競輪の脚見せとは?ラインを読んでレース展開を予想しよう

競輪の脚見せとは

競輪をはじめ、公営競技で勝つためにはどのようにレースが進行していくかを予想することが不可欠です。
本記事では競輪のレースを予想するうえで避けては通れない「ライン」について詳しく解説していきます。

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競輪のレース展開の流れ

競輪のレース展開の流れ

競馬、競艇、オートレースのレースの流れとしては、スタートして決められたコースを周回しゴールを目指していくため、どの選手、またはどの馬が自分にとって有利なポジションをキープできるか、そして最終的に抜け出して3着以内に入るかを考慮しつつ展開を予想して買い目を決めていきます。

競輪でもスタートして決められたコースを周回し、ゴールを目指すという部分は変わりありませんが、レースの展開が途中で大きく変化するという点でほかの公営競技とは大きく異なります。

レース途中までは「チーム戦」となる

競輪のレース映像を見ていると、スタートして各選手がバラバラにポジションを獲ろうとするのではなく、数名ずつの隊列に並んで周回していることに気付くのではないでしょうか。

この隊列は「ライン」と呼ばれていて、競輪のレース予想をするうえでは必ず知っておかなければならない要素の一つです。

競輪は選手一人ひとりの争いであることは他の公営競技と変わらないのですが、レース終盤あたりまでは「チーム戦」となります。

競輪のレースでは2つから4つくらいまでの「ライン」を組み、そのライン同士でポジション争いをします。
そしてこのポジション争いに勝利したラインを構成している選手が圧倒的に優位な状況でレースの最終局面を迎えることとなります。

ラストは個人戦

ラスト1周の合図である「鐘」が鳴らされるといよいよ最終局面です。
鐘が鳴るか鳴らないかのタイミングで選手たちは一斉に動き出します。

争いに勝ったラインの先行選手は一気にスピードを上げてそのまま逃げ切ろうとしますし、その後ろについている選手は前の選手をピッタリとマークして風を除けつつ追い抜く機会をじっとうかがいます。

更には後方からライン争いに負けた選手が大外から一気にまくりや差しを狙って猛追してくるなど、鐘が突かれた瞬間にチーム戦から個人戦へと状況が一変するのです。

この目まぐるしく展開が変わる部分が競輪最大の醍醐味であり、競輪ファンが競輪を辞められない一番の理由といえるでしょう。

チーム戦を勝利するためには「ライン」が重要

チーム戦を勝利するためには「ライン」が重要

ライン争いに負けてしまった選手が驚異的な追い上げを見せて車券内に飛び込んでくるようなレースももちろんあるのですが、基本的にはライン争いに勝利した選手たちが絶好のポジションを確保してそのままゴールするので、競輪のレースを予想する際には上位に入る選手を見つける前に、「ライン争いで勝てるライン」を見つけるようにしましょう。

逆に言えばラインの優劣を失敗なくつけることが出来るようになれば一気に的中に近づくことができます。

ラインは大きく分けて3つ

ラインは大きく分けて3つ

ラインは大きく分けて3つのパターンに分類されます。
どのパターンのレースに分類されるかによって、レース展開が大きく異なるので、ラインを読み切ることはレース展開全体を読み切る事にもつながるのです。

二分戦

競輪ライン2分線(引用元:けいりんマルシェ)

二分戦はふたつのラインで争われるレースです。
競輪では「7車立て」「9車立て」と出走する選手の人数によって2種類のレース形態があるのですが二分戦の場合、7車立てであれば「4名と3名」、9車立てであれば「5名と4名」に分かれます。

二分戦は3つの中ではもっともライン予想がしやすく、ただ単に「どっちのラインが勝つか」を考えれば自然とラインの優劣を決めることができます。

そして隊列が長ければ長いほど後ろの選手は追い抜くことが難しくなり、妨害するのも楽になるのでよほど競走得点に差がない限りは「人数が多いライン」のほうが優位にレ―スを進めていきます。

三分戦

競輪ライン3分線(引用元:けいりんマルシェ)

三分戦は3つのラインで争われるレースです。
7車立てだと「3名、2名、2名」、9車立てだと「3名が3つ」といったライン構成になるのが基本です。
二分戦のように明らかな人数の差がなく、ライン予想は二分戦よりもかなり難解となります。

更にラインが3つあるためふたつのラインが争っている間に漁夫の利でもう一つのラインがあっさり好位ポジションを奪取するといったこともあり得るので、レース展開に関しては二分戦よりもより柔軟な思考で予想しなければならないでしょう。

三分戦は競輪の全レースのなかでも最も発生しやすいケースであり、三分選の予想が着実に出来るようになると競輪の勝ちに大いに近づきます。

四分戦

競輪ライン4分線(引用元:けいりんマルシェ)

四分戦は4つのラインで争われるレースであり、別名「細切れ戦」とも呼ばれています。
四分戦は7車立てでは発生せず、9車立てでのみ発生し、ライン争いを重要視する競輪においては四分戦となる確率は非常に低いです。

四分戦ではラインの優劣を考慮して予想する必要はありません。
それよりも選手個人個人の能力を重要視した予想をするようにしましょう。

ラインが4つに分かれてしまうと、そもそも個々のラインの力そのものがあまりないですし、四分戦では単騎で自由に動く選手も出てくるので、ライン争いというよりは個人戦でいかに勝つかといった展開になることがほとんどです。

