モンテカルロ法は競輪の必勝法になるのか?購入方法やメリット・デメリットを解説
競輪の購入方法にはさまざまなものがありますが、そのひとつにモンテカルロ法という手法があります。
本記事ではモンテカルロ法という購入方法の概要を解説し、メリット・デメリットについても解説します。
さらに実際にモンテカルロ法を用いて車券を購入するとどのような結果になるのかについても検証しました。
モンテカルロ法とはギャンブルの投資方法のひとつ
早速モンテカルロ法とは何なのか、というところから見ていきましょう。
具体的には数列を設定し、それを元に最初の賭け金を設定します。
負けてしまった場合は最初に設定した掛け金にプラスして更に掛け金を追加、的中した際は金額を現状維持して次の勝負に挑み、配当金が掛け金全体を上回ったら終了する、というのが一連の流れです。
モンテカルロ法はモナコ公国にある4つの地区のひとつ、モンテカルロが名前の由来となっています。
モンテカルロ法を考案したのはアメリカの数学者なのですが、モンテカルロ法を考案することとなった元ネタが「ソリティア」というゲームだったそうです。
更にモンテカルロ法を考案した数学者の親戚にはモンテカルロのカジノで借金をした叔父がいたそうで、、モンテカルロ法という名前になったのだろうとされています。
モンテカルロ法を用いたことによって、モンテカルロのカジノが倒産に追い込まれたという話が世間的には有名ですが、実はこの話を裏付ける確かな証拠は存在しておらず、伝説の域を出ません。
カジノではモンテカルロ法を用いる事自体禁止されている
モンテカルロ法という名前が生み出される元となったカジノでは今ではモンテカルロ法を用いる事そのものが禁止されています。
というよりも、カジノでは筆記用具やノートなどを持ち込んで賭け事を行う事自体が禁止されています。
モンテカルロ法を用いて車券を購入する方法については次の項目で詳しく解説しますが、よほど数字に強い人でなければ暗算でモンテカルロ法を用いる事はできないでしょう。
正確にモンテカルロを継続するには紙とペンが必須ですが、カジノでプレイ中に紙にペンで文字を書くことは禁止されているので、結果としてモンテカルロ法を使えないという訳です。
モンテカルロ法の購入方法を具体的に解説
モンテカルロ法を用いて競輪の車券を購入する方法を分かりやすく解説しましょう。
まず、最初に賭ける金額は400円です。
400円を投じたレースで的中した場合は次のレースも変わらず掛け金は400円で勝負します。
しかし不的中となってしまった場合は、400円に100円プラスした500円を投じてください。
500円投じたレースでまたも不的中となってしまったら、500円に100円をプラスした600円分の車券を購入します。
それでも当たらなければ、また100円を追加した金額で車券を購入するというのを的中するまで繰り返します。
600円分の車券を購入する際の数列は以下の通りです。
勘の良い人なら気づいたかもしれませんが、数列の両端を出せば車券を購入するのに必要な金額がすぐに分かります。
3倍以上のオッズの買い目で実践しなければならない
モンテカルロ法を競輪で実践する際に注意しておかなければならないことがひとつだけあります。
それは、的中した際に3倍以上のオッズでなければならないという事です。
試しに2倍オッズでモンテカルロ法を用いて600円分の車券を購入した時にどうなるか計算してみましょう。
車券代は、400₊500₊600=1,500円なので、600円の2倍だと的中しても300円マイナスになってしまいます。
しかし3倍であれば1,800円になるので、それまで蓄積された車券代1,500円を取り戻しつつ更に300円利益を得ることができます。
モンテカルロ法のメリットとは?
