競艇選手の平均年収は?レーサーの日当や給料について徹底解説

競艇選手の平均年収は?レーサーの日当や給料について徹底解説

競艇場では毎日競艇選手が日夜激しいレースを繰り広げており、私たちは誰が1着になるかを予想しながら舟券を購入し、その白熱したレースを楽しんでいます。
しかし、楽しむ上であってもふと疑問に思うことが多々あります。

たとえば、競艇のレースを観ていて、ふと「競艇選手の年収はどれくらいだろう」と考えたことがあるのではないでしょうか。
本記事では競艇選手の平均年収や収入の内訳について解説します。


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競艇選手の平均年収は驚きの金額

競艇選手の平均年収は驚きの金額

競艇選手の平均年収は、ボートレースのオフィシャルサイトに記載されている情報によると、「およそ1,700万円」となっています。
LEVEL.1 優勝賞金や平均年収 | BOAT RACE オフィシャルウェブサイト

2020年度の一般会社員の平均年収がおよそ430万円なので、それと比較すると驚異的な高さだといえるでしょう。
競艇選手というのは、平均年収だけを見ればかなり稼げる職業であるといえます。

クラスによって大きな開きがある

クラスによって大きな開きがある

しかしながら、競艇選手全員がこれだけの年収をもらっているわけではありません。
一般的な会社員でも平社員と部長では年収に大きな差があります。
実力主義の競艇選手の場合、その差は平社員と部長との差どころではなく、大きな開きがあります。

競艇選手はその年の成績によってA1級からB2級までランク分けされているのですが、最上位のA1ランク選手になると、平均年収は3,000万円以上といわれています。

そしてランクが下がるにつれてだんだんと平均年収も下がっていくのですが、それでも最も下位のB2級の年収がおよそ800万円といわれているので、やはり一般会社員と比べれば全体的に年収は高いといえるでしょう。

年収の大部分はレースの賞金が占めている

年収の大部分はレースの賞金が占めている

クラスが上がるごとに平均年収が上がっている最大の理由は、クラスが上位の選手であればあるほど出走しているレースで優勝したり、上位に入る回数が多いからです。

競艇は年功序列制ではなく、完全に実力主義となっていて、たとえA1級の選手であっても負けてばかりだとあっという間に下位ランクに落とされますし、反則行為が多い選手はA1級でもB2級まで落とされるという、とても厳しい世界です。

したがってA1クラスを維持している選手というのは名前や人気だけが先行しているとかではなく、本当にトップクラスの実力を持っている選手たちばかりです。

競艇選手の年収の大部分は、レースに出ることによって得られる賞金で占められています。
高収入を維持するためには、とにかくレースに出まくって勝ちまくるしかありません。

レースのグレードごとに賞金は異なる

レースのグレードごとに賞金は異なる

競艇のレースにはグレードが設けられています。
もっとも下位のレースが一般戦で、そのうえが「G3」そして「G2」「G1」もっともグレードが上のレースは「SGレースとなっています。

レースに出走し、完走することで得られる賞金はグレードによって大きく違います。
ボートレースのオフィシャルサイトによると、一般戦の優勝者は74万円以上、G3は105万円以上、G2が450万円、G1は480万~1,500万円、そして最高峰のSGレースは1,700万~3,900万円となっています。

グレード付のレースは誰でも出走できるというわけではなく、それぞれのレースに条件が設けられており、グレードが高ければ高いほど条件は厳しくなります。

特にSGレースに出走するには、前年の同レースやSGレースに出走経験があったり、優勝を経験している、またはその年の賞金ランク上位の選手のみというように、とても厳しい条件が設けられています。

そのような条件を満たすのはおのずとA1級を維持し続けているトップ選手だけということになるでしょう。

A1級の選手の平均年収が高額なのは、たくさん勝っているということももちろんありますが、それ以上に上位グレードのレースに出走する機会が多いというのが最大の理由です。

賞金王決定戦に優勝した選手がその年の賞金王になることが多い

賞金王決定戦に優勝した選手がその年の賞金王になることが多い

競艇の総決算ともいうべきレースが、年末の「賞金王決定戦」です。
賞金王決定戦の優勝者が獲得する賞金はなんと1億円で、ほかのSGレースと比べても明らかにケタが違います。

