ファンから嫌われている競艇選手とは?選手名と理由を調査
競艇選手は現在1,600人ほどおり、日夜競艇場で戦いを繰り広げています。
競艇はレースそのものを楽しむのももちろんですが、走りっぷりや普段の人柄などに触れて選手自身を好きになるという競艇ファンは非常に多く、競艇選手を好きになると競艇がもっと楽しくなります。
しかし、その一方で多くの競艇ファンから嫌われてしまっている競艇選手がいることもまた事実です。
現役選手で「嫌われ者」という噂が立っているのは誰なのか、調べてみることにしました。
競艇選手はみんな個性的
競艇は完全に実力主義の世界であり、後からプロとなった選手であっても勝ち続けさえすれば先輩選手よりもずっと上のクラスで戦うことができ、それに伴って収入も右肩上がりに上昇していきます。
「絶対に誰にも負けない」といった強い意志が無ければ、競艇選手として一流にはなれないでしょう。
そのため、現在活躍している競艇選手はみなそれぞれ非常に個性的です。
マイクパフォーマンスに長けた選手も居れば、職人気質で実力はあるにも関わらず、インタビューはいつまで経っても上手くならない選手も居ます。
コアな競艇ファンにはそれぞれ「推し選手」がおり、その選手が出場しているレースでは有利不利に関係なく舟券を買ったり、ファンによってはその選手が出走するレースすべてを観戦しようと全国を飛び回っている人も居るのです。
色々な選手をじっくりチェックして、どのような性格かを調べてみるのも、また競艇の楽しさのひとつといえるでしょう。
現在ファンから最も愛されている競艇選手は誰?
嫌われ者を発表する前に、現役選手のなかで現在ファンから最も愛されているのは誰なのかを調べてみました。
一番好きな選手は競艇ファンそれぞれですから、ここで発表する選手についても「違う」とか「嫌い」という人は居るかもしれませんが、競艇ファンからの知名度と競艇界への貢献度を総合して一番ファンから愛されている競艇選手はやはり西山貴浩選手ではないでしょうか。
彼を好きな人も嫌いな人も、「競艇界最強のエンターテイナー」であるという意見に異論はないでしょう。
西山選手はレースでもしっかりと結果を残しており、現在最高位であるA1級選手で、年末のグランプリにも出走経験がありますが、それ以上にとにかく競艇界を盛り上げよう、そしてファンを楽しませようという気持ちが非常に強い選手です。
その人気の高さから、投票で出走選手が決まる「ボートレースオールスター」の常連選手であり、選手紹介のマイクパフォーマンスでは毎回多くの笑いを提供してくれています。
アウト屋を嫌う競艇ファンはいない
競艇選手はそれぞれ自分の得意戦法や勝ち筋を持っているのですが、そのなかでもひときわ目立つのが「アウト屋」と呼ばれている選手たちです。
競艇では最も最短距離で周回できる1コースが有利であることは選手だけではなく、ファンにも周知の事実で、スタート直後はとにかく他の選手よりもインコースを走ろうとします。
しかしアウト屋はそのようなセオリーとはまったく正反対で、自ら進んで最も外側である6コースに進入し、そこからレースをスタートさせるのです。
アウト屋の必勝パターンは「大外からのまくり又は捲り差し」一本です。
この大外からのまくり又はまくり差しというのは競艇ファンだけではなく、誰が見ても分かるくらいに派手な勝ち方であり、レースで大外からのまくりが決まるとスタンドからは大歓声が挙がります。
競艇ファンそれぞれ選手の好き嫌いはあるかもしれませんが、競艇場内のボルテージを一気に上げてくれる「アウト屋」を嫌う競艇ファンは恐らくいないでしょう。
アウト屋としてもっとも有名なのは「阿波勝哉」選手で、阿波選手の出走するレースは勝ち負け関係なくとにかく舟券を買うという熱狂的なファンが今でも数多く存在します。
阿波選手の成績を見ると、進入コースがすべて5コースまたは6コースのみとなっており、それより内側のコースに進入してスタートしたことはないという徹底ぶりです。
イン屋の選手は嫌うファンが多い
アウト屋とは全く逆で、徹底的にインコースに拘る「イン屋」と呼ばれる選手も存在します。
イン屋の選手はスタート前に「前付け」という行動をとり、たとえ5号艇や6号艇であっても1コースまたは2コースに進入してスタートするというのが大きな特徴です。
