2021年度より競艇でもミッドナイトレースを開催!詳細を徹底解説!

2021年度より競艇でもミッドナイトレースを開催!詳細を徹底解説!

これまで競艇は遅くとも午後9時にレースが終了、それ以降はレースが行われないため舟券を購入できない、というのが常識でしたが、今後その常識は覆されることとなりそうです。

本記事では競艇のミッドナイトレースについて、概要や開催日程、そして開催した際の効果などを解説していきます。

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通常開催時の開始時間と終了時間

通常開催時の開始時間と終了時間

通常開催は「デイレース」と呼ばれています。
デイレースの場合はだいたい午前11時ごろからレースがスタートし、最終12レース目が終了するのが午後4時半ごろとなっています。

この時間帯であれば、日が落ちるのが早くなる冬場であっても、すべてのレースが日が昇っている間に終了することでしょう。

ちなみに競馬も同じく1日12レース開催されますが、競馬ではだいたい午前10時ごろスタートと競艇よりも1時間早いですが、終了時間はだいたい17時前くらいとなっているので、競艇のスケジュールは競馬よりもタイトといえるでしょう。

売り上げアップを目的にナイターレースを実施

売り上げアップを目的にナイターレースを実施

競艇を始め、公営競技はバブル崩壊以降売上が大きく落ち込んでしまい、何らかの対策を講じなければ更に状況が悪化することは明白でした。

そこで中央競馬を除く公営競技が相次いでナイターレースを開催することを決定します。
競艇では1997年、桐生競艇場で初めてナイターレースが開催されました。

ナイターレースの場合、第1レース開始時間は午後2時半前後からとなり、最終レースの開始時刻は午後8時半ごろとなります。

ナイターレースがスタートした際は大きな話題となり、「平日仕事が終わってからでもレースを観戦できる」と多くの競艇ファンが喜びました。

ナイターレースの売り上げはスタート時から好調でしたが、インターネットでの舟券販売がスタートした2000年代後半になると更に飛躍的に売上げは上昇、ナイターレースを開催した競艇場は軒並み1日の売上げ金額を更新するという上京でした。

現在では多くの競艇場がナイターレースを実施しているだけではなく、通年ナイター営業にしている競艇場も続々と出てきています。

更なる売り上げアップを目指してモーニングレースもスタート

更なる売り上げアップを目指してモーニングレースもスタート(引用元:youtube)

ナイターレースが予想以上の売上げ効果をもたらしたため、競艇場を運営する側はさらなる売上げアップを目指し、デイレースとナイターレース以外の開催時間を模索し始めました。

そこで白羽の矢が立ったのが「デイレースよりも早い時間帯にレースをスタートさせる」という案です。
そして、芦屋競艇場で2010年7月9日、実際に「サンライズレース」という名称でモーニングレースを実施することとなりました。

これは競艇のみならず公営競技のモーニングレースとしては初めての開催となります。
モーニングレースでは第1レースのスタート時間が通常よりも約2時間早い午前9時前後、終了時間は通常よりも1時間早い午後3時半ごろとなっています。

デイレース、ナイターレースとはまた異なる時間帯で舟券が購入できるということもあって、運営側の目論見は大当たりし、モーニングレースを開催した競艇場はさらに売上をアップさせていく結果となりました。

2021年10月よりミッドナイト競艇も開催する事を決定

2021年10月よりミッドナイト競艇も開催する事を決定(引用元:youtube)

ナイターレース、モーニングと時間をずらしての開催はいずれも大成功を収める結果となりました。
特に前述した通りインターネットでの販売による売上アップ効果は目覚ましいものがあり、2021年度には年間売り上げが過去最高を更新しました。

競馬をはじめ他の公営競技は未だバブル期の売上げを超える売上を記録していない事を考えれば、競艇の売上上昇は驚異的な伸びであるといえるでしょう。

そして2021年10月より、モーニングともナイターとも異なる時間帯である「ミッドナイトレース」の開催に踏み切ることとなりました。

ミッドナイトレース開催は「奥の手」とも呼べる手段であり、今の競艇の勢いを止めたくないというボートレース協会の意図が垣間見れます。

公営競技のミッドナイト開催は前例あり

公営競技のミッドナイト開催は前例あり(引用元:ミッドナイト競輪)

モーニングレース開催を公営競技で初めてスタートさせたのは競艇ですが、ミッドナイト開催は競艇が初ではありません。

ミッドナイトレースを初めて開催したのは「競輪」で、2011年1月14日に小倉競輪場で初めてミッドナイトレースが開催されています。

競輪では競艇に続いてナイターレースを開催したものの、売上はどんどん落ち込み、2010年度には最盛期の3分の1程度にまで減少してしまいました。

そんなとき、とある関係者同士の食事会の席にて、「今の時間(午後9時ごろ)に携帯電話で車券を購入できるようにしたら面白いのでは?」という、その場の思い付きを実現させたのが「ミッドナイトレース」だったのです。

2011年当時ミッドナイトレースを実施している公営競技が無かったことから、競輪のミッドナイトレースはギャンブル好きの大きな話題となりました。

「ほかの公営競技のレースが終わっても競輪ならお金を賭けられる」として、ミッドナイト競輪の開催を機に競輪をはじめる人も増え、売上が右肩上がりで上昇、現在競輪の売上が堅調な伸びを見せているのは間違いなくミッドナイト競輪を開催した結果でしょう。

ミッドナイト競艇の概要

ミッドナイト競艇の概要(引用元:ミッドナイトボートレース)

