2023年ボートレースクラシックについて徹底予想!出場条件や出場選手も解説
競艇は毎日たくさんのレースが実施されますが、競艇のレースは「グレード制」となっていています。
そして最高グレードとなっているのがSGレースであり、SGレースはそれぞれ非常に厳しい出場条件が設定されている代わりに優勝賞金はほかのグレードとは桁違いで、賞金王になるためにはこのSGレースで上位入賞または優勝がほぼ絶対条件となります。
本記事ではSGレースのひとつである「ボートレースクラシック」2023年度の展望について考えていきます。
ボートレースクラシックとは?
ボートレースクラシックについて解説する前に「SGレース」について簡単に触れておきます。
年間わずか9レースしか開催されません。
・ボートレースオールスター
・ボートレースオールスター
・グランドチャンピオン
・オーシャンカップ
・ボートレースメモリアル
・ボートレースダービー
・チャレンジカップ
・グランプリ/グランプリシリーズ
SGレースはとにかく優勝賞金が桁違いなのが大きな特徴で、SGレースのワンランク下となっているG1レースの賞金が数百万円単位であるのに対し、SGレースはどのレースも1,000万円を超える金額設定となっています。
その代わり誰でも出場できるというわけではなく、各SGレースにはそれぞれかなりハードな出場条件が設けられており、新人選手にとってはまずSGレースに出場することが当面の目標のひとつになるでしょう。
ではボートレースクラシックについての解説に入ります。
往年の競艇ファンには「鳳凰賞」「総理大臣杯」という名称のほうが馴染み深いかもしれません。
第1回大会が行われたのは1966年と非常に歴史あるレースであるため、ボートレースクラシックはSGレースの中でも特に特別なレースである「GRANDE5」のひとつにも数えられています。
GRANDE5のレースで3着以内に入着すると着順に応じて金・銀・銅のメダルが付与され、GRANDE5に選定された5つのレースすべてで優勝した選手には3億円相当のインゴット(金塊)が贈呈されますが、2022年時点では誰も達成していません。
ボートレースクラシックは毎年3月中旬に開催されるため、このレースが近づいてくると「競艇の本年度シーズンが本格的にスタートした」というイメージを持つ競艇ファンが多いです。
ちなみに2011年度だけは東日本大震災の影響によりボートレースクラシックは中止となっており、その代替え競走として8月10日に「東日本復興支援競走」が戸田競艇場にて開催されました。
優勝賞金は3,900万円で、そのほかに主催者賞、日本財団会長賞、全国モーターボート競走施行者協議会会長賞、日本モーターボート競走会会長賞が授与されます。
出場資格について
ボートレースクラシックの出場条件を見ると、実力トップ選手以外はなかなか出場すら難しいというのが現状です。
SGレースが絡んだ出場条件としては以下2つが該当します。
・前年SG・G1・PG1・G2の優勝者
そのほかの条件としては「前年G3以下のレースで優勝回数が多い選手」「全国ボートレース甲子園競走優勝者」「地区選手権の優勝者」が出場資格を獲得できます。
現時点で出走する可能性が高い選手
本項目では現時点で2023年のボートクラシックに出場する可能性が高い選手5名を紹介します。
上記条件に当てはめると、現時点で2023年のボートクラシック出場が決定している選手というのは「2022年ボートクラシックの覇者」のみです。
残りの候補者は勝率次第で出場するかどうかが決まる事になります。また現時点で確定となっている「2022年ボートクラシック優勝者」も後述する「選出除外」の条件に該当してしまうと出場する事ができなくなります。
遠藤エミ
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
遠藤エミ選手は2022年のボートレースクラシック覇者です。
そしてただ単にボートレースクラシックを制したというだけではなく、長い競艇の歴史において初めてSGレースを優勝した女性選手でもあります。
このレースでは予選をトップ通過、準優勝戦も危なげなく逃げ切って優勝決定戦に出場、優勝決定戦でも抜群のスタートを切り、強豪選手達の猛追を振り切って見事にボートレースクラシックを制覇しました。
