら、迷わず舟券に絡めるようにしましょう。
1号艇の3連対率は90パーセントを超えています。
また、スタートしてからの初速も伸びが良くなるよう、プロペラの調整も日々追及しており、その結果はしっかりと勝率に表れています。
ターンなどボートの操縦技術も女子選手随一
また、勝敗の決め手となる操縦技術についても日夜訓練を続けており、ターン技術などボーを操る能力も現役女性選手随一といってもよいでしょう。
これらの特徴を見る限り、遠藤選手には穴らしい穴は見当たりません。
したがってよほどのブランクに襲われない限りは大崩れするようなことにはならず、今のように安定して勝ち続けることができる選手といえるでしょう。
遠藤選手の師匠は誰?
遠藤エミ選手の師匠は同じく滋賀支部所属の深井利寿選手です。
深井選手はデビュー戦で初勝利、さらに同じ節のレースで初優出を決めるなど、デビュー時からその才能を開花させており、現在、A1級に在籍している実力の持ち主なのですが、
深井選手はなんといっても「2,000走以上スタート事故を起こしていない」という大記録を更新し続けており、その安定感はファンの間でも有名となっています。
遠藤選手も比較的スタート事故が少ないのですが、これはこの深井選手の教えによるものが大きいのでしょう。
遠藤選手は結婚してる?
最後に少しプライベートな話に触れておくことにしましょう。
ネットの検索ワードで遠藤選手を検索すると、「結婚」というワードが出てきます。
実力トップクラスの女性選手がどのような男性と結婚するのか、多くの人が気になっているのでしょう。
2022年時点では、遠藤選手に関しては結婚の噂は特に出ていませんし、お付き合いをしているのではという男性の名前も出てきていません。
今は努力がしっかりと結果に結びついているので、競艇をするのが楽しく、恋愛に関してはそれほど意識が向いていないという可能性もあり得ます。
とはいえ、遠藤選手も年齢的にはいつ結婚してもおかしくないので、この人と思えるような人が現れたら、お付き合いを始めてそのままゴールインという事も大いにあるでしょう。
参考になる情報としては、ボートレース宮島のYouTubeチャンネルで配信された「第6回スペシャルドリームトーク」で恋愛や結婚に関する話も出ていましたので気になる方はぜひチェックしてみてください。
ちなみにレース中はほぼ外出や外部への連絡は禁止というように、競艇という職業は外部から閉ざされた世界で戦っているので、競艇選手のパートナーは同じ競艇選手であるというケースがとても多いです。
まとめ
遠藤エミ選手は滋賀支部に所属しており、「湖国のレイクレーサー」という異名を持っています。
高校を卒業してからはパン屋さんでアルバイトをしていましたが、当時競艇選手を目指していたお姉さんから競艇選手になることを勧められ、競艇選手への道を歩むこととなります。
ちなみにお姉さんも競艇選手となったものの、ほぼ最下級であるB2級から上がらないまま引退しており、競艇選手としての才能は妹のほうがずば抜けて高いといえるでしょう。
とはいえ、天才肌ではなく、デビュー戦は6着、初勝利はデビューから半年と、至って平凡なデビュ―年でした。
しかし、遠藤選手は必死に努力を続けた結果成績は順調に良くなっていき、2013年にはA1級まで昇りつめます。
そして2017年には賞金女王決定戦で完全優勝を果たし、年間賞金女王に輝いたほか2021年には念願だった女子王座のタイトルも獲得、この年も年間賞金女王となるなど、現在の女子競艇界をけん引する選手の一人にまで成長しました。
遠藤エミ選手は先日2022年3月21日に行われたボートレース大村での「SG第57回ボートレースクラシック」で見事優勝。
ボートレース70年の歴史で、これまで誰も成し遂げることができなかった「女子レーサー初のSG戦制覇」を成し遂げました。
男性選手と比べても見劣りしない平均スタートタイムの早さ、プロペラの調整技術、ボートを操る施術などすべてが女性選手トップクラスなので、大崩れするようなことはなくこれからも好調を維持し続けることでしょう。