競艇のSG競走とは?出場条件や予想方法を徹底解説!
競馬ではたくさんのレースを毎週開催していますが、そのなかでも特に出場条件の厳しいレースが「G1レース」です。
「有馬記念」や「ダービー」といったレース名は、競馬に詳しくない人でも聞いたことがあるのではないでしょうか。
競艇でも競馬のG1レースに該当する「SG競走」という、出場条件がとても厳しいレースがあります。
今回は、競艇のSGレースについて詳しく解説していきます。
競艇のSG競走の概要
競艇のレースにはそれぞれグレードという格式が定められていて、「SG」の「G」はグレードのことを指しています。
グレードが低いレースから順に、「一般戦」「G3競走」「G2競走」「G1競走」、そしてもっとも格式が高いのがSG競走となっていて、「SG」は「スペシャルグレード」の略称になっています。
SG競走は全部で9レースあります。
ボートレースオールスター(笹川賞競走)
グランドチャンピオン
オーシャンズカップ
ボートレースメモリアル(モーターボート記念競走)
ボートレースダービー(全日本選手権競走)
チャレンジカップ
グランプリシリーズ戦(賞金王シリーズ戦)
グランプリ(賞金王決定戦)
なお、カッコ内は昔の呼び方になっており、古くからの競艇ファンにとってはこちらの名前のほうが馴染みが深いでしょう。
グランプリシリーズ戦とグランプリは同時開催となっているため、このふたつはひとつのレースとして考えておいたほうがいいかもしれません。
SG競走は、どのレースも出場するためにはとても厳しい条件があり、その条件を満たした選手だけが出場することができます。
例えば、毎年12月に開催される「グランプリ」の場合、その年の獲得賞金ランキング上位18名のみが参加できるレースです。
現在、競艇選手は全国で1,600名ほど在籍しているので、グランプリに出走できる確率はわずか0.1パーセントになります。
これだけ出場する条件が厳しいので、SG競走に出走できたというだけで、一流選手の仲間入りができます。
その為、多くの選手がSG競走への出場を目標に日々のレースに励んでいます。
また、賞金もほかのグレードのレースとは比べ物にならないほど高額となっており、例えば「グランプリ」では優勝賞金が1億円となっています。
SG競走はファンにとっても、出場する選手にとっても年に9回しかないビッグレースだといえるでしょう。
各レースの特徴・出場条件と賞金
それぞれのSGレースによって特徴や出場条件、そして賞金が異なります。
賞金はあまり知らなくてもいい情報ではありますが、各レースの特徴や出場条件は艇の着順を予想する際にとても参考になるので、覚えておくとよいでしょう。
ボートレースクラシック
(出典: BOATRACEオフィシャルサイト)
ボートレースクラシックは、毎年3月中旬から下旬ごろに開催されるSGレースのひとつで、優勝賞金は3,900万円と、競艇の全レースの中で2番目に高額となっています。
ちなみに旧名称は「鳳凰賞競走(ほうおうしょうきょうそう)」で、1966年から続く伝統あるレースのひとつであり、SGレースのなかでも特に格式の高い「GRANDE5」のひとつとしても制定されています。
なお、すべて制覇すると、3億円相当のインゴットを受け取ることができますが、それを達成した選手はいまだ誰もいません。
その後、一時期「総理大臣杯」という名称でしたが、2015年から現在の「ボートレースクラシック」という名前に改称され、今日に至っています。
出場条件は、「前年のSG、G1、G2戦の優勝者」または「G3以下の大会での優勝回数上位者」となっていて、実力がない選手でなければ出場できません。
しかし、勝率が低くてもG1やG2戦で1回でも優勝していれば出場することができます。
こういった選手は、オッズが高くなりやすいので選手の戦績やモーターの性能をチェックし、条件がよければ舟券を買ってみるのも面白いかもしれません。
ボートレースオールスター
