【競輪の投資術】競輪のみで生活することは果たして可能なのか？

ネットを見ていると「競輪を投資に」といった謳い文句を掲げて会員登録をしてもらおうと誘う競輪予想サイトが非常にたくさんあります。

果たして競輪を投資として活用することは可能なのか、本記事は競輪の投資術について検証していきます。

競輪投資で生活することは競輪ファンにとっては夢

競輪の車券を回収のように購入する人は理由は様々ですが、競輪のことが大好きなことは間違いないでしょう。

毎週のように車券を買いながら心のどこかで「車券の払戻金だけで生活できたらな…」と考えているのではないでしょうか。
そう、競輪を投資手段にして生活するというのは競輪ファンが誰もが抱く「夢」のひとつなのです。

競輪ファンが想像する「競輪投資の生活」

競輪ファンが頭の中で思い描いている「競輪投資の生活」というのがどのようなものか、人によって細かい部分が違うかもしれませんが、大多数の人が実現したいであろう競輪投資生活は以下のようなものなのではないでしょうか。

仕事はレース選定と車券購入だけ

競輪の投資生活をしている人の仕事は「レースを予想して車券を購入すること」です。
競輪は朝9時ごろからモーニングレースが開催されるので、だいたい起床は8時くらいでしょうか。

そしてその日開催されるレースの中から天候なども考慮して自分が勝負するレースを選定します。
そして出走表などを見て最終的な買い目を決めて車券を購入します。

競輪投資の生活は競輪投資で生計を立てているので、仕事はこれで終了です。
車券を購入するレースの数によるかもしれませんが、どれだけ時間がかかっても午前中には自分が買いたいレースの予想と車券購入は終了するのではないでしょうか。

レースが終わるまでは自由な時間

起床して数時間で仕事は終わってしまったので、後の時間は特に何かをやらなければならないという事はありません。
したがってレース結果が出るまでは自由に過ごすことができます。

もちろん生活費の分は保管しておかなければなりませんが、余剰資金が十分あるのであれば高級レストランでランチを購入したり、百貨店でブランド品を購入したり、プチ旅行をしたりするなど、一般の人が汗水たらして働いている時間を自分のやりたいことに使えます。

レース結果を確認して翌日のレースをチェック

だいたい夕方くらいになればナイターとミッドナイト競輪以外のレースの結果が出ているので、ネットなどで自分が購入したレースの結果をチェックします。

そして収支結果を計算してその日の仕事は完全に終了です。
レース結果の確認と収支計算もそれほど時間はかからないでしょう。

夕食後寝る前に翌日のレースをチェックし、車券を購入するレースをいくつか選定してその日の業務は終了です。

ここで紹介したような生活ができる「競輪投資生活」が実現できたら自由な時間がたくさんあって好きなことができて、お金の心配もない最高の人生を歩むことができると誰もが思ってしまうのではないでしょうか。

だからこそほぼ全員の競輪ファンが「競輪投資生活」にあこがれるのです。

「競輪投資で生活」することは可能？

ここまで夢のような競輪投資生活について紹介してきましたが、果たしてそのような競輪投資生活は実現できるのでしょうか。

まずはこの根本的な問題について考えてみることにしましょう。
結論から言えば、競輪投資で生活することは可能です。

なぜならば競輪を含めた公営競技は予想が的中すれば「元返し」と呼ばれているオッズ1.0倍の車券でない限りは支払ったお金よりも戻ってくるお金が増えるような仕組みになっているからです。

結論だけ見ると案外実現は簡単そうですが現実はどうでしょうか。
この記事を読んでいる人の周りで競輪の投資生活ができている人はいるでしょうか。

それどころか競輪を買っていてプラスに出来ている人を探すことすら非常に難しいというのが現状です。

競輪ファンのほとんどが「競輪投資生活」に憧れを抱いては居るものの、自分や周りの人の現状を目の当たりにして「自分が思い描いているような競輪の払戻金だけで生活することなど到底不可能」と思っています。