スタート前の位置取り変更は禁止ではないので、イン屋の行動そのものは不正ではないのですが、イン屋が出走すると事前の出走表とはまったくことなる枠順でのスタートとなってしまうため、イン屋に関してはファンの間では賛否両論です。
特に古参のファンか新規のファンかで評価は大きく分かれるようで、古参のファンは「ルールに則ってさえすればどのような戦術を使っても良いし、それを考慮して予想するのは当然」という考え方の人が多いのです。
一方新規ファンは「出走表と全然違う順番になるからイン屋は嫌い」と、蛇蝎のごとく嫌うファンも一定数存在します。
そんな賛否両論の「イン屋」から、特に有名な選手を3名紹介します。
西島義則選手
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
「インの鬼」と呼ばれるほど徹底的にインコースに拘った戦いをするのが西島義則選手です。
全盛期はSGレース3連覇を達成するなど手が付けられない存在でした。
現在はさすがに全盛期ほどの力は発揮できていませんが、それでも最上位クラスであるA1級を維持しつづけており、トップレーサーの一人であることは間違いありません。
深川真二選手
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
「深イン真二」という異名を持つほどインコースからのレースに拘る選手です。
普通の選手ならどう考えても助走距離が足りないと思ってしまうほど深インするレースでも抜群のスタート技術で勝利してしまうほどの類まれなるスタート技術を持っています。
イン屋の選手たちは無理やり有利なインコースに進入するので「ズルい」「卑怯」と思ってしまうファンが多いのですが、深く進入するとスタートダッシュで大きく不利になるので、抜群のスタート技術を持っていなければ優れた成績を収めることができないのです。
鵜飼菜穂子選手
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
イン屋は圧倒的に男性が多いのですが、鵜飼選手は女性では珍しくインコースに拘った戦いをする選手でした。
「インの鬼姫」という異名を持っていて、女性ながら強気の前付けをするのが鵜飼選手の持ち味だったのですが、鵜飼選手がデビューした当時は女性はわずか20名足らずであり、男性選手とのレースは必然であり、勝つためにはどうすれば良いか考えた結果、インコースに拘るという戦い方にたどり着いたのでしょう。
「選手でした」という言い方をしたのは、鵜飼選手はすでに選手を引退されているからで、現在はボートレースとこなめ公式Youtubeチャンネル「にゃんこの目」で司会進行を務めるなど、選手とはまた違った形で競艇界に携わっています。
角谷健吾選手
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
角谷健吾選手は多くのアンチがいる競艇選手として有名です。
その理由として多くのファンが「会見中に観客にブチ切れ、マイクを叩きつけたから。
ファンに見せる態度じゃない」と答えています。
どうしてこのような態度を取ってしまったのでしょうか。
事件は「第16回さつき杯第12レース後の勝利者インタビューにおいて起こりました。
このインタビュー前、実は数人の観客から非常に過激な内容のヤジを受けています。
恐らく角谷選手を買い目に入れずに外れてしまった腹いせなのでしょう。
そしてインタビュー中にも「確信ないとかいってんじゃねぇ。金賭けてんだよこっちは」というヤジが飛び、流石に我慢の限界だったのか、インタビュー中にマイクを机に叩きつけてしまいました。
あってはならない事ですが、インタビュー中にヤジを飛ばす人間は一定数存在します。
角谷選手も普段であればこらえていたと思いますが、この時ばかりはさすがに堪忍袋の緒が切れたのでしょう。
競艇選手も一人の人間で、酷いことを言われれば傷つきますし怒りもします。
舟券が外れたからといってヤジを飛ばすようなことは絶対にやめましょう。
山室展弘選手
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
競艇選手は基本的にどのような取材でもウェルカムなのですが、山室展弘選手だけは「取材拒否」を貫いている非常に珍しい選手の一人です。