賞金王決定戦に出場するためにはその年の獲得賞金ランキングの上位に入っていることが絶対条件です。
出場する選手はすべてその年のトップレーサーばかりで、獲得賞金の差は1位と出走最下位の選手とを比べてもそれほど劇的には変わらないでしょう。

賞金王決定戦優勝者が獲得する1億円によって、この順位は大きく変動します。
最終的に賞金王決定戦に優勝した選手が、文字通りその年の賞金王になることがとても多いです。


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賞金のほかにも日当が支払われる

賞金のほかにも日当が支払われる

競艇選手の収入はレース賞金が大部分を占めると解説しましたが、大部分を占めるということは、逆に言えば競艇選手の収入はレースの賞金がすべてではない、ということでもあります。

競艇選手はレース賞金のほかにも「日当」が支払われることになっていて、なかなか勝てない下位選手の場合は、むしろこの日当が収入のメインとなっています。
競艇選手の日当にはどのようなものがあるのかを本項目では解説していきます。

レースに出るだけで支払われる手当

まず、日当のなかにはレースに出走するだけで順位関係なく支払われる「手当」のようなものが存在します。

例えば、レースに完走するだけで「完走手当」が最下位でも1レース当たり最低1万円は出ますし、前検日から最終日までの期間までの拘束日数に併せて「出場手当」というものも支払われます。

そして完走だけではなく、レースに出走するだけでも「出走手当」が出ますし、ナイターや荒天など特別な条件でレースに出た場合もその都度手当てが支払われます。

それ以外の日当

レースに出走したときの手当以外にも、レースに呼ばれ、他方から斡旋してきた選手にはその都度「参加賞」が支払われるほか、各節ごとに「選手班長」が決められるのですが、その班長を担当した人に対して「班長手当」が出ます。

また、遠方から斡旋して参加する選手に対しては、レース会場までの「交通費」も手当として支払われることとなっています。

ただし交通費はJRなど公共交通機関を利用した時のみに適用され、新幹線の料金は含まれません。
これら手当てをすべて合計すると、たとえ出走した全レースが最下位だったとしても、1節あたり20万円近くの収入を得ることができます。

一般の会社員であれば出走するお金だけでも一人暮らしであれば何とか生活はできる水準の収入はあるといえるでしょう。

競艇選手は様々な出費がある

競艇選手は様々な出費がある

しかし、なんとか生活できるというのはあくまでも一般社会人であれば、という話です。
競艇選手は一般社会人ではありません。

確かに収入面ではとても魅力的ですが、その分さまざまな出費もあります。
まず、レースに出る際のユニフォームは特注品で、インナーからズボン、ジャンパーなどすべてを合計すると、既製品でも15万円から30万円近くかかります。

トップ選手になるとオーダーメイドで自分だけのユニフォームを作成する選手も多いです。

また事故から頭を守るヘルメットももちろん実費での購入となっており、こちらも15万円以上する高級なヘルメットを使用しています。
ヘルメットに関してもトップ選手は自分でデザインしたオーダーメイド品を使用することが多いです。

そうなると金額は少なくとも倍以上かかるのではないでしょうか。
ボートのパーツは基本的に競艇場が準備してくれますが、エンジンプラグは消耗品となっているので、選手自らが実費で用意しなければなりません。

そしてエンジンの調整がボートレースでは認められているのですが、エンジンやプロペラを調整するために使う工具類もすべて選手の実費で用意することとなっています。

さらにレース会場までの交通費は手当として支払われるものの、宿泊費や食費などは手当として支払われず、逆に経費として給料から差し引かれます。

そして、フライング等反則を犯してしまうと反則金として6万円支払うことになりますが、この反則金ももちろん自腹で支払わなければいけません。

そして、フライングをした場合は検収を受けなければならず、研修先への交通費や研修費用も自腹で支払うことになっています。

このほか、競艇選手は激しいレースに負けないために肉体の維持管理、トレーニングも必須ですが、これらもすべて自腹で行わなければいけません。

このように、競艇選手には一般会社員では決して支払うことのないようなさまざまな経費がかかる職業なのです。

競艇選手は大ケガや死と隣り合わせの職業

競艇選手は大ケガや死と隣り合わせの職業

そして、忘れてはならないのが、競艇選手という仕事はとても危険な職業であるという点です。
過去の事故を踏まえて反則や違反行為に対する判定も厳しくなってきてはいますが、それでも時速60キロ以上も出るボートに、ヘルメットだけをつけて乗っているという状況に変わりありません。