また2022年賞金ランキングも13位であり、女性選手として初めて「賞金王決定戦」の出場も確定させています。
馬場貴也
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
2022年11月終了時点で賞金ランキングトップなのが馬場貴也選手です。
2022年の馬場選手はまさに絶好調とも言える活躍を見せており、1月に本年度初の優勝を決めると2月には2度の優勝を決めました。
更に3月と4月には周年記念レースを優勝(G1)、そして10月には「ボートレースダービー」も制覇しました。
獲得賞金は1億円を軽く超えていて、2022年賞金王の大本命です。
椎名豊
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
椎名豊選手はお父さんが競艇好きで小さい頃から競艇場によく通っており、なんとなく憧れを持つようになったのが競艇選手を目指すきっかけでした。
2013年11月にデビューすると、なんとデビューしてからわずか5日目で初勝利を飾ります。
それから2年後には初優勝、その後重賞レースの常連選手となり、2021年にはG2初優勝を決めるとともにボートレースクラシックの出場権も獲得しました。
年末にはグランプリシリーズに出場し、翌年ボートレースクラシックにも出場、SGレース初勝利を決めると7月にはオーシャンカップに出場、トライアルを順調に勝ち進み、SGレース初優出を決めます。
そしてその勢いのままに優勝決定戦でもイン逃げを決め、見事SGレース初優勝を達成しました。
原田幸哉
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
原田幸哉選手も椎名選手と同様にお父さんが競艇好きで地元の蒲郡競艇場に通っているうちに競艇にハマって競艇選手を目指すようになったのですが、直接競艇選手育成所の試験を受けるのではなく、なんとその準備期間として中学卒業後は海上自衛隊に入隊しました。
1994年に自衛隊を退所して本栖研究所に入所、卒業して1995年6月にデビューするとなんと初出走初勝利を飾りましたが、節の最後でフライングをしてしまい、酸いも甘いも体験するデビュー節となっています。
その後デビュー1年目で初優出、初優勝を決めるなど早くからその才能を開花させ、2000年にG1初優勝すると、2002年ボートレースダービーでSGレース初優勝を達成しました。
それ以降2022年のボートレースオールスター優勝も加えるとSGレースを5勝しており間違いなくトップクラスのレーサーなのですが、かなり浮き沈みが激しい選手でもあります。
2009年12月にG1ダイヤモンドカップでフライングをしてしまうと、グランプリレースでも2回目のフライングをしてしまい、これと前期未消化分を合わせるとなんと120日間の出場停止となってしまいました。
これによってA1級からB1級にまで陥落してしまっています。
更に2013年には整備不良によって一気にB2級にまで陥落するという経験もしています。
片岡雅裕
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
片岡雅裕選手は香川支部の選手で、先ほどの原田選手同様に高校卒業後は自衛隊に入隊しています。
しかし原田選手のように元々競艇選手を目指して入隊をしたというわけではなく、純粋に自衛官になりたいという理由での入隊でした。
そして配属された駐屯地で競艇の事を知り、競艇選手を目指すようになります。
実は自衛官から競艇選手を目指す人というのは結構いるので、駐屯地で競艇が話題になっていたのかもしれません。
やまと競艇学校時代の勝率はそこまで高くはなかったのですが、デビューから4か月目で初勝利とまずまずのスタートを切り、優出4回目の2010年に初優勝を達成しました。
その後2017年にG1レースで初優勝、2018年にチャレンジカップで初優出と着実にトップレーサーへの階段を昇っていき、2022年8月28日、ボートレースメモリアルで念願のSGレース初優勝を飾りました。
深谷知博
(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)
