競艇の部品交換とは?特に重要な9つのパーツについて紹介!

競艇の部品交換とは?特に重要な9つのパーツについて紹介!

競艇はモーターによってボートが前進し、順位を争う競技であるため、モーターは競艇の生命線と言っても過言ではないでしょう。
しかしモーターは機械であり、消耗品であるため、ずっと同じものを使い続けることができません。

モーターそのものは競艇場側が保管しているので定期的にメンテナンスを行ってはいますが、レース中になんらかの不調や故障が見受けられた場合は選手自身が部品を交換しなければなりません。
本記事では競艇で使用されるモーターの部品交換について詳しく解説していきます。

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競艇のモーターはレース結果に多大な影響を与える!

競艇のモーターはレース結果に多大な影響を与える!

公営競技のうち、競馬は競走馬自身が、競輪は競輪選手が自転車を漕いでコースを走行します。
そのため競馬では競走馬の能力が、競輪では競輪選手の脚力がレース結果に多大な影響を与えることになるので、レース予想では競走能力を比較しなければなりません。

しかし競艇の場合、選手自身がボートを漕いだりしないので選手自身の筋力はレース結果にほとんど影響を与えることはないでしょう。
競艇のレース結果に多大な影響を与えるのはやはりボートが進むための動力となっているモーターです。

モーターは製造方法が統一されているだけではなく、保管は各競艇場がおこなっているので本来はモーターそのものの性能もまったく変わらないはずなのですが、100パーセント全く同じモーターを製造することは現状不可能なので、それぞれのモーターには微妙な性能差があります。

数値に換算すると微々たるものなのですが、競艇選手がそのモーターを使ってボートを操るとその差は非常に大きなものとなり、実際は勝率や連対率などで大きな差が生じます。

今回の記事とは趣旨が変わってくるので詳しくは解説しませんが、モーターの性能を確認するのは競艇のレースを予想するうえで非常に重要です。

モーターは規定内であれば自由に調整が可能

競艇―モーター調整(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)

レース中は各選手が規定内であればモーター及びプロペラを自由に整備できる事となっています。
競艇は水上で行われる競技ですが、同じ競艇場でも季節やその日の天候によって水の状態が異なりますし、モーターはレースごとに抽選で使用するモーターが決まるので、前回使用したモーターを次のレースも使用できるとは限りません。

他の選手の整備に不満があったり現状の状態が今のコースの条件に不向きであれば、より適した性能を発揮できるようにモーターやプロペラの整備を施してからレースに臨みます。

また、競艇ではどの艇でスタートするかによってもモーターを調整しなければなりません。
具体的にはインコースであれば、加速するまでの時間が短くなるように、逆にアウトコースならトップスピードになるまでの時間が短くなるように調整を施します。

調整でどうにもならない場合は部品交換を施す

調整でどうにもならない場合は部品交換を施す

しかし、モーターの状況によっては調整しただけではどうにもならない場合もあります。
例えばレース中に転覆や沈没などによってモーターが水没するとモーターそのものが大きく損傷してしまいますし、各部品も消耗品なので、特に事故を起こしていなかったとしても経年劣化で使い物にならなくなってしまっているケースもあるでしょう。
調整だけでどうにもならないときは部品の交換をすることになります。

主に部品交換が行われるパーツ8つを紹介!

主に部品交換が行われるパーツ8つを紹介!

競艇のモーターは数え切れないほどのパーツで構成されていますが、モーターの調整の際に交換することになるパーツは主に8つです。

ここでは交換するパーツごとに重要度も含めてそれぞれ詳しく解説します。
ちなみにプロペラも交換することがありますが、プロペラはモーターとは別物として扱い、ここでは説明を省きます。

文章だけでは分かりづらい部分もあるかと思うので、部品について詳しく解説してくれている動画を紹介します。
こちらの動画はパート2ですが、パート1も観てもらえればより深く理解できるのではないでしょうか。

クランクシャフト

クランクシャフトはモーターの心臓部分に該当し、モーターのあらゆるパーツのなかでも最重要とされるパーツです。
クランクシャフトを交換する前には、必ずそれ以外の部品を交換してモーター性能が改善しないかを検証します。

どの部品を交換してもモーターの性能が向上しない場合の最終手段として交換することになるのがこのクランクシャフトです。
クランクシャフトを交換するのはよほどの緊急事態だと思っておいてよいでしょう。

シリンダーケース

シリンダーケースはピストンが通る筒状の部品です。
シリンダーケースは燃焼力を向上させ、モーターの本来の能力を引き出す目的で交換します。

交換した際の調整が非常に難しいので、選手側の心理からするとできればあまり交換したくはないパーツであり、ここを交換するというのはクランクシャフトの交換ほどでは無いにしろ、モーターの性能が相当悪いと認識しておいて間違いないでしょう。

電気系統一式

電気系統を交換する時というのはズバリ、「転覆または沈没などによってモーターが濡れた時」です。
電気系統は点火プラグに送る電気を発生させるための装置であり、一部だけの交換はできないので必ず一式交換することになります。

モーターが濡れた場合大ダメージを受け、全面的な調整は免れないので、電気系統の交換も舟券に与える影響は大きいといえるでしょう。

キャブレーター

キャブレーターは空気とガソリンが混ざったものをモーターに噴射させるための部品でモーターのパワーの源と言える部分です。

天候や季節によって空気中の湿度が代わるため、その都度燃焼効率については調整が必要なので、キャブレーターは重要なパーツではありますがそれなりに使用頻度が高く、モーターの性能が悪くてどうしようもないときに交換するというよりは、モーターの更なる性能向上を目的として交換するケースがほとんどです。