何故競輪投資生活が難しいのかについての理由は沢山ありますが、もっとも大きいのが「レースが始まってみないと分からないことが多すぎる」という点でしょう。

どのような事でも事前にたくさんの情報を入手できていれば「予測」を立てることができますし、それに向けて準備をしてリスクを回避することができ、最善の結果を出すための行動を取ることができます。

株式や外貨投資で成功するためには情報を収集してリスクが迫っていないかを調べ、それを回避しつつ最も利益を出せる方法を考えて実行します。
株式や外貨投資で成功している人は常にこれが出来ている人です。

ところが競輪はこの事前の予想が非常に難しいのです。
競輪は屋外でおこなわれるスポーツなので天候によってレース結果が大きく変わります。

また、人間同士の争いなので、各選手のその時の調子によってもレース結果が変わってくるでしょう。
しかし選手の調子などはレースが始まってみなければ分かりません。

更に転倒してしまえばどれだけ先頭を走っていても、圧倒的に力が上の選手でもほぼ敗北となってしまいます。
これだけ不確定要素が高いものを事前に完璧に予想することはほぼ不可能でしょう。

投資で生活するには「コントロール」が必要不可欠

これは競輪投資に限ったことではありませんが、あらゆる投資を成功させる以前に継続しておこなうためにはふたつのコントロールが必要不可欠です。

ひとつは「お金のコントロール」、もうひとつは「感情のコントロール」です。
このふたつのコントロールが常にできていないと、投資を成功させることはおろか、続けることすらできずほぼ間違いなく失敗に終わってしまうことでしょう。

「お金」のコントロール

投資をしているとついつい「短い時間で沢山の利益を得たい」と考えてしまいますが、短い時間で沢山の利益を得ることができるような投資は必ず多大なリスクを伴います。

競輪でたとえるならば「大穴車券を的中させて一獲千金を狙う」のと同じです。
当たれば大きな配当が得られますが、そもそも高額配当の車券が出るレースというのは非常に当てづらく、得られるお金以上のお金を失う可能性が大きいのでおすすめしません。

競輪で投資生活をするのであれば「短い時間で沢山の利益を得よう」と考えるのではなく、「時間がかかっても着実に利益を増やす」という考えを常に持つようにしましょう。

そして競輪投資生活においてお金のコントロールをする上で重要なのが「十分な軍資金」と「収支の把握」です。

まず競輪投資をするうえで絶対にやっては行けないのが「生活費に手を出すこと」で、これを一度やってしまうとクセになりどん底まで行ってしまうと破産申請をしなければならないという事態に陥ってしまいます。

競輪投資をする際に使うお金は必ず「失っても全く生活に支障をきたさないお金」を使うようにしてください。
もし失っても生活に支障をきたさないようなお金を持っていない人は競輪投資をする資格はありません。

競輪投資をしたいならばまずは競輪投資ができるお金を貯めることから始めましょう。
そのお金を貯めることができないような人が競輪投資にチャレンジしても絶対に成功しません。

競輪投資をするためのお金を貯めることを決心すると、自然と「お金の収支」についても把握できるようになるでしょう。
このお金の収支の把握は競輪投資を実際に行う際にも必ず役立ちます。

感情のコントロール

投資をするうえでお金以上に重要なのが「感情のコントロール」です。
競輪をやっている周りの人の中に負けた後で「次のレースで取り返してやる」と毎回のように言っている人はいないでしょうか。

そういった人はほぼ間違いなく次のレースの車券をあらかじめ購入しようとしていたわけではなく、負けてしまったがゆえにその場の思い付きで次のレースの車券を購入しようとしています。

「あらかじめ予定に入れていないレースの車券を買って負けを取り返す」というのは競輪の投資生活をする上で最もやってはいけない行為です。

競輪だけではなく株式投資や外貨投資でもその場の思い付きで予定に入れていない取引をするとかなりの確率で余計に傷口を広げる結果になります。
投資をするのであれば、負けても動じないように常にフラットな感情を保たなければならないのです。

