コース別進入率をチェックすれば選手の特徴を掴むことができる!
競艇の勝率を高めるためには、出走する選手の特徴を掴むことはとても大切です。
選手の情報は「出走表」を見ることで大部分を知ることができますが、出走表だけで確認できないこともいくつかあります。
そのひとつが「コース別進入率」です。
各選手のコース別進入率を知ることで、その選手がどのコースからどのような戦法で勝つことを得意としているのかが分かり、レース展開をより詳細に予想しやすくなります。
競艇の「進入」について知っておこう
後の項目で詳しく説明しますが、競艇では実際にスタートするコースというのは決まっておらず、どの選手がどのコースからスタートするかは自由です。
スタートする前のコースを決める動きを「進入」だと思ってもらえればよいでしょう。
競艇はインコースが圧倒的に有利
競艇はその性質上、どうしてもインコースであればあるほど有利です。
競馬や競輪ではそれぞれ競走馬自身の能力や選手の脚力差があるため、どの枠からのスタートであってもあまり影響はありませんが、競艇の場合使用するモーターやプロペラは基本的に同じものを使用するため、ボート自体の性能差はほとんどありません。
したがって直線で抜きつ抜かれつの攻防がおこなわれることは極まれです。
勝敗は最初のターンマークでほぼ決定すると言われていて、最短距離でターンマークに到達できる1コースの勝率は50パーセント以上となっています。
スタート前に自由にコースを決めることが可能
ピットという待機場所での枠はあらかじめ決められているのですが、ピットを離れてから実際にスタートするコースというのは必ずしも同じでなければならないというルールはありません。
これを同じにしてしまうとインコースの選手ばかりが勝ってしまい、出走している選手も面白くないですし、レースを観ているファンも半ばレース結果が決まってしまっているも同然なので面白味に欠けてしまいます。
しかしコース取りは自由であるため、選手同士では自分が好位置からスタートするための駆け引きがおこなわれますし、ファンはどの選手がどのコースから出走するかを見守るという楽しみが生まれます。
コース別進入率とは?
実際にスタートする前にコースを決めるための動きを「進入」と認識してもらえればよいと先に説明しました。
したがって「コース別進入率」とは、スタート前にどのコースに入ったかを比率で表したものだと認識しておけば問題ありません。
基本的にコース別進入率が偏ることはない
競艇の枠順はレースに直結するため、厳格に決められています。
基本的には偏りなく公正に枠順が振り分けられることとなっていて、ある選手が1号艇ばかり、といったことになることはありません。
準優勝戦や優勝戦はその時までの順位で決められますし、SGレースでは完全に抽選で枠順が決められるなど一部例外もありますが、普通に考えればコース別進入率が偏るといった事態になることは考えられません。
理論上はどのコースも10パーセントから20パーセント前後の間で推移することになるでしょう。
ところが、なかにはこの法則にまったく当てはまらない選手たちが存在します。
自分が舟券を購入しようとしているレースに出走している選手のコース別進入率を調べている際に明らかに特定のコースからの出走率が高くなっている選手が存在する場合は要注意です。
インコースに進入率が極端に偏っている場合は「イン屋」の可能性が高い
コース別進入率が極端に偏っている選手が存在していた場合、恐らくインコースの進入率が極端に高いか、アウトコースの進入率が極端に高いかになっていることでしょう。
コース別進入率が特にインコースに偏っている場合、その選手は「イン屋」と呼ばれている選手である可能性が高いです。
一例として、ファンから「インの鬼」と呼ばれている西島義則選手のコース別進入率を確認してみましょう。
各選手のコース別進入率はいろいろなサイトで確認できますが、今回はもっとも信用できる「ボートレース公式サイト」を利用して確認することにしました。
コース別進入率を見ると、1コースからの進入率が31.4パーセント、2コースの進入率が67.2パーセント、3コースの進入率が1.5パーセントとなっていて、4コースより外側のコースから進入した確率は0です。
つまり、西島選手はどの枠からピットアウトしたとしても、必ずと言ってよいほど1コースまたは2コースから進入しているということになります。
「インの鬼」と呼ばれているのも納得のデータといえるでしょう。
アウトコースに進入率が極端に偏っている場合は「アウト屋」の可能性が高い
イン屋について解説しましたが、競艇選手のなかにはイン屋とは真逆に、アウトコースからの進入に徹底的にこだわる選手もごく一部ですが存在します。
