細川裕子選手の経歴を紹介!選手生命も危ぶまれる怪我から奇跡的に復活!

細川裕子選手の経歴を紹介

男性と女性では身体の造りや筋肉の量が異なるため、同じ競技をするとどうしても差が生まれてしまいます。
しかし競艇の場合、選手はボートに跨って操縦することがメインとなり、自分で走ったり泳いだりするわけではないので腕力や脚力などはあまり必要ではなく、男女の差はほかのスポーツほどありません。

現在競艇では200名以上の女性選手がおり、男性に負けないような活躍を見せています。
本記事ではそんな女性競艇選手の一人である、細川裕子選手を紹介します。


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細川裕子選手のプロフィール

細川裕子引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

細川裕子選手の簡単なプロフィールは以下のようになっています。

名前 細川裕子
登録番号 4123
生年月日 1981年12月11日
所属支部 愛知
身長 157センチ
体重 48キロ
級別 A1

細川選手は愛知支部に所属しており、級別は最高ランクであるA1級となっています。

見た目は自分のペースを貫くのが上手そうに見える選手ですが、インタビューによると実はあがり症で、特にG1レースなど大きなレースになると周りの雰囲気に飲まれそうになるのをひたすら耐えつつ、レースに臨んでいるとのことです。

また、「もし女子王座」のような大きなレースに優勝したら何がしたいですか?という質問には「ラスベガスに行ってショーを見たりカジノに行ったりしてみたい」と答えていました。

デビュー3年目でG1レース初出走

デビュー3年目でG1レース初出走

細川選手は学生時代に空手をやっており、中学生の時に全国大会で優勝しています。
競艇選手は選手になる前からスポーツでトップクラスの成績を上げている人がとても多いのですが、細川選手もその例に漏れず元々優れた運動神経を持っていたといって良いでしょう。

競艇選手を目指そうと思ったきっかけは、「お父さんが競艇好きでよくレースを観に行っていたから」だと答えています。
女性競艇選手でお父さんが競艇好きであったことがきっかけという選手が実はかなり多いです。

やまと養成学校卒業後、2001年5月22日、地元愛知県にある「常滑競艇場」でのレースでデビューします。
デビュー戦は5着に終わってしまいましたが、デビュー年ですでに2着に2回入っています。

一般的には知られていないのですが、実はデビューして半年近くはどの艇からのスタートであっても必ず6コースから進入しなければならないという暗黙のルールがあり、インコースが絶対的に有利な競艇という競技において新人選手はかなり不利を強いられる状況でレースに臨まなければなりません。

それでもデビュー年で2回2着でゴールしているというのはかなり凄い事です。
そして翌2002年2月27日に開催された唐津競艇場のレースにおいて、細川選手は6号艇でのスタートながら豪快なまくり差しを決め、デビュー約半年にして初勝利を手にします。

その後も着実に勝利を積み重ねていき、2002年は9勝という成績で終えることになりました。
2003年は20勝以上を上げ、B2級を脱出しているほか、3月2日に多摩川競艇場で開催された「第17回JAL女子王座決定戦」に出走、このレースが細川選手にとって初のG1出走となるなど、前年以上の活躍を見せる年となっています。

2004年9月選手生命も危ぶまれる大怪我に見舞われる

2004年9月選手生命も危ぶまれる大怪我に見舞われる

デビューから特に大きなトラブルもなく順調に勝利数、勝率、級別も上がっていっていた細川選手ですが、突如悲劇に見舞われることになります。

2004年9月28日、住之江競艇場で開催された女子リーグ戦に出場した細川選手でしたが、レース中の事故によって顔面を大怪我してしまいます。

この怪我によって2005年6月までレースを欠場せざるを得なくなってしまっただけではなく、一時期は視力が急激に低下してしまうというアクシデントにも見舞われました。

競艇選手は毎年選手免許更新の際に身体検査が行われますが、そのなかに「視力検査」もあり、裸眼で0.8以上の視力が無ければ即免許はく奪となり、以降競艇選手としてレースに出場できません。

まさに選手生命の危機とも言うべき状況でしたが、懸命な治療によって視力を克服し、現在も競艇選手として活躍することができています。

しかしながら、無意識下ではレースに対する恐怖感は完全には消え去ってはいないのではないでしょうか。
細川選手はそのような状況でA1級を維持できる成績を上げているわけですから、並大抵の精神力ではないことが分かります。

また、これだけの事故を起こした住之江競艇場に対しても普通ならばどうしても苦手意識や恐怖心が勝り、成績があまり良くないという状況に陥りそうなものですが、細川選手の場合、住之江競艇場を特に苦手としているような成績とはなっておらず、むしろ優勝回数で言えば最も多い競艇場となっています。

2009年念願の初優勝!

2009年念願の初優勝!

