競輪選手の強靭な身体は食事によって作られる!摂取カロリーは驚異の数字だった!
競輪選手は自分の肉体で戦う職業です。
競輪選手のみならず、自分の身体が資本となるスポーツ選手全般に言えることですが、他のライバル選手よりもあらゆる意味で強い身体にしなければ弱肉強食の世界で勝ち抜くことはできません。
競輪選手の強靭な肉体は日々のトレーニングによって作り上げられているのはよく知られた話ですが、その根底にはやはり食事があります。
そこで本記事では競輪選手の食生活について詳しく解説していきます。
スポーツ選手にとって食事は非常に重要!
スポーツ選手は毎日一般の人がとても耐えられないような厳しいトレーニングを積むことによって優れたパフォーマンスを発揮するための肉体づくりをしています。
しかしトレーニングをすると大量のカロリーを消費するので、消費した分のカロリーはしっかりと補わなければなりません。
更に筋肉など、肉体を作り上げるためにはタンパク質をはじめとした栄養素が絶対に必要なので、スポーツ選手にとって食事は非常に重要な要素のひとつです。
優れたトレーニングと、栄養価の高い食事はスポーツ界でトップに立つためには必要不可欠であるといえるでしょう。
公営競技の選手は体重を意識しながら食事をする必要がある
日本で公的に認められているギャンブルである「公営競技」は、競馬・競艇・競輪・オートレースの4種類ですが、公営競技の選手は基本的に体重を意識しながら食事をしなければなりません。
例えば競馬には「斤量」というものがありますが、斤量には当然のことながら騎手の体重も加味されます。
斤量はレースによって異なるので斤量が重いレースであればそこまで大変ではないのですが、時には53キロや54キロといった斤量のレースもあり、そういったレースに出走する場合は体重管理がとても大変です。
そのほか、競艇・オートレースも体重制限があり、その体重をオーバーしてしまうと基本的にレースに出走することはできないですし、体重をオーバーしてしまった理由によっては一定期間レースに出走できなくなるといった罰則を受けることもあります。
競輪選手は食事に関してはあまり気にしていない選手もいる
では競輪選手はどうなのかというと、実は競輪選手については体重制限は設けられていません。
ですから競輪選手の体重はほかの公営競技の選手と比べると重いですし、なかには100キロオーバーの選手も存在します。
体重管理が必要な公営競技の選手は食事にはとても気を使っています。
体重を増やしてはいけませんが、食べなければ厳しい戦いで勝ち抜くパワーもスタミナも得られないので、カロリーに極力注意しながら必要な栄養素を摂取できるような食事を常に考えなければなりません。
その一方で競輪選手に関しては、「気にする人もいるが全く気にしない選手もいる」というのが結論になります。
食事に関しての意識は本当に選手によって色々で、好きなものを好きなだけ食べるという選手も多いです。
しかし体重の増減は体質的なものも大きいので、基本的には甘いものや油物は控え目にするよう心がける選手が多いです。
そのほかには「グルテンフリー」といって小麦粉を摂取しないように心がける選手がいたりしますが、逆に我慢することで体調が悪くなったり、ストレスが溜まってパフォーマンスが下がるという選手も当然います。
食生活に関しての話題は世間一般も非常に関心がある話題のひとつなので、毎日のように新しい情報がアップデートされています。
人一倍食事に気をつかう競輪選手にとってもこういった話題は常にチェックし、有益だと感じたものは自身の食生活に取り入れるようにしているそうです。
もちろんトップ選手になれば食事に関するアドバイザーに師事を仰ぐということもあるでしょう。
競輪選手の消費カロリーは驚異的な数字
競輪選手はレースに出れば全力で戦うため激しくカロリーを消費します。
しかしそれだけではなく、競輪選手は自身の肉体を保持し、さらなる強い身体にするためレースが無い日も厳しいトレーニングに明け暮れるので、消費カロリーはレースに出ようが出まいがほとんど変わりないと言い切ってよいでしょう。
まず、一般的な成人男性の消費カロリーというのは1日2,000カロリーから2,200キロカロリーと言われています。
では競輪選手の消費カロリーはどれくらいかというと、なんと1日4,000キロカロリーから5,000キロカロリーにもなるそうです。
競輪選手のトレードマークとなっているのが丸太のような太い太ももですが、太ももには全身の50パーセントの筋肉が集中しています。
さらに下半身全体だと全身の70パーセント近くを占めることになり、この下半身を競輪では通常の運動とは比べ物にならないほど酷使するわけですから、一般の人よりも消費カロリーが大幅に増加するのはある意味当然だといえるでしょう。
S級S班選手の食事とトレーニングスケジュールを公開!