アウトコースからの進入にこだわる選手のことを「アウト屋」と呼んでいます。
競艇はインコースが圧倒的に有利であり、アウトコースをわざわざ選ぶメリットはまったく無いように思えますが、誰も選ばないからこそポジション争いに巻き込まれることなく自分がもっとも最善と思えるような位置取りが出来るのです。
アウト屋の代表選手といえばやはり阿波勝哉選手です。
西島選手と同様に、阿波選手のコース別進入率を確認してみましょう。
阿波選手のコース別進入率は、5コースが1.5パーセント、残りの98.5パーセントはすべて6コースからの進入です。
まさに「ザ・アウト屋」と言える結果となっていることが分かります。
イン屋がいるレースに初心者は手を出さないほうが無難
舟券を購入するレースに出場している選手のコース別進入率をチェックしていて、インコースからしか出走していない「イン屋」の選手が出走している場合は要注意です。
競艇はどの枠から出走するかが非常に大事であり、予想をする際は出走表に書かれている出走枠を参考にすることが半ば必須です。
近年の競艇は「枠なり進入」の比率が増えてきているので、出走表通りのコース進入となっていることも出走表の枠順を重要視したほうがよい理由のひとつとなっています。
ところがイン屋の選手が出走していた場合、この法則は大きく崩れ去ることになります。
例えば先ほど紹介した西島選手が出走している場合、5号艇からの出走だろうが6号艇からの出走だろうが、ルール違反とならない範囲でどのような手段を使ってでも2コースないし1コースから進入しようとするでしょう。
普通、インコースの選手は自分のポジションを奪われまいと抵抗するのですが、西島選手は大ベテランです。
実は競艇は上下関係が選手生活に大きく影響するスポーツと言われており、西島選手がインコースに入ることを主張した場合、多くの選手がポジションを譲る形になってしまいます。
逆に言えば、だからこそ西島選手は常に1コースないし2コースからスタートできているのです。
イン屋の選手が混ざっていると、進入隊形が大きく乱れることになります。
本来なら1コースからスタートできる選手がスタートできないなどといった弊害が生じ、出走表の枠順ははっきりいって役に立ちません。
ある程度競艇の舟券を買い続けている中上級者であればそれも想定した予想を立てることができるでしょう。
しかし競艇を始めたばかりの初心者にそれを求めるのは酷というものです。
出走選手のコース別進入率をチェックしてイン屋の選手が出走していた場合、初心者は舟券を購入することを見送っておいたほうがよいでしょう。
コース別進入率をチェックして予想に役立てよう
コース別進入率をチェックすることで、イン屋かアウト屋かが分かるだけではなく選手の強さもある程度は判別できるようになります。
特にほかのコースと比較して1コースないし2コースの進入率が高い選手はかなり強い選手です。
一例として、SGレースの常連選手のひとりである、毒島誠選手のコース別進入率を確認してみましょう。
毒島選手はイン屋でもアウト屋でもありませんが、1コースからの進入率が26.6パーセントとかなり高くなっています。
競艇のレースでは準優勝戦では予選の勝率が高ければ高いほど、優勝戦では準優勝戦で状になればなるほどインコースから出走することが可能となります。
毒島選手がイン屋でもないのに1コースからの進入率がこれだけ高いのは予選や準優勝戦で勝ちまくっているからです。
必ずしもこの法則が当てはまるというわけではないかもしれませんが、選手の実力を知るデータのひとつとしては活用できるのではないでしょうか。
まとめ
競艇のデータのひとつ、「コース別進入率」はその選手が最終的にどのコースから進入していることが多いのかを表したものとなっていて、コース別進入率を調べることでその選手がどのような戦法で勝つことを得意としているのかが分かります。
特に極端なのが「イン屋」や「アウト屋」と呼ばれている選手で、イン屋の選手はどの枠からの出走であってもインコースのポジションを奪おうという動きをしてきます。
イン屋の選手は競艇の必勝パターンであるインコースからの逃げを得意としており、イン屋の選手が実際にインコースを奪取した場合はかなり勝率が高くなるといえるでしょう。
逆にアウト屋の選手は5コースないし6コースからの進入にこだわっていて、アウトコースから豪快にすべての艇をまくる戦法を得意としています。
また、アウト屋やイン屋でもないのに1コースや2コースの進入率が高くなっている選手は予選や準優勝戦で好成績を上げ続けている強い選手と判断して間違いありません。