深谷知博選手は静岡支部所属の選手で、やまと競艇学校卒業時のリーグ戦で勝率8.23という驚異的な好成績を上げており、デビュー前から期待されていました。
そしてその期待に応えるかのようにデビュー戦で初勝利を飾ります。
さらにデビューしてわずか4か月で優出と、選手になってからもその類まれなる才能を発揮していて、デビューからちょうど2年目の2011年11月15日に初優勝を達成しました。
その後2020年ボートレースダービーで初優出を決めると1号艇から危なげなくイン逃げを決めて念願のSGレース初優勝を決めるなど、SGレースの常連選手にまで成長、そして2022年11月27日の「チャレンジカップ」では6号艇からのスタートというかなり不利な状況であるにも関わらず1周目第2ターンマークで会心の差しを決めてトップに立ちそのままゴール、SGレース2勝目を達成しました。
選出除外について
ボートレースクラシックにはいくつかの「選出除外条件」が設けられていて、これに該当する選手は出場条件を満たしていても出場することはできません。
出場除外となる条件は以下の通りです。
・怪我や病気などで出場を辞退した選手
そして上記以外にも何らかの反則を犯してしまったり違反行為をするなどして「出場停止処分」を受けた選手も選出除外の対象となっており、こちらは出場が決定していたとしてもその出場が取り消しとなってしまいます。
ちなみに本年度のボートレースクラシックは白井英治選手と新田雄史選手がモーターボート記念の優勝決定戦でフライングを喫してしまったため、既に選出除外となってしまいました。
歴代優勝者一覧
(引用元:ボートレース平和島 ピースターブログ)
ボートレースクラシックの歴代優勝者を一覧にしました。
歴史が長いレースであるため、一覧は直近10年間としています。
年度 | 開催場 | 選手名 | 枠順 | 決まり手 |
2013 | 平和島 | 池田浩二 | 1 | 逃げ |
2014 | 尼崎 | 松井繁 | 1 | 逃げ |
2015 | 尼崎 | 桐生順平 | 1 | 逃げ |
2016 | 平和島 | 坪井康晴 | 1 | 逃げ |
2017 | 児島 | 桐生順平 | 1 | 逃げ |
2018 | 浜名湖 | 井口佳典 | 2 | まくり |
2019 | 戸田 | 吉川元浩 | 1 | 逃げ |
2020 | 平和島 | 吉川元浩 | 1 | 逃げ |
2021 | 福岡 | 石野貴之 | 1 | 逃げ |
2022 | 大村 | 遠藤エミ | 1 | 逃げ |
2023年は平和島競艇場で開催!平和島競艇場の特徴と現時点で活躍しそうな選手
(引用元:ボートレース平和島オフィシャルサイト)
2023年度のボートレースクラシックは平和島競艇場で実施されることが既に決まっています。
平和島競艇場は東京都にある競艇場なので、練習などで乗りなれている東京支部の選手だと若干有利とはなりますが、東京支部所属の選手は上に紹介した選手では1人もいません。
したがって支部による有利不利はあまりなさそうです。
各選手の場別成績で平和島競艇場の勝率を確認してみたところ、椎名選手だけが5.81と6点台に届いておらず、他の選手は6点を超えていたのですが、原田選手だけは7.3点以上と飛び抜けて高い値となっており、原田選手は平和島競艇場が得意である可能性があります。
しかしながら過去の優勝者を見ても分かるように優勝決定戦で1号艇からスタートした選手がほぼ確実に優勝しており、準優勝決定戦をトップ通過した選手がそのまま優勝すると見てよさそうです。
まとめ
ボートレースクラシックは元々「鳳凰賞競走」「総理大臣杯」という名称であり、設立されたのは1966年とかなりの歴史を誇っているSGレースです。
SGレースの中でも更に格付けの高い「GRANDE5」のひとつとなっていて、3着までに入着した選手には記念メダルが贈呈されます。
優勝賞金は3,900万円と非常に高額であり、年末のグランプリを目指すなら是非とも勝っておきたいレースのひとつです。
2022年は遠藤エミ選手が優勝、女性選手初のSGレース優勝という快挙を成し遂げ、年末のグランプリレース出場もほぼ確定となっています。
2023年度のボートレースクラシックは平和島競艇場で開催されることが決定しており、前年覇者の遠藤エミ選手をはじめ、今回も強豪ぞろいの面白いレースとなりそうです。