(出典: BOATRACEオフィシャルサイト)
「ボートレースオールスター」は、旧名称を「笹川賞競走」といい、毎年5月下旬から6月上旬にかけて開催されるレースです。
ボートレースクラシックと同様「GRANDE5」の1つとなっていて、優勝賞金も同額の3,900万円です。
このレースも実力が必要ですが、オールスターという名称にもあるように、「ファン投票上位の選手」と「選考委員会が選んだ選手」も出場できるのが、ほかのSG競走と異なる点です。
競艇では、女性選手の人気が高いという事もあり、ほかのSG競走よりも女子選手の出場率が高いというのも、このレースの特徴のひとつといえます。
なお、ボートレースオールスターでは、過去10年間で100番人気以下の選手が優勝するという大波乱が2回も起きているため、SGレースのなかでも穴狙いで買うと当たりやすいレースといえるでしょう。
「前年度ボートレースグランプリ優勝戦出場者」
グランドチャンピオン
(出典: BOATRACEオフィシャルサイト)
「グランドチャンピオン」は、6月下旬から7月上旬にかけて開催されるSGレースで、優勝賞金は3,300万円です。
このレースはモーターレース競走法制定40周年を記念して1991年に創設されたレースで、2001年には女性選手である寺田千恵選手が、女性選手でははじめてSG競走の優勝戦に出場したことでとても話題になりました。
グランドチャンピオンの出場条件はいくつかありますが、すべてに共通することは「SG競走に出場した経験がある選手」となっていることです。
SG競走の中でもグランドチャンピオンの出場条件は特に厳しいものとなっているといえるでしょう。
実力の高い選手ばかりが集まっているという事もあり、過去のレース結果を見てもインコースの選手がそのままゴールするという傾向が強いです。
ただし、出場する全52名の選手すべてがSG競走出場経験者ということもあり、人気薄の選手が優勝する事も十分あり得ます。
オーシャンズカップ
(出典: BOATRACEオフィシャルサイト)
「オーシャンズカップ」は国民の休日のひとつである「海の日」が制定された記念として創設されたSGレースで、創設年度は1996年と、まだ歴史が浅いSG競走となっています。
優勝賞金は3,300万円で、毎年7月下旬から8月上旬にかけて開催されるレースです。
真夏に開催されるレースということもあって、ほかのSG競走と比較すると「ナイターレース」になりやすいという独自の特徴があります。
つまり条件さえ満たせば、オーシャンズカップは全階級の選手に出場するチャンスがあるSG競走となっています。
レースの特徴としては、そのほかに西日本での開催が多いことと、「石野貴之選手」が過去10年間で3勝している点も見逃せません。
また、夏の競艇場は比較的水面が落ち着いているということもあり、レース結果は手堅いものとなりやすいです。
「前年度グランプリ優勝戦出場者」
「直前のグランドチャンピオン優勝者」
「選考期間内のPG1、G1、G2戦の優勝戦着順点上位者」
ボートレースメモリアル
(出典: BOATRACEオフィシャルサイト)
「ボートレースメモリアル」は「GRANDE5」のひとつで、1955年から続いているとても歴史と伝統あるレースとなっており、優勝賞金も3,900万円と高額になっています。
開催期間は8月下旬から9月上旬となっており、季節柄オーシャンズカップと同様にナイターでの開催が多いレースという特徴があります。
ボートレースメモリアルはさながら「支部同士の代理戦」ともいえるレースです。
ボートレースメモリアルの当たり舟券を見ると、ほかのSGレースと比べても安定した結果になっているので、確実に当てたいのであれば狙い目といえるでしょう。
「前年度グランプリ優勝決定戦出場者」
「趙善のオーシャンズカップ優勝者」
「開催競艇場以外の競艇場が選出した選手2名ずつ」
「開催競艇場の施工者が選出した選手が2名ずつ」
ボートレースダービー