先日行われた「競輪グランプリ2022」も4名、2名、あとは単騎の「細切れ戦」となりましたが、3位以内に入着したのは4名ラインを形成していた選手たちではなく、2名ラインを形成していた脇本選手・古性選手と単騎で挑んだ郡司選手でした。

ラインを読むためには出走表を確認しよう

ラインを読むためには出走表を確認しよう

ライン予想をするためにはまずラインそのものの予想をする必要があります。

競輪を初めて間もない人は、「選手の事をほとんど知らないのにどの選手とどの選手がラインを組むかなんて予想出来るわけがない」と頭を抱えてしまうかもしれませんが、選手の事を知らなくてもライン予想をする事は充分可能です。

ライン予想をする際は「出走表」をチェックしましょう。
というよりも、競輪のレース予想をする上で出走表はとても重要で、情報の宝庫であり、出走表を隅から隅まで見る事は公営競技の予想をする際の基本中の基本です。

ラインはホームが近い選手同士で組まれていく

どの選手同士がラインを組むかを調べるためには、各選手の「都道府県」をチェックします。
何故ならラインはホームが近い選手同士で組まれていくからです。

同じ県ならほぼ間違いなく同じラインになります。同じ県の選手が居ないのであれば、同じ地方の選手、近い地方の選手といった優先順位でラインは組まれていくので、覚えておくと選手の事を全然知らなくてもある程度組まれるラインは想定できます。

組まれやすいラインの構成パターン

実際に組まれることが多い構成パターンを表にまとめました。

北日本ライン 北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島
関東ライン 東京・埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨・長野・新潟
南関東ライン 神奈川・千葉・静岡
中部ライン 愛知・岐阜・三重・富山・石川
近畿ライン 京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・福井
中国ライン 広島・山口・岡山・島根・鳥取
四国ライン 愛媛・香川・徳島・高知
九州ライン 福岡・熊本・長崎・佐賀・大分・鹿児島・宮崎・沖縄

表を見ていくと、北海道が北日本ラインに含まれていたり、福井県が近畿ラインに含まれているなど、私たちが認識している地域分けとは少し異なる分け方をしている事が分かります。

出走表の選手コメントに注目

出走表には各選手の本レースに関するコメントが掲載されています。
レースを走る選手の生の声をチェックできるのは競馬と大きく異なる点といえるでしょう。

コメントには直近の選手自身の情報が結構赤裸々に書かれていますが、注目すべきは本レースでどのような動きをする予定かまで書かれているという点です。

誰かとラインを組む予定であればその選手の名前を記載していますし、誰とも組まずに行くのであれば「単騎で行きます」とはっきりコメントしています。

ですからラインを組むパターンが分からなくても選手一人一人のコメントに注目していれば誰と誰がラインを組むかは自ずと見えてくるはずです。

「ライン予想」が出走表に書かれていることも

更に出走表を公開しているサイトや競艇の専門誌などでは「ライン予想」といって、あらかじめ組まれるであろうラインの予想を公開していることもあります。
これを見ればラインを全く予想できないような人でもどんなラインになるかは一目瞭然です。

「脚見せ」を観ればラインは完璧に確認できる

「脚見せ」を観ればラインは完璧に確認できる

競輪のレースをライブで視聴できるのであれば、「脚見せ」をチェックするようにしましょう。

脚見せとは
レース前に必ず行う試走のようなもので、脚見せの際は実際にレースで組むライン通りに隊列を組んでコースを周回します。

確実にラインを把握したいと考えているのであれば、脚見せを見るのが一番です。

「脚見せ」とレース本番でラインが変わることはないの?

「脚見せ」とレース本番でラインが変わることはないの?

ここまでの解説を見てきた人のなかには「脚見せと実際のレースでライン構成が変わることもあるのでは?」と心配になる人もいるかもしれません。

確かに昔の競輪では脚見せで組んだラインと実際にレースで組まれるラインとがまったく異なるといった事態になる事もありました。

しかしラインを組む選手が変わるとレース展開などが全然変わってくるので、それまでの予想がすべて無駄になってしまうため、観客からの批判が殺到しました。

したがって現在では脚見せが終わって選手が体調不良などで突然レースに出走できなくなるといった予想外のアクシデントが発生しない限りは脚見せで組まれたラインで必ずレースは進行します。

さらにもっと言えば脚見せではなく、出走表に記載されている「ライン予想」そのままのライン構成でレースが進行していくので、今では脚見せは必ずしも絶対に観なければならないというものではなくなっています。

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まとめ

競輪は個人戦ですが、レース終盤までは「ライン」と呼ばれている数名で組まれる隊列同士でポジション争いをし、ラインら沿いに勝利したラインを構成している選手が車券圏内を独占することが多いです。

したがってレースを予想する上でラインを予想することは必須となります。

誰と誰がラインを組むかは「出走表」を見れば競輪初心者でも予想することが可能です。
ラインは同じ県、同じ地域、近い地域というようにお互いの選手がホームとしている場所が近ければ近いほど同じラインになる確率が高くなります。

また選手コメントでは誰と組むのかや誰の後ろに行くのかなどをはっきりと答えているため、選手コメントをしっかりと拾っていくことでもどのようなラインになるかを予想することができます。

さらに今では出走表に「ライン予想」を記載しているところもあるので、その予想をそのまま活用するとよいでしょう。

もっとも確実なのはレース前の「脚見せ」をチェックすることですが、出走表に書かれているライン予想通りのラインでレースは進行していくので、昔のように脚見せを必ず確認する必要はありません。