大事故を起こして以降もそれを感じさせないような走りで着実に実績を積み上げていった細川選手でしたが、残念ながらなかなか優勝するまでには至らず、あと一歩という日々が続いていました。

しかし2009年7月20日、大村競艇場で開催された「第6回夢の初優勝W決定戦~マンスリーKYOTEI杯」において優勝決定戦進出を決めた細川選手は、優勝決定戦では3号艇での出走、5コースからの侵入という不利な状況でありながら見事なまくりを決めて1着でゴールイン、デビューから9年目にしてついに念願の初優勝を手にしました。

2009年はその後9月27日に住之江競艇場で開催されたG3「2009MBレディースカップ」でも優勝決定戦に進出、優勝決定戦は大外6号艇でのスタートとなりましたが、なんと1号艇の横西泰惠選手がフライングで失格、2着につけていた細川選手は繰り上がりとなり、「恵まれ」という何とも珍しい決まり手での優勝となりました。

その後、2012年には「第25回女子王座決定戦」に出場すると初めて優勝決定戦にまで進出します。
優勝決定戦では惜しくも届かず2着となってしまいましたが、初勝利を機に着実に実力がアップしていることをレースで証明してみせました。

2015年を境に勝率が格段にアップ

2015年を境に勝率が格段にアップ

2014年ごろまでは最高でも6点台前半の勝率でしたが、2015年を境にこの勝率が各段にアップします。

2015年には初めて6.5点を大幅に超える6.98という勝率を記録し、2017年には現時点での最高勝率となる7.19を記録、その後は2017年を超える成績は上げていないものの、平均で6点台後半の勝率を維持できるようになっています。

2019年あわや大事故となるアクシデント

2019年あわや大事故となるアクシデント

2015年以降好調を維持し続けていた細川選手ですが、2019年に再びあわやという惨事に見舞われてしまいます。
3月に開催された「レディースオールスター」に細川選手は出走、G2レースということもあり、細川選手自身も気合が入っていましたが、その気合が思わぬ事故を起こすことになります。

第10レースに出走した細川選手は6コースからの進入となります。
ところがスリットを過ぎた後、何らかのアクシデントがあったのか、細川選手のボートが消波装置に乗り上げてしまいました。

ちょうどポールが立っていたあたりだったため、ボートごと激突する恐れもあったのですが、それは何とか免れ、エンジンは停止、細川選手はエンジン停止により失格となります。
それだけで済めばよかったのですが、場内アナウンスで「選手負傷」というアナウンスが聞こえたため場内は騒然、ピットにも緊張が走りました。 

細川選手はすぐに担架で運ばれ、治療を受けることとなります。
その後翌日の準優勝戦に細川選手に名前が上がったことで、初めて会場に安堵の雰囲気が流れました。

競艇選手も運営側も誰一人として事故を起こそうと思っている人はいません。
それでもこのような事故はレースを続けている以上起こってしまいます。
改めて競艇選手は命がけでレースをしているということを認識させられる出来事だったといえるでしょう。

細川選手のレーススタイルについて

細川選手は優勝数はそれほど多くはないものの、コンスタントに1着を取っている選手なので、レディース戦などに出走している時にはしっかりとチェックしておいたほうがよいでしょう。
細川選手のレーススタイルを知っておけば、舟券の買い時がある程度見えてくるようになります。

1コース進入時の信頼度はかなり高い

細川選手は、1コースで進入した時の1着率が46.9パーセントで、3連対率では83.4パーセントとかなり高い確率で舟券に絡んでくる選手です。

競艇で舟券を当てる際には進入隊形も考慮する必要がありますが、近年は枠なりで進入することがほとんどで、特にレディース戦の場合は前付けして半ば無理やりインコースを狙ってくるような選手はほとんど居ません。

したがって細川選手が1号艇または2号艇でのスタートとなった場合は3着以内に入ってくる事が多いので、必ず買い目に入れておきましょう。

平均スタートタイムはかなり遅め

細川選手の平均スタートタイムは「0.18」となっています。
一流選手の平均スタートタイムがだいたい0.15から0.16であることを考えると、細川選手のスタートタイムは遅めで、どちらかといえば慎重にスタートを切るタイプの選手だといえるでしょう。

したがって、同じレースに出走している選手で「スタート巧者」がいる場合は少々分が悪いかもしれません。
スタート事故は年に1回ないし2回起こしていましたが、2019年以降スタート事故は発生しておらず、近年は安定したスタートが切れるようになってきています。

G1レースでも勝率は高め

細川選手本人はあがり症だとインタビューで答えていますが、成績を見ると決してそのようなことはありません。
2022年2月時点での成績を見ると、G1レースにはこれまで22回1着となっており、勝率は6点台近くと、大舞台でもしっかりと結果を残せている選手です。

優出も5回しているので、G1レース初制覇まであと一歩のところまで来ています。
G1レースを制覇するためにはウイークポイントであるスタートタイムの遅さを克服する必要があるでしょう。

交友関係は幅広い

プライベートでは池田明美・浩美姉妹両選手や、既に引退している横西奏恵元選手、宇野弥生選手などと仲が良く、レースの合間を縫って遊んだりしているそうです。

宇野選手は同じ愛知支部ですが、横西選手は徳島支部、池田姉妹は静岡支部と、支部が全員バラバラなので、細川選手はかなり幅広い交友関係を持っているといえるのではないでしょうか。


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まとめ

細川裕子選手は愛知支部に所属していて、2022年時点の級別は最高ランクであるA1級です。
デビューしてから着実に実績を積み重ね、デビュー半年で初勝利を手にします。

しかし2004年の秋、レース中の事故によって顔面を怪我し、一時は大幅に視力が低下して競艇選手を続けることが危ぶまれるほどの状況に陥りますが、その後視力は回復、翌年6月に無事復帰しました。

そして2009年に念願の初優勝を獲得、その後も怪我を感じさせないような成績を維持し続け、見事最高クラスであるA1級に昇格、現在はG1レースでも優出を決めるなど大きなレースで優勝する日も近いです。

平均スタートタイムはそれほど速いほうではありませんが、1コースから進入した時の安定感はかなりのものなので、1号艇で細川選手が出走しているときはチェックしておいたほうがよさそうです。