そのようなスピードでもしボートから落ちて水面に叩きつけられた場合は、コンクリートに叩きつけられるのと同じくらいの衝撃があるといわれています。

また、何より恐ろしいのがモーターを動かすプロペラに巻き込まれたり、転倒して落水したあとで後ろからくるボートに衝突するといった事故です。

毎年数名の選手が事故によって大きな怪我を負って長期離脱を余儀なくされていますし、数年に1回の割合で残念ながら死亡事故も発生しています。

直近では2020年2月に尼崎競艇場で実施されたレースにおいて、松本勝也選手が転覆、後続のボートに追突されてしまい、すぐに病院へ搬送されたものの、残念ながら命を落としてしまいました。

危険な競技ということもあって、競艇選手は全員保険に加入していますが、保険料も一般の人たちと比べるとかなりの金額になっていることでしょう。

反則を犯すと長期的に収入がゼロに

反則を犯すと長期的に収入がゼロに

競艇選手にとって、反則行為を犯して罰金を支払わなければならないというのが痛いのはもちろんですが、それ以上に痛いのが「フライングによる出場停止」です。

フライングは反則行為のなかでも特に厳しい措置がとられていて、1回フライングをしただけで30日間の出場停止となります。

フライングによる出場停止日数は回数を重ねるごとに増えていき、4回目のフライングを犯すとほぼ1年間レースに出場できなくなってしまいます。

手当や賞金が収入のほぼすべてを占める競艇選手がレースに出られないということはすなわちその期間競艇選手は収入がゼロになる、ということになります。

下位選手が収入ゼロになってしまうと死活問題

下位選手が収入ゼロになってしまうと死活問題

A1級のトップ選手にとってもレースに出られないというのは辛いことに変わりはないですが、トップ選手ともなるとレースに出ずっぱりなので、30日間程度の出走停止というのは、良いリフレッシュ期間になるともいえ、実際に旅行に出かけたりする選手もいるようです。

しかし下位選手にとっては30日間の出場停止であっても、本人にとっては死活問題になってしまいます。

下位選手は月の収入でなんとか生活できるギリギリのラインであるため、1か月間ほぼ収入がないということは生活費すら賄えなくなってしまうため、停止期間中は短期のある梅雨となどをして何とか収入を確保している選手もいるようです。

人気選手はイベントの出演料も収入源に

人気選手はイベントの出演料も収入源に

近年、競艇場では競艇以外にさまざまなイベントが開催されており、そういったイベントにはトップ選手や、人気の女性選手などが出演します。

もちろんそういったイベントに出演した際の出演料も選手にとっては収入源となっており、アイドル的人気となっている女性選手の場合は、こういったイベントの出演料のほうがレース賞金を上回ることもあるかもしれません。


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まとめ

競艇選手の年収は平均1,700万円ほどとなっており、一般社会人の年収と比べるとかなりの高額となっています。

ただし年収はクラスによって大きく異なっており、A1級の選手だと3,000万円近くの年収がありますが、最下級のB2級だと平均では800万円程度です。

競艇選手の収入の大部分はレースに勝ったときの賞金ですが、それ以外にもレースに呼ばれたりレースに出走するだけでもらえる「日当」がいくつかあり、その日当だけでも何とか生活できるだけの収入は得られます。

しかし、競艇選手はユニフォームやヘルメットは実費で準備しなければならないですし、エンジンを整備する工具ももちろんのこと、肉体維持のためのトレーニングも自分のお金でしなければならないなど、かなり経費がかかる仕事です。

そしてフライングしてしまうと、たった1回でほぼ1か月レースに出られなくなり、下位選手にとっては死活問題となり、生活することすらままなりません。

下位選手でフライング行為を犯してしまった選手のなかには、出場停止期間中に短期アルバイトをして何とか生活費を賄う選手も多々存在します。