競輪の3連単は全部購入すると何通り?全通り買ってプラスになるかも検証
競輪のレース結果を見ていると、特に3連単で数万円単位の払い戻しになっているのを頻繁に見かけます。
車券を購入する時は少しでもプラス収益になるように買い目の数とオッズをよく見比べながらマイナスにならないように、そして当たるであろう買い目を厳選していく訳ですが、この作業は考えれば考えるほど沼にハマってしまい、「これで良かったのだろうか」と悩みつつ買い目を決定する事が多いでしょう。
その苦労が報われれば良いですが、苦労して買い目を選んだのにレースが荒れに荒れてカスリもしないと、「何も考えずに全部買い続けてたらプラスになるんじゃないか」と思ってしまう事もあったりします。
そこで、本記事では3連単でその日のレースを全通り購入した場合、どのような結果になるのかを検証してみる事にしました。
競輪の3連単とは?
まずは3連単という車券について改めて解説していく事にしましょう。
競輪には全部で7種類の車券がありますが、的中難易度で言えば3連単はもっとも高い車券となっています。
にも関わらず、競輪の車券全体の売り上げ比率でいえば3連単の売り上げが圧倒的に高く、他の6種類の車券の売り上げ全てを合わせても3連単には遠く及びません。
これは競輪に限った事ではなく、4つの公営競技でもっとも売り上げが大きい車券が3連単となっています。
競輪の3連単を全部購入すると何通りになる?
3連単の車券は全部で何通りあるのかについてですが、競輪は7車立てと9車立てがあり、7車立ては210通り、9車立てでは全部で504通りになります。
つまり1点あたりの最低金額である100円で全通り買うと、7車立てだと21,000円、9車立てでは50,400円必要です。
3連単の平均払戻額はいくら?
続いて3連単の平均配当を確認してみましょう。
3連単の平均配当はその年によって多少上下しますが、だいたい7車立てでは13,000円くらい、9車立てではだいたい31,000円くらいと言われています。
データ上では3連単を全通り購入し続けると7車立てでも9車立てでも大きく損をするという結果になってしまいました。
4つのレースを選択して全通り買ったらどうなるか検証
データでは全通り買い続けると確実にマイナスになってしまうという結果ですが、実際に全通り購入したらどのような結果になるのか、4つのレースで検証することにしました。
対象となるレースは2023年1月21日と22日で、7車立ては高松競輪場、9車立ては大宮競輪場です。
全レースの配当金と全通り車券代で計算した収支結果、そしてすべての配当金から全レースを全通り購入した車券代を差し引いた最終結果を表にまとめました。
検証1
2023年1月22日高松競輪場「チャリロトよしもと杯」
配当金(円) | 収支結果(円) | |
1R | 1,090 | -19,910 |
2R | 8,950 | -12,050 |
3R | 500 | -20,500 |
4R | 510 | -20,490 |
5R | 400 | -20,600 |
6R | 1,500 | -20,500 |
7R | 4,970 | -16,030 |
8R | 17,130 | -3,870 |
9R | 1,270 | -20,730 |
総合結果 | 36,320 | -152,680 |
検証2
2023年1月22日高松競輪場「チャリロトよしもと杯」
配当金(円) | 収支結果(円) | |
1R | 21,110 | 110 |
2R | 12,280 | -8,720 |
3R | 1,070 | -19,930 |
4R | 570 | -20,430 |
5R | 27,290 | 6,290 |
6R | 44,600 | 23,600 |
7R | 1,120 | -19,880 |
8R | 680 | -20,320 |
9R | 2,000 | -19,000 |
総合結果 | 110,720 | -78,280 |
検証3
2023年1月21日大宮競輪場東日本発祥倉持記念杯
配当金(円) | 収支結果(円) | |
1R | 250,660 | 200,260 |
2R | 7,560 | -42,840 |
3R | 1,440 | -48,960 |
4R | 119,890 | 69,490 |
5R | 93,330 | 42,930 |
6R | 20,200 | -30,200 |
7R | 10,840 | -39,560 |
8R | 3,010 | -47,390 |
9R | 4,330 | -46,070 |
10R | 2,680 | -47,720 |
11R | 1,230 | -49,170 |
12R | 14,400 | -36,000 |
総合結果 | 529,570 | -75,230 |
検証4
2023年1月22日大宮競輪場東日本発祥倉持記念杯
配当金(円) | 収支結果(円) | |
1R | 9,350 | -41,050 |
2R | 1,630 | -48,770 |
3R | 20,790 | -29,610 |
4R | 8,440 | -41,960 |
5R | 55,490 | 5,090 |
6R | 35,860 | -14,540 |
7R | 20,140 | -30,260 |
8R | 43,030 | -7,370 |
9R | 118,730 | 68,330 |
10R | 10,390 | -40,010 |
11R | 369,020 | 318,620 |
12R | 45,610 | -4,790 |
総合結果 | 738,480 | 133,680 |
検証結果
検証結果から7車立てでは大幅なマイナス、9車立てでは2レースの合計でプラスとなりました。
しかしながら検証4回目のレースでは10万円を超える配当が2回も出ており、こういったケースは非常にレアであることを考慮すれば、やはり何も考えずに全通り購入するというのは余りにもリスクが高すぎる買い方だといえるでしょう。
たとえ平均配当が高額になる3連単であっても利益を出すためにはしっかりと買い目を絞り込んで購入する必要があります。
よくよく考えてみれば、全通り購入してプラス収益になるなら競輪ファンほぼ全員が競輪で儲けているはずですが、実際には半分どころか競輪でプラス収益になっている人は1割にも満たない訳ですから、検証するまでもなくこの結果になるのは想定できたという人も多いでしょう。
点数を絞って3連単を的中させるためには?