(出典: BOATRACEオフィシャルサイト)
「ボートレースダービー」は1953年から開催されている、SG競走の中ではもっとも長い歴史を誇っているレースです。
当然「GRANDE5」のひとつとなっており、優勝賞金も3,900万円と高額となっています。
またボートレースダービーでは優勝賞金のほかに「優勝旗」と「ジャケット」が贈呈されるのが大きな特徴で、選手にとっては特に栄誉ある大会のひとつといえるでしょう。
レースの開催時期は毎年10月下旬から11月上旬となっており、比較的外でも過ごしやすいシーズンなので、実際に競艇場に足を運んでみるのもいいかもしれません。
最後の勝率上位選手にも後期A1選手かつ出場回数160回以上という条件があるので、トップ選手しか出場できないレースといえるでしょう。
実力が拮抗していることもあり、インコースほど勝率は高いですが、過去10年間で万舟券が2回出ているなど、波乱が起こることもあるレースです。
「グランプリ優勝戦出場者」
「直前のボートメモリアル優勝者」
「選考期間内の勝率上位選手」
チャレンジカップ
(出典: BOATRACEオフィシャルサイト)
「チャレンジカップ」は1998年から開催と、SG競走の中では比較的新しい大会となっていて、毎年11月下旬に開催されています。
優勝賞金は3,300万円となっています。
階級などはまったく関係ないので、本当に実績を積んだ選手でなければ出場できないといえるでしょう。
SG競走の優勝賞金が桁違いということもあり、基本的にはSG選手の上位選手やG1戦を何度も優勝している選手のみが集まります。
トップ選手ばかりが集まるという事もあって、チャレンジカップは特に鉄板レースとなりやすいです。
初心者でSG競走にチャレンジするのであれば、チャレンジカップはおすすめです。
グランプリシリーズ戦とグランプリ
(出典: グランプリオフィシャルサイト)
「グランプリシリーズ戦」と「グランプリ」は厳密にいえば別々のレースですが、同時期に開催し、関係性も強いため、ここでまとめて解説します。
まずグランプリシリーズ戦は、毎年12月下旬に開催され、優勝賞金は1,700万円と他のSG競走と比べると少ないですが、この賞金によって次のグランプリに出場するかどうかが分かれることも多々あるので、選手にとっては負けられないレースといえるでしょう。
グランプリシリーズは6日間の日程で開催され、4日間の予選ののち、得点率上位18名で5日目に準優勝戦がおこなわれます。
準優勝戦は3レースおこなわれ、各レース上位2名はシリーズ戦優勝戦へ、3位以下の12名は特別選抜戦へ出場します。
グランプリシリーズには、グランプリの予選である、「トライアル1」で敗退した選手も3日目から参加するため、それ以降はよりスリリングなレースを楽しむことができます。
最終戦であるグランプリも含めて、グランプリシリーズは年間を通してもっとも競艇が盛り上がる時期といえるでしょう。
グランプリシリーズの過去の配当ですが、3連単では10年間で3回も万舟券が出ており、比較的荒れやすいSGレースといえるかもしれません。
その年のチャレンジカップ最終戦の時点で獲得賞金上位18名のみが出場できるのが、「グランプリ」別名「賞金王決定戦」です。
グランプリの優勝賞金はほかのSGレースと比べても桁違いである1億円となっているため、グランプリ優勝者がそのまま賞金王になる場合がほとんどです。
グランプリの日程も6日間で、初戦の「トライアル1」は、賞金ランキング7位から18位の計12名で争われます。
「トライアル2」は、トップ8名とトライアル1の上位6名でおこなわれ、得点上位6名が「賞金王決定戦」に出場できます。
グランプリのレース結果ですが、直近5年間はすべて1号艇が1着となっていますが、2着以下は4号艇や5号艇も絡んできており、その場合は若干オッズが高くなっています。
SG競走の予想の仕方
レースを観戦するだけでも盛りあがるSG競走ですが、せっかくならば舟券を買って、予想を的中させたいところです。