そして、このフラットな感情を常に保つためには先ほど紹介した「失っても全く支障をきたさない十分な軍資金」が必要になります。

生活資金を競輪投資に投じて負けてしまったら生活が成り立たなくなるのでフラットな感情を維持できるわけがありません。

感情とお金のコントロールを競輪でするためには圧倒的な知識が必要

投資を継続させるためには「お金と感情のコントロールが必要」と先に説明しました。

お金のコントロールをするためには感情をコントロールして常に冷静な気持ちでレース船体や予想をしなければならないですし、感情を常にフラットに保つためには失っても痛くない十分な軍資金が必要と、両者はリンクする関係にあります。

そしてお金と感情のコントロールを常に保つためにはやはり一定以上車券を的中させ、目標水準以上の利益を常に獲得し続けなけれあなりません。
それには一般的な競輪ファンなど足元にも及ばないほどの圧倒的な知識が必要になります。

株式や外貨投資で生活している人は知識があるからこそ

株式投資や外貨投資で生活をしているという人はよくテレビやメディアなどで取り上げられるので観たことがあるでしょうし、汗水たらして仕事をしなくても優雅な生活をしているそういった人たちを見ると多くの人が「羨ましい」と感じることでしょう。

しかし、そういった人たちは私たちの知らないところで文字通り血のにじむような努力をしています。
株式や外貨投資というのは情報戦であり、株式や外貨投資で大きな成果を上げているのは世界経済や日本経済に精通している人たちです。

ニュースなどで世界経済の話題になると、多くの人が全く理解できなかったりチャンネルを変えたりするのではないでしょうか。

株式や外貨投資で生活している人たちは常にアンテナを張り巡らして一般の人たちが耳を背けるような話題を積極的に収集し、どの会社が伸び盛りか、どの国の経済が好調かをいち早く調べて一気に投資するからこそ確実に、そして短時間で大きな利益を得ることができるのです。

知識があるからこそ「自信」が生まれる

大金を一気に投資できるのは、沢山の情報を収集して知識を持ち、「この株あるいは外貨を購入すれば必ず儲かる」という自信を持っているからであり、情報を収集すればかなり高い確率で利益を得ることができるというのがギャンブルと投資の大きな違いといえるでしょう。

競輪も投資にするのであれば一か八かの「ギャンブル的要素」は出来る限り排除しなければなりません。

人間同士のレースなので株式投資や外貨投資ほどの確実性はないかもしれませんが、しっかりと情報収集をしていけばかなりの確率で当たるレースというのはいつか見つかります。

競輪投資をするのであれば、たくさんのレースにお金を賭けるよりも「配当は安いが当たる確率の高いレース」をピックアップし、投資する金額を大きくしておいたほうが最終的に良い結果を生み出すことが多いです。

たとえオッズが2倍でも確実に当たると呼んで2万円を投じれば倍の4万円になるわけですから、大きな利益を得ることができます。

ちなみに1か月必要な生活費ですが、一人暮らしだとだいたいすべて含めて14万円程度だといわれています。
しかしながら2023年現在物価がどんどん上昇しているのでこれよりも多めに見積もっておいたほうが良いでしょう。

もしもの時を考えて、だいたい月16万円くらいを目標に投資生活をするのが無難です。
もちろん一緒に住んでいる人数が増えればそれだけ生活費が必要ですが、二人以上の場合は競輪の配当金だけで生活しようなどとは考えないでください。

競輪の投資を成功させるためには選手についての知識が必要不可欠

競輪は競輪選手同士で争われるレースです。
したがって選手の事が分からなければ競輪投資は成立しません。
どれだけ選手の事を知っているかで的中率や収支は大きく変わってくるでしょう。

選手の能力が分からなければレースを予想することなどできない

競輪のレースに出走する選手というのは、運営側が選定しています。
したがって各レースというのはそれぞれ何らかの意図があって組まれていると考えたほうがよいでしょう。

競輪投資をする上でこの「意図」を認識できるかどうかでレースの予想のしやすさが大きく変わります。

この意図を認識するためには、どんな選手が誰と出走しているかを知る必要があるでしょう。
各選手の能力だけではなく、相性なども分かれば自然とラインの優劣なども予想しやすくなります。

