競艇の決まり手とは?6種類の特徴を解説!
競艇は6艇がコースを3周し、着順を争う競技です。
ただし、天候の状況などによっては2周でレースがおこなわれることもあります。
1位になる勝ち方にはいくつかのパターンがあり、どのような勝ちパターンで勝利したかをあらわすのが「決まり手」だと認識してもらえばよいでしょう。
本記事では、競艇の「決まり手」について、どのような種類があるのかや各決まり手が発生しやすい条件について解説していきます。
競艇は1周目第1ターンマークでほぼ決着する
競馬や競輪などの場合、勝敗は最後のゴール直前になるまで分かりません。
競馬の競走馬には馬ごとに明らかな実力差が出ますし、競輪選手も脚力などによってスピード差が如実にあらわれます。
いっぽう競艇の場合、微妙な性能差はあるものの、モーターやボートはまったく同じ条件なので、序盤で大きく差をつけられた艇が最終コーナーなどで抜き返すといった展開になることはほぼありません。
競艇は、1周目の第1ターンマークでほぼ勝敗が決定する競技です。
競艇の決まり手とは?
競艇の決まり手とは、1位になった選手がどのような勝ち方をしたかを一言であらわす言葉で、決まり手の意味を知っていればそのレースがどのような決着となったのかがすぐに分かります。
予想をする際にほかのレースがどのような決着をしたかや、注目している選手がどのような決まり手で勝つことが多いのかを知ることはとても大切です。
決まり手は大きく分けて6種類
競艇の決まり手は大きく分けて6種類あります。
それぞれ、「逃げ」「差し」「まくり」「まくり差し」「抜き」「恵まれ」という名称になっていますが、このうち「抜き」と「恵まれ」は通常のレースでは滅多に発生する決まり手ではないため、予想の際に考慮しておかなければいけない決まり手は「抜き」と「恵まれ」を省いた4種類の決まり手となります。
逃げ
「逃げ」とは、1周目第1ターンマークをもっとも内側の艇が一番最初にターンしたときの決まり手になります。
実際のレースの場合、もっとも内側になる艇は1コースだけなので、逃げは1コース専門の決まり手といってもよいでしょう。
さらに1号艇は95パーセント以上の確率で1コースを堅守するので、逃げはある意味1号艇の決まり手といっても過言ではありません。
差し
差しは、1周目第1ターンマークをターンするときに、内側の艇よりも小回りにターンを回った外側の艇が、内側から先行している艇を抜き去って1位となる決まり手です。
アウトコースの艇は差しを決めることがなかなか難しいということもあって、差しは2コースの艇が1着をとるときに出やすい決まり手となっています。
1号艇の選手がターンがあまり上手く回れていない場合は、差しが決まりやすいといえるでしょう。
まくり
まくりは、1周目第1ターンマーク付近で、スピードを維持したままほかの艇を外側から一気に抜き去って1位になったときの決まり手です。
まくりは見た目にも豪快な決まり手ということもあって、積極的に決める選手にはファンが多いです。
まくりは実力がないと決められないので、得意な選手は一流選手といってよいでしょう。
まくり差し
まくり差しは、簡単にいえば「まくり」と「差し」を組み合わせた決まり手です。
まずスピードに乗った状態で外側から内側の艇を抜き去り、さらにまだ前方を走っている艇の内側に入り込んで残りの艇を抜くといったテクニックです。
差しやまくり単体でもかなりの技術力を要するので、まくり差しは相当操舵技術が高くなければ決まらない決まり手といえるでしょう。
まくり差しを決めている選手はかなり調子がよいと見て間違いありません。
抜き
抜きは、1周目第1ターンマーク以降に先行する艇がほかの艇に抜かれたときの決まり手です。
競輪や競馬などであれば、最終コーナーや直線で1着が入れ替わることは日常茶飯事ですが、同じボート、同じモーターで走行する競艇では滅多に抜きで勝敗が決することはありません。
そのため抜きを想定して予想する必要はありませんが、自分が舟券を買おうとしているレースに「抜き」で勝利した選手が出ている場合は注意しましょう。
レースのリプレイをチェックして、先行している選手のアクシデントとかではなく直線等で追い抜いて勝っているのであれば、モーター性能がかなり高い証拠です。
恵まれ
恵まれは、先行している艇が転覆や失格など、走行不能になった時に繰り上がりで1着になったときの決まり手です。
レース中のアクシデントは予想不可能なので、恵まれについては予想の際に考慮する必要はまったくありません。
4つの決まり手の発生しやすい条件を徹底検証
「逃げ」「差し」「まくり」「まくり差し」には発生しやすい条件というものがあり、それらを把握していれば出走表などを見てどの決まり手になるかが分かるようになります。