レースによって、鉄板レースになりやすいものや、荒れやすいものがありますが、SG競走に共通する予想の仕方というのがいくつかあります。
ここではSG競走に共通する予想の仕方を紹介するので、参考にしてみてください。
1号艇が1着になると想定する
SG競走全体に共通する予想する際のコツですが、まずは1号艇が1着になると想定して予想を立てるようにします。
SG競走は条件がどれも厳しく、出場している選手は全員がトップレベルです。
したがってスタートやターンのミスが少なく、1号艇を引き当てればそのまま1着でゴールする可能性が高いです。
モーターの勝率を確認
次に1号艇の選手が使用しているモーターの勝率を確認しましょう。
モーターの勝率が他の艇の選手と大差なければ、そのまま1号艇を軸にして予想します。
しかし1号艇のモーターの勝率が極端に低い場合は、モーターが足を引っ張って本来の実力がでない可能性があります。
つまり、レースが荒れる可能性が高いので、2号艇以降の選手もしっかりチェックしましょう。
3着は全通りで流す
最後に大事なのが、「3着は全通りで流す」という点です。
1着と2着はインコースほど有利ですが、3着になると実力が拮抗していることもあり、どの艇が来てもおかしくありません。
全通り流すとそれなりにお金はかかりますが、6号艇が3着にくれば十分回収できます。
1着と2着はしっかり予想し、3着は何も考えずに全通り購入するのがSG競走で回収率を高めるコツです。
フライングの罰則が特に厳しい
競艇はボートが動いている状態でスタートするため、「フライング」が起こる可能性があります。
フライングをしてしまった選手には罰則が与えられるのですが、SGレースでのフライングは特に罰則が厳しいです。
フライングをした舟券はすべて返還されるのですが、SGレースは売り上げが大きい分、フライングが発生すると多大な損失となるため、重い罰則が与えられるのです。
特に優勝戦でフライングをしてしまうと、その年はどれだけ実力があってもそれ以降のSGレースには出場できなくなってしまいます。
過去のSG競走のレース結果
SG競走に出場して、優勝した選手というのはどの選手も超一流であることは間違いありません。
では、過去のSG競走ではどの選手が優勝し、どういったレース結果になっているのでしょうか。
2019年度のSG競走の優勝者と、決まり手を表にまとめてみました。
レース名 | 優勝者 | 決まり手 |
第54回ボートレースクラシック | 吉川元浩 | 逃げ |
第46回ボートレースオールスター | 吉川元浩 | 逃げ |
第29回グランドチャンピオン | 柳沢一 | 逃げ |
第24回オーシャンカップ | 瓜生正義 | 逃げ |
第65回ボートレースメモリアル | 毒島誠 | 逃げ |
第66回ボートレースダービー | 毒島誠 | 逃げ |
第22回チャレンジカップ | 石野貴之 | 逃げ |
第34回グランプリシリーズ戦 | 馬場貴也 | まくり差し |
第34回グランプリ | 石野貴之 | 逃げ |
レース結果を見ると、やはり超一流選手ばかりが出場するということもあって、1コースの艇がそのまま逃げ切るといったレース展開が多いですが、グランプリシリーズ戦のみ唯一まくり差しが決まり手となっています。
SG競走といえども、条件によってはアウトコースの艇がインコースの艇を抜き去るという展開も十分あり得るということです。
まとめ
SG競走は競艇のすべてのレースのなかでももっとも格式が高いレースです。
SG競走は全部で9レースあり、それぞれ出場条件が定められているのですが、どれも厳しいものとなっており、実力のある選手しか出場できません。
その分賞金もほかのレースとは比べものにならないほど高額になっています。
SG競走はトップレベルの選手ばかりか出場するので、インコースの選手がそのまま上位を独占することが多いですが、モーターの性能によってレースが荒れることもあります。