選手についての情報収集をして現在の調子や心理状態も把握する

私たちは機械ではないので常に同じ感情で過ごせているわけではありません。
競輪選手も人間です。

常に最高のパフォーマンスができるように普段から準備はしていますが、何かしら不安があったり風邪を引いたりして本調子じゃないというときもあるでしょう。

プロ同士の戦いではそういったちょっとした差がレース結果に大きく影響します。
また、特に成績更新直前の時期になると、昇格又は維持ギリギリのラインに居る選手は「無理をせずに走ろう」という意識がどうしても出てしまい、積極的なレースを控えてしまいやすいです。

過去の成績だけではなく、常に各選手の最新情報を入手して知識をアップデートさせなければ競輪生活は成功しません。

「車券を買った後は自由時間」ではない

競輪選手は男女合わせて2,000人を軽く超えています。
少しでもレースの勝率を挙げようと考えるのであれば、1人でも多くの選手に関する情報を入手しておいたほうがよいです。

多くの競輪ファンが思い描いているような「車券を購入した後は自由時間」という生活には恐らくなりません。

自由時間は各選手の状況把握やレース適性の研究に充てる必要がある

競輪はほぼ毎日5つ以上の競輪場でレースが開催されます。
全てのレースが7車立てだったとしても5×12×7で420名の選手が出場することになります。

流石に420名すべての情報を収集するのは大変ですが、10分の1でも42名です。
42名の情報を収集するだけでもかなりの時間が必要になるでしょう。

42名というのは本当に最低限の人数であり、より確実に当たるレースを選定したいのであれば、選手についての知識は多ければ多いほど良いです。

したがってレースを選んで車券を購入する以外の時間は各選手の現状を把握したり、レース適性について研究する時間でほとんど無くなってしまうというのが現実でしょう。

過去のレースの振り返りやレース予想にも十分な時間をかけなければならない

予想の精度を上げるには選手の知識だけでは足りません。
投資をする上で避けなければならない事のひとつが「同じ過ちを繰り返す事」です。

例えば自分が保有している株が大暴落してしまった場合は「何故暴落したのか」を検証して原因を把握する事で次に同じような状況になった際に未然に回避する事ができます。

自らの失敗体験を振り返り、対策を構築する事が同じ過ちを繰り返さない最善の方法です。

競輪のレースについて、大勝ちしたレースはよく覚えているものですが、大敗したレースや見当違いの予想をしたレースというのは案外覚えていないものですが、そういったレースを振り返る事が競輪投資をする上では非常に重要となります。

そして肝心のレース選定とレース予想にも充分時間をかけるようにしましょう｡

「お金の入出管理」も投資には必要不可欠

繰り返しになりますが、お金の入出管理も投資をする上では大切な業務です。
投資は漠然と「お金を増やしたい」という意識でやっても成功しません。

「半年で50万円貯める」などのように明確な目標があってこそ初めてその目標に向けて計画的に投資を進めていく事ができます｡

目標が立てられないのであれば、まずは「軍資金を100万円貯めて競輪の配当金だけで一人暮らしの生活資金プラス少しの貯蓄ができる月16万円を稼ぐ」ことを目標にしてみてください｡
実際に実践してみると、この目標を達成するだけでもとてつもなく大変だという事を実感するでしょう｡

まとめ

競輪をはじめ公営競技は的中すれば基本的に支払ったお金よりも多くのお金を得る事ができるので、結論から言えば競輪で投資をする事は可能です。

ところが競輪の投資生活というのは多くの競輪ファンが想像している「車券を買えばあとは自由な悠々自適な生活」とはかけ離れたものとなるでしょう｡

競輪は株や外貨投資以上に不確定要素が多く先が読めません。
予想精度を高めるためには自由時間のほぼ全てを選手の研究やレースの研究に費やす必要があるでしょう｡

一人暮らしの人の生活費としては約16万円ほど必要です。
競輪だけで16万円稼ぐ事がどれだけ大変かは、競輪を長年やっている人であればあるほど身をもって体感しているのではないでしょうか。