決まり手が事前に分かるようになれば、予想の精度はかなり高くなるといえるでしょう。
本項目では4つの決まり手が発生しやすい条件について解説します。
逃げが発生しやすい条件とは
競艇は、1号艇が有利な競技ということもあってよほどの例外がない限りは、まず1号艇がしっかり逃げを決めることができるかどうかをチェックすることになります。
逃げを決めるためには、何よりもスタートが重要で、スタートがほかの艇より早くできれば、そのまま第1ターンマークに到達して逃げを決めることができるでしょう。
1号艇の選手のスタートタームをチェックして、ほかの選手よりも遅くないか確認することが重要です。
また、フライングをしていないかも大切で、フライングをしている選手は積極的にスタートを切れないので出遅れることが多くなります。
差しが発生しやすい条件とは
差しは、先行している艇よりも小さくターンを回らなければ決めることができません。
したがって、差しが決まることが多い2号艇選手のターンの腕を確認する必要がありますが、ターン技術は出走表を見ただけでは分かりません。
ターン技術は「周回展示」のときに実際に自分の目で確認しましょう。
また、差しを決める際には引き波に負けないパワーが必要があるので、モーターの出足が早ければ早いほど決まりやすくなります。
あとは1号艇の選手をチェックして、ターンがうまく回れていないようであれば差しが決まる確率がさらに高くなります。
まくりが発生しやすい条件とは
まくりは、とにかくスピードに乗った状態でターンを回らなければいけませんし、外側から抜くこととなるので、必然的にほかの艇よりも長い距離を走行することとなります。
したがって、どの艇よりもスタートを早く決めて1周目第1ターンマークにどの艇よりも先に到達しなければいけません。
まくりは3コースより外側の艇が決めることが多いので、特に3号艇と4号艇の選手のスタートタイムに注目しましょう。
そして外側から抜き去ることになる1号艇と2号艇の選手のスタートタイムにも注目です。
この2艇のスタートタイムが遅ければ遅いほどまくりが決まりやすくなります。
また、モーター性能も重要で、特に加速しきった状態である「伸び足」がほか艇よりもよいかどうかがまくりが決まりやすくなるかどうかを大きく左右します。
伸び足は「展示タイム」に反映されるので、展示タイムに注目しましょう。
まくり差しが発生しやすい条件とは
まくり差しは、まくったあとに差さなければいけないので、選手のスタート力とターン力が重要になります。
スタートタイムだけに注目するのではなく、選手の総合的な実力を確認しましょう。
勝率が高く、ランクが上位の選手であればアウトコースでもまくり差しを決めてくれる可能性は高くなります。
また、モーターの性能もまくり差しが出やすくなるかどうかの大きな決め手になります。
まくり差しは選手の実力だけではなく、モーターの性能が総合的に高くなければなかなか決めることができない決まり手です。
まくりが決まると2着以降の順位に大きく影響
競艇の決まり手のうち、まくりは2着以降の着順に大きく影響します。
自分が気になっているレースの出走表を見て、まくりが決まりそうだなと判断したときは、同時に2着がどの艇になるのかもある程度予想しやすくなります。
本項目では、まくりが決まった時、順位にどのような影響を与えるのかを解説していきます。
まくった艇の外側の艇は上位を狙いやすくなる
まくりが決まると、その外側の艇は上位を狙いやすくなります。
たとえば4コースの艇がまくりを決めた時、5コースと6コースの艇はまくった4コースの性の後ろについていくだけで3コースより内側の艇を抜き去ることが可能です。
したがって、まくりが決まりやすいレースということはレースそのものが荒れる可能性が高いということになります。
まくりが決まると確信できたのであれば、思い切って高配当の舟券を購入してみるのも手です。
まくった艇より内側の艇は不利になりやすい
いっぽう、外側の艇にまくられたインコースの艇は不利になりやすいです。
まくられた艇は、まくった艇に進路をふさがれてしまうので本来のレースができなくなります。
特に外側の艇がまくったあとで内側に斜行するような走り方をしてきた場合、内側の艇は先行することがほぼ不可能となり、舟券に絡むことなく惨敗する可能性が高いです。
まとめ
競艇の決まり手とは、1着になった艇がどのような勝ち方をしたのかをあらわす言葉です。
決まり手は大きく分けて「逃げ」「差し」「まくり」「まくり差し」「抜き」「恵まれ」の6つがありますが、このうちレース中によく出るのは「抜き」と「恵まれ」を除いた4つの手です。
頻繁に出る4つの決まり手は、決まり手が出やすい条件というものがあり、それを知っておくと予想の際に大いに役立ちます。