そのため、キャブレーターを交換することでモーター性能が下がることはあまり考えられず、むしろ向上する可能性もあるので、あまり舟券には影響しない交換と言えるでしょう。

キャリアボデー

キャリアボデーは排気ガスが通る筒で、一般的な車やバイクで言えばマフラーに該当する部分です。
車やバイクにとってマフラーはとても重要な部品のひとつなので、当然キャリアボデーは競艇のモーターにとってはかなり重要な部品といえます。

キャリアボデーを交換するときというのは、排気ガスの通りが悪くてモーターの出力が挙がらないときがほとんどで、モーターがかなり損傷していると考えられます。

キャリアボデーを交換している選手は展示航走をチェックしましょう。
展示航走の走りがあまり良くないと判断できたら、舟券からは外しておくのが無難です。

ギアケース

ギアケースはモーターとプロペラをつなげるパーツで、モーターの立て回転を横回転に変更するための部品です。

回転部分のパーツということもあって、ギアケースはそれなりの頻度で交換される部品ですし、調整も難しくないので選手の整備力が試される部品でもあります。
ギアケースを交換しているからといってマイナス評価にする必要はあまりないでしょう。

ピストンリング

ピストンリングはピストンの動きを滑らかにするための役割を担っているパーツです。
モーターの性能を最大限に引き出すためには重要な部品ではありますが、摩耗しやすいパーツという事もあってかなり頻繁に交換されるので、ピストンリングの交換が舟券に与える影響はほとんどありません。

ピストン

ピストンはモーターのエネルギーを生み出す部品で、シリンダーが前後に動くことによってモーターは起動します。

ピストンを交換するときというのはスタート時の加速力を向上させる場合がほとんどで、例えば整備前のモーターがアウトコース用の調整となっていて、インコース用のモーターにしたい場合はピストンを交換し、スタート直後の加速力を向上させます。

したがってピストンを交換していてもそれほど気にする必要はありませんが、3本交換していた場合は加速力向上ではなくモーターの根本的な性能があまり良くない証拠なので、注意が必要です。

部品を交換した際は出走表に記載される

競艇ー出走表ー部品交換(引用元:BOAT RACE オフィシャルウェブサイト)

モーター調整時に部品交換した際は、必ず出走表に記載されます。
したがって出走表をチェックする際は部品を交換しているかの確認もかならずおこないましょう。

特に前のレースで転覆や沈没してしまった選手や、思い通りの走りが出来なかった選手は次のレースまでに部品交換する可能性が高いので、出走表を確認してどの部品を交換したかチェックし、重要な部品を交換していた場合は舟券から外すことも検討しましょう。

特にクランクシャフトとシリンダーケースを交換していた場合は上位に入ることはほぼ不可能なので、問答無用で舟券から外して問題ありません。

部品交換の費用は選手の負担?

部品交換の費用は選手の負担?

ここまで部品交換について解説しましたが、気になるのが部品交換をした際の部品代です。
もし部品代が選手負担だとすると、転覆した時などはかなりの出費となってしまうでしょう。

気になる部品代に関してですが、部品代は競艇場側の負担となり、選手は部品代を支払う必要はないのですが、唯一電気部品の点火プラグだけは選手負担となっています。
点火プラグは1つ2,000円くらいで、1回の交換で2本替えることになるので合計4,000円必要です。

部品交換してモーターがどうなったか見極めよう

部品交換してモーターがどうなったか見極めよう

部品交換はモーターが整備だけでは出力が上がらないときと、モーターの更なる性能向上を目的として交換するときと大きくふたつに分かれます。
部品交換をしているかの確認は必要ですが、部品交換をしているからといって舟券から全員外すという判断をするのは間違いです。

部品交換の効果を確認するには「展示航走」を観るのが最も簡単かつ確実なので、部品交換をしている選手のうち、舟券に含めるかどうか迷っている選手が居るならば展示航走で実際の走りを確認しましょう。

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まとめ

競艇において選手自身の筋力や運動神経はそれほどレース結果に影響しません。
しかしモーターは選手自身が自由に調整できるうえに元々の性能も微妙に違うので、モーターの性能を見極めることは舟券を的中させるためには非常に重要です。

天候や季節によってコースの条件は毎回変化するので、その都度最適な状態に調整するのですが、モーター調整だけではどうにもならない場合などは部品交換を施します。

主に交換対象となるパーツ
・クランクシャフト
・シリンダーケース
・電気系統一式
・キャプレーター
・キャリアボデー
・ギアケース
・ピストンリング
・ピストン

以上8つが主に交換対象となるパーツですがそれぞれ重要度が異なり、交換したパーツによって舟券への重要度が大きく変わります。
特にクランクシャフトとシリンダーケースは滅多に交換しない部品であり、この2つを交換している選手は舟券には絡まないと思っておいたほうがよいでしょう。

とはいえ、実際交換してモーターの調子がどのように変化したのかは走りを見るまではわかりません。
部品を交換した際は出走表に記載されるので、必ず展示航走を確認して部品交換後のモーターの状況を見極めるようにしましょう。