本項目では競艇のミッドナイトレースの概要について解説します。
時間帯やミッドナイト競艇独自のルールなど、基本的なことを覚えておきましょう。

レースが行われる時間

ミッドナイト競艇の第1レーススタートの時間はナイターレースよりも2時間半遅い午後5時ごろからで、最終第12レースがスタートする時間帯は午後9時半ないし午後10時ごろと定められています。

ナイターレースの最終第12レースの出走時刻は午後8時半です。
スタート時間は2時間半遅いのにも関わらず、最終レースのスタート時間は1時間半しか変わらないということもあり、かなりタイトなスケジュールで実施されているといえるでしょう。
また開始時間が遅いため、レースは全て無観客で開催されます。

ミッドナイト競艇を開催する競艇場と期間

2021年度のミッドナイト競艇は、「下関競艇場」、「若松競艇場」、「大村競艇場」と全て九州地方の競艇場で開催されました。

開催期間は2021年10月から2022年1月で、若松競艇場では1節のみ、残り2会場では2節実施されています。

ミッドナイト競艇の効果

ミッドナイト競艇の効果

夜9時以降も舟券を購入できるミッドナイト競艇は、多くのファンから好意的に受け入れられ、実際にミッドナイト競艇を実施した3つの競艇場は大幅な収益増加となり、ミッドナイト競艇を開催する事は大きな効果があるという事が実証されました。

この結果を受けて2022年度も引き続きミッドナイト競艇を開催することが決まり、同時に開催競艇場や日程なども発表されています。

開催競艇場は2021年度と同じく下関、若松、大村の九州にある3競艇場で、実施期間は2021年度よりも11日間長くなり、前半後半合わせて延べ37日間です。

2022年11月時点では、まだ大村競艇場と若松競艇場の後半の日程が残っているので、ミッドナイト競艇に参加するチャンスはまだあります。
大村競艇場では2023年1月15日から19日、若松競艇場では2023年2月1日から5日までとなっています。

ミッドナイト競艇の問題点

ミッドナイト競艇の問題点

ミッドナイト競艇を開催したことによる問題点はいろいろとありますが、真っ先に思い浮かぶのは選手への負担ではないでしょうか。

一昔前まではデイレースしかなかったのに、ナイターレースによって夜もレースに出走しなければならなくなりましたし、さらにモーニングレースの開催で早朝にもレースに出なければならなくなってしまいました。

そこに更にミッドナイト競艇が開催されたため、深夜を除くほぼすべての時間帯でレースに出走する可能性が出てきてしまったというわけです。

競艇選手はただでさえレースに出走する時間が長いうえに全国の競艇場を飛び回るため、移動時間も取られるため、なかなかゆっくりする時間を確保できません。

そんなスケジュールで日々戦っている競艇選手にとって、ミッドナイトレースがスタートするという一報はかなりショックだったことでしょう。
運営側には選手にとって極力負担にならないような出走シフトを組むように尽力してほしいところです。

もう一つはあくまでも個人的な懸念でしかないのですが、「競艇を運営する側の運営方針そのものが変わってしまうのでは」という点です。
前述した通りミッドナイトレースは無観客で開催されます。

無観客で開催すると来場者のためのサービスも人員も必要ないので、運営側にとっては非常に楽です。
それでいて現在はネットでの投票が主となっているため、来場者が居なくても舟券そのものの売上自体はあまり変わりません。

もちろん会場で販売されているグッズや飲食物の売上はゼロになってしまいますが、舟券の売上と比べれば微々たるものです。
恐らく利益換算すれば無観客開催の方が利益は出るでしょう。

利益を追求するあまり、ミッドナイトレース開催を通年にするという競艇場が出てくる可能性はゼロとは言い切れません。
そうなるとファンにとって競艇という競技の魅力は大幅に低下するでしょう。

そして選手にとっても通年無観客になってしまうとレースに対してのモチベーションは今ほど上がらなくなってしまう事は間違いありません。

観客の声援があるからこそ選手は奮い立ち、本来の実力以上の力を発揮できるという事を運営側は忘れないようにしてもらいたいです。

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まとめ

競艇はこれまで「デイレース」「ナイターレース」「モーニングレース」というように第1レースの開始時間が異なる3種類のスケジュールでその日のレースが開催されていました。

通常開催されているデイレースは午前11時ごろに第1レースがスタート、ナイターレースはそれよりも3時間近く遅い午後2時毎に第1レースがスタート、モーニングレースはデイレースよりも2時間ほど早い午前9時ごろに第1レースがスタートします。

ナイターレースやモーニングレースは競艇の売上を伸ばすために制定され、実際にナイターレースやモーニングレースは競艇の売上アップに大きく貢献しました。

そして、さらなる売上アップを図るため、2021年度よりミッドナイト競艇を開催することが決定、下関、若松、大村の九州地方にある3競艇場で実施され、3競艇場とも大きく売り上げを伸ばし、ミッドナイト競艇を開催した効果は非常に大きかったという結果となりました。

この結果を受けて2022年度もミッドナイト競艇を開催することが決定し、11時点ですでに何度か実施されています。

このように運営する側にとってはミッドナイト競艇は非常に大きなメリットがあることが実証されたわけですが、実際にレースに出る選手にとってはこれまで以上にレースに出走する時間体が増えたことによって、体調面の管理などがさらに難しくなったことは間違いありません。

さらに無観客開催でもあるため、選手自身のモチベーションもデイレースやナイターレースほど上がらないというのが正直なところでしょう。

運営側は利益優先の運営で選手やファンの事を二の次に考えるような運営をしないように心掛けてほしいところです。