買い目点数を厳選して3連単を当てるのは簡単な事ではないという事は、競輪ファンならば嫌というほど思い知らされている事でしょう。
買い目点数を絞り込んで的中させるためにはその前提として、「買い目を厳選できるレースを選ぶ」事が重要となります。
レース選びが正しいかどうかで的中不的中が半分決まると言っても言い過ぎではありません。
点数を絞り込んで3連単を購入するための手順の一例をここでは紹介します。
レースが開催される競輪場の特徴を知っておこう
選手選びの前にやっておかなければならないのは、「レースが開催される競輪場の特徴を勉強する」という事です。
レースがおこなわれる競輪場は全国に43ヶ所ありますが、全く同じ条件の競輪場というのは存在しません。
そもそも競輪場がある場所が全部違うので、気候や風の強さや向きなどが違います。
更にレースの勝敗を分ける要素である「みなし直前距離」とコーナーの斜角(カント)も異なるので、同じように見える競輪場でも決まりやすい決まり手というのは大きく変わってくるのです。
特徴をしっかり把握できている競輪場の7車立てレースを狙おう
競輪場の勉強をして、しっかりと特徴を把握できるようになると、出走表を見ただけで「この選手は今回のレース好走しそうだな」「この選手は競走得点は高いけど脚質的にここでのレースではあまり活躍出来なさそう」というように各選手の評価ができるようになります。
選手の評価が正しく出来ていれば予想の正確度は格段に上昇するでしょう。
したがって3連単を本気で的中させるつもりならば、徹底的にひとつの競輪場の特徴を覚えこむためにも「その競輪場でのレース以外は買わない」というスタンスで挑んだほうが良いかもしれません。
もうひとつ、競輪には9車立てと7車立てがありますが3連単を買うなら7車立てレースを選ぶ事を推奨します。
出走表やライン予想を見て展開が読めるレースで勝負
競輪場の特徴を覚えこむだけで車券を当てる事は出来ません。
繰り返しになりますがレースをするのは競輪選手なので、選手の事を理解しておかなければ買い目を絞り込む事は不可能です。
出走表にはレース予想に必要な情報が豊富に記載されています。
そして多くの出走表では同時に「ライン予想」も記載されているので、出走表を隅々まで読み込んでいくことでかなり正確にレース展開が想像できるものが必ずあるでしょう。
3連単はそういった「明確に予想が出来るレース」で購入するようにしてください。
1点あたりの金額は少なめに
3連単は平均配当が高いので、大本命だと睨んだ車券には大きなお金を投資してしまいがちですが、3連単でそういった買い方をするのはかなり危険です。
3連単は3着以内に入る番号を選びつつ、着順まで当てなければ的中とはならないことは最初に説明した通りです。
この着順まで当てなければ的中とはならないというのが大きなネックで、競輪の経験が長くなると出走表などを見ればなんとなく「この選手が車券に絡みそうだな」というのは見えてくるでしょう。
しかし着順は予想通りになるとは限りません。
競輪はコンマ数秒を争う世界なので、ほんの少し加速するのが遅れただけで別の選手に出し抜かれてしまい、1着になるだろうと想定していた選手が届かずに2着になってしまうといったことが数えきれないほどあります。
3連単ではいかに大本命といわれている買い目であったとしても着順を問わない「3連複」と比べれば信頼度は非常に下がります。
したがって3連単の大本命に数万円単位のお金を賭けるというのは一般の人はやらないほうがよいでしょう。
ギャンブル系のYouTuberがよく「3連単に数万円賭けてみた」といった動画をアップして多くの視聴者を獲得しており、それを見ると自分もやってみたいと思うかもしれませんが、あれは飽くまでもパフォーマンスであるため、私たちが真似をして良いような行為ではありません。
3連単の車券を購入する際は1点当たりの金額は少なめにしておくというのが鉄則です。
まとめ
競輪の3連単は全部購入すると7車立てでは210通り、9車立てでは504通りとなります。
3連単の平均配当はかなり高額なので、何も考えずに全通り購入すればプラス収支になるのではと考える人もいるかもしれませんが、平均配当と全通り購入した車券代を比較したデータでは大きくマイナスになってしまうという結果が出ましたし、実際の結果を検証してみても4つのレースのうち、3つのレースで大きなマイナス収支となってしまいました。
したがってたとえ3連単であっても利益を出すためには買い目をしっかりと絞り込んで車券代を極力抑えて購入する必要があります。
車券代を極力抑えるためには買い目厳選できるような、予想や展開が容易なレースの車券を買うことが鉄則です。
そしてそういったレースをより見つけやすくするためにはレースが開催される競輪場の特徴をしっかりと把握し、そのうえで出走表やライン予想を隅々までチェックして予想がしやすいかどうかを検証するようにしましょう。