2023年現在、競輪界最高クラスであるS級S班に在籍している選手の一人が佐藤慎太郎選手です。
佐藤選手は「ネットケイリン」でコラムを掲載しており、その中で食事を含めたとある1日のトレーニングスケジュールを公開していたので、ここで紹介します。
起床は6時50分、サプリを摂取した後、朝食を摂ります。
メニューはベーグル1個、フルーツ、コーヒー1杯と、朝食に関しては私たちと食事量的にはそこまで変わらないといえるでしょう。
また、同時にサプリも摂取しています。
朝食は少なめにし、糖質とタンパク質、ビタミンをバランスよく摂取するように心がけているそうです。
その後9時半から1時間トレーニングしますが、トレーニング内容は本記事とは関係ないので割愛します。
11時半から昼食となり、この日の昼食はマグロ丼、キヌアのサラダ、アボカド半分、そしてサプリというメニューでした。
お昼は一般の人たちよりは若干多めに食べているという印象です。
特にキヌアのサラダはさまざまな栄養が摂取できるため、食べる機会が多いそうです。
また、タンパク質は鶏ササミ以外でも摂取する必要があるとも記載されていました。
食事後はトレーニングによる疲労回復のため、必ず昼寝をするそうです。
そして起床後はコーヒーを飲んでいます。
起床後は自転車トレーニングも含めて3時間みっちりとトレーニングをしており、トレーニング後は入浴をして夕食を摂っています。
この日の夕食のメニューはタイカレー、タイ風パパイヤサラダ、タンドリーチキン200グラムでした。
一般の人ならタイカレーとサラダで十分な夕食になるでしょうから、これに加えてタンドリーチキン200グラムを食べるわけですから、夕食に関してはかなり多いという印象です。
夕食後はネットなどを使って競輪について学習したのち、なんと「夜食」を食べています。
この日の夜食は馬刺し100g、ヨーグルト(無糖)、ビーツスムージー(ビーツ、バナナ、牛乳)と、夜食でありながらかなりしっかりと食べています。
夜食後はTwitter投稿などリラックスタイムに充てた後、23時30分に就寝となっていました。
こうして1日のスケジュールを見ていくと、やはり全体的な食事量は一般の人と比べるとかなり多いという印象を持つのではないでしょうか。
競輪選手はどんな事を意識して食事を摂っている?
競輪選手については食事制限は特に設けられてはいませんが、それでも何かしらのルールを決めて食事をするように心がけている選手がほとんどです。
ケガに負けない肉体づくり
競輪選手は自転車に乗って争う事になるため、常に落車事故が発生する恐れがあります。
しかも競輪では最高時速70キロに到達するため、時には大きな怪我に見舞われてしまい、長期的に休養せざるを得なくなってしまいます。
特に関節部分を強打すると場合によっては選手として復帰する事すら難しくなってしまうので、転倒した時にも耐えられるような強い身体を作らなければなりません。
強い身体を作るために、競輪選手は食事によって必要な栄養素を摂取する事を心がけています。
体重が増えすぎないように意識している
競輪選手にとって筋肉は勝つために絶対につけなければなりませんが、闇雲に筋肉をつけたからといってトップ選手になれるわけではありません。
筋肉がつけばつくほど体重が増えてしまって何をするにもスタミナを多く消費するようになり、却って逆効果になってしまう事もあります。
ベスト体重を維持する上でも食事は重要な役割を果たします。
また、食事によって体質を自分のレーススタイルに適したものに変化させる事も可能です。
例えば先行タイプの選手であれば、スタミナを増強できるような身体づくりのための食事を重視しますし、差しや追い込みが得意な選手は一瞬の爆発力を生み出せるような筋肉を作るような食事を心がけています。
競輪選手が勝つ為にはいかに自分の脚質に合った筋肉や身体づくりが出来るかが大切なのです。
体調管理の資本
競輪場は全国に43ヶ所あり、競輪選手は斡旋を受けると全国を飛び回る事になります。
九州でのレースが終わったら、次は東北や北海道の競輪場に行かなければならない、という事もあるでしょう。
九州と東北・北海道では気温がまるで違います。
体調が万全でなければ気温差によって風邪を引いたりする事もあるかもしれません。
移動の度に体調を崩していてはレースで最高のパフォーマンスなど出せるわけがありません。
競輪選手にとって、食事は体調管理も兼ねています。
レースで勝利するための強靭な肉体を作り上げると同時に、ビタミンやミネラルなど、ウイルスや気温の変化に負けない丈夫な身体づくりも欠かすことはできないのです。
オフシーズンがないため食事による管理はとても重要!
プロ野球選手など、一般的なスポーツ選手には「オフシーズン」というものが存在していて、オフシーズンには身体を休めることができます。
この時期については試合がある時と比べればそこまで食事制限をする必要はないので、好きなものを食べたり、たくさんお酒を飲んだりする選手も居ることでしょう。
一方で競輪選手にはオフシーズンというものは基本的に存在しません。
レース出走中はもちろんのこと、レースがない時もほぼ毎日トレーニングをしなければならないため、身体を休める時間というのはほぼ無いと言い切ってよいでしょう。
そんな中で常に最高のパフォーマンスを出せるようにするためには、やはり日々の食事によってどこまで必要な栄養素やカロリーを摂取できるかが非常に重要となります。
食事に関する制限は基本的にはないものの、決して食事をないがしろにして良いというわけではなく、コンディション維持における食事のウエイトはむしろ一般的なスポーツ選手よりも大きいといえるでしょう。
まとめ
競輪選手が1日に消費するカロリーは4,000〜5,000キロカロリーと言われていて、これは一般成人の消費カロリーのおよそ2倍です。
公営競技の選手は基本的に厳しい体重制限と戦わなければなりませんが、競輪選手は筋肉をつけなければ勝てないため、体重制限は設けられていません。
筋肉は食事によって摂取するタンパク質で作り出す事ができるため、競輪選手にとって食事はとても重要です。
体重制限がないとはいえ、むやみやたらに何でも食べても良いというわけではなく、多くの選手は勝つ為の身体作りを意識しながら食事を摂っています。
また、食事によって遠征による気温変化や怪我にも負けない丈夫な身体づくりをする事もとても大切です。
食事は競輪選手にとってレースで誰よりも早く走る為の身体づくりをするための土台となっているのです。