この取材拒否という姿勢がファンにとってはサービス精神がまったくない人物に映るらしく、山室選手のことがあまり好きではないというファンは実際に多いです。
その徹底ぶりはすさまじく、選手にとっては晴れの舞台である「SGレース」出走時においても断固として取材を拒否、これには運営側も大いに焦り、競技委員長や選手班長が山室選手を説得しました。
しかし山室選手を説得することができず、スポーツ新聞の紙面には「取材拒否」と掲載するしかありませんでした。
しかし、山室選手も理由なく取材を拒否しているわけではありません。
かつて山室選手のプライベートに関して事実とはまったく異なる内容を記載された経験があり、取材拒否は自身を守るためにおこなっているのです。
また、角谷選手と同じくファンからのヤジに怒る事もあるようで、元々気性が激しい選手ではあるようです。
あの峰竜太選手のある意味嫌われ者⁉
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
現在、競艇選手で最も知名度が高いのは「峰竜太選手」でしょう。
不祥事を起こしてしまい、その処分で2022年はB1級に陥落してしまいましたが、凄まじい勢いで勝ちまくっているため、すぐにA1級に復帰してくるのではないでしょうか。
誰もが認める超一級の技術を持つ峰選手ですが、ネットなどを見ると嫌っている人が意外にも多いことに驚きました。
しかしこういった人たちの大部分はいわゆる「アンチ」であり、重箱の隅をつつくように常に突っ込みどころを探し続けては誹謗中傷しています。
アンチが大量発生するのは実力がある選手の宿命といえるでしょう。
ネットの誹謗中傷に我慢の限界
最後は嫌われ者というテーマからは少し外れるかもしれませんが、知っておいてほしい出来事を紹介します。
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
中村亮太選手はアウトコースからでも果敢にインコースを狙うストイックなレーススタイルの選手です。
イン屋とよく似たレーススタイルであるため、元々アンチの多い選手ではありましたが、「嫌われてナンボ」という精神でそのレーススタイルを貫き、しっかりと結果を残しています。
中村選手はTwitterアカウントを持っているのですが、アカウントにはレース後、レーススタイルに関しての誹謗中傷が寄せられることが多々ありました。
普段はそういった声に開き直ったようなツイートをするのですが、ボートレース福岡で開催されたG1レース、「G1福岡チャンピオン」に出走後のツイートで、「死んだらいいんですか?もうメンタルの限界」「応援しなくて良いから買わなくていいから無視していいから誹謗中傷しないで!」と、初めて弱気なコメントを投稿したのです。
これにはファンも大きな衝撃を受け、心配や激励の声、また中村選手のレーススタイルを評価する声など、たくさんの応援メッセージが送られました。
ネットでの心無い声というのは非常にダメージが大きいものです。
昨年、女子プロレスラーの木村花さんがネットの誹謗中傷によって自ら命を絶った事件は記憶に新しいことでしょう。
しかし著名人に対する心無い声は留まることはなく、明らかにそれによって体調や精神を病み、活動を休止する人が相次いでいます。
誹謗中傷によって競艇選手がレースを長期休養といったことがあってはなりませんし、自ら命を絶つような事例を絶対に作ってはいけません。
まとめ
今回は嫌われ者の選手について色々と紹介しました。
彼らが嫌われている理由はレーススタイルであったり、取材時の態度だったりが大半ですが、レーススタイルは勝つことに拘った結果ですし、取材に対する態度が悪いのもちゃんとした理由があるからです。
理由もないのに批判やヤジを飛ばすのはよくない事ですし、峰竜太選手は強すぎるがゆえに非難されることが多々あり、そのような批判をするような人間は競艇ファンを名乗ってはいけないでしょう。
中村選手が訴えたように、競艇選手は一人の人間、ロボットではありません。
その時の気分によって普段ならばこらえられるようなことでも我慢できない時もあるでしょうし、度を超えた誹謗中傷は選手のメンタルを大きく傷つけ、競艇選手として戦っていく気持ちすらも奪い去ってしまいます。
競艇ファンを名乗るのであれば、誹謗中傷するのではなく、応援する気持ちを常に持つようにしましょう。