どれだけ有効とされている手段であっても、どのようなメリットやデメリットがあるのかを知っておかなければ有効に活用することができません。
ここからはモンテカルロ法のメリットとデメリットについて解説します。
まずはモンテカルロ法のメリットについて2つ紹介しましょう。
予想の時間を大幅に削減できる
モンテカルロ法を成功させるための条件はただひとつ、倍率3倍以上の買い目を購入することだけです。
通常ならばオッズを確認しながら利益が出るかどうかを検証して買い目を決めなければなりません。
ですが、モンテカルロ法を用いればこの作業が省かれますし、なにより3倍以上の買い目という条件であれば、本命とされる買い目を選んでも十分達成できるため、予想に必要な時間を大幅に削減できます。
他の投資法に比べるとローリスクで勝負できる
ギャンブルの投資法には、モンテカルロ法以外に「マーチンゲール法」と「バーレー法」が有名です。
しかしこの2つの方法はいずれも負けた場合、倍の掛け金を支払わなければなりません。
負け続けるとどんどん出費が増大していくので、ある程度の資金がなければこの2つの賭け方を継続することは不可能でしょう。
一方、モンテカルロ法の場合、負けた際に賭けるお金は「前回の投資額プラス100円」です。
したがってマーチンゲール法やバーレー法と比べるとかなりローリスクで勝負を続けることができます。
3つの投資法のなかでは間違いなく最も実践しやすい投資方法といえるでしょう。
モンテカルロ法のデメリットとは?
ここからはモンテカルロ法のデメリットについて紹介します。
どのデメリットもかなり重要な内容なので、モンテカルロ法を用いる際にはこれらのデメリットをしっかりと理解したうえで利用するようにしましょう。
負けが続くと取り返すのに苦労する
さきほどギャンブルでよく用いられる賭け方として、モンテカルロ法以外にマーチンゲール法とバーレー法という2つの投資方法を紹介しましたが、モンテカルロ法とそれ以外のふたつの方法には大きな違いがあります。
マーチンゲール法とバーレー法は負け続けると雪だるま式に出費が増えていく代わりに、1度でも勝てばそれまでの負けを取り返し、更に利益を得ることができます。
一方でモンテカルロ法は、負けが続くと1度の的中では損失分を取り返すことはできません。
例えば400円スタートで5回連続で負けてしまうと、400₊500₊600₊700₊800=3,000円となります。
この状態で1度3倍の買い目を的中させたとしても、800×300=2,400円となり、負けた分を取り戻せていません。
もちろんオッズが3倍以上の買い目に賭ければ1度の的中で取り戻すことができますが、高いオッズの買い目で勝負するということはその分的中率が下がってしまう恐れもあります。
当然負けが続けばその分連続で的中させるか、高いオッズで勝負しなければならなくなるので、負けが続けば続くほど負けた分を取り戻すのはどんどん厳しくなってしまうでしょう。
マーチンゲール法やバーレー法を用いる際にも言えることですが、モンテカルロ法では特に負けた分を取り戻すことが困難になるという事を踏まえて、何回連続で負けたらやめるかをあらかじめ決めてから用いるようにしましょう。
大勝ちできない
モンテカルロ法は負けたとしても増える掛け金がバーレー法やマーチンゲール法と比べると少ないというのがメリットではありますが、増える掛け金が少ないということは逆に言えば当たっても大きく利益を得ることは難しいということになります。
先ほど紹介した、負けが続くと1度の勝ちでは損失分を取り戻せないというのもこの大勝ちできないというデメリットが原因となっています。
オッズが変動すると当たっても利益が出せない
モンテカルロ法を用いるには3倍以上の買い目を選ばなければならないのですが、この3倍以上の買い目を選ぶというのは実際にやってみると非常に難しいです。
競輪だけではなく、公営競技では締め切り直前に投票する人がとても多いです。
したがって締め切り前と締め切り後でオッズが大きく変動することは日常茶飯事で、特に高い人気の買い目は投票が集中するため、オッズが大きく下がる可能性が十分考えられます。
オッズ3倍というのはかなり高い人気の買い目となっているため、購入時は3.5倍だったのに締め切り時には3倍以下になってしまうといったケースも出てきます。
こうなるとせっかく買い目が的中してもモンテカルロ法としては失敗という結果になってしまうでしょう。
オッズが変動することを想定し、3倍ギリギリの買い目を選ぶのではなく、4倍くらいの買い目を選ぶのが無難です。
モンテカルロ法を実際のレースで実践するとどうなるか検証
モンテカルロ法を用いるとどうなるのか、実際のレースで検証することにしました。
3倍以上の買い目を選べばモンテカルロ法は成立するので、車券は2車複を選び、オッズを確認して3倍以上の買い目で最も人気があるものを選ぶといった条件で全12レースの車券を購入した結果どうなるのかを検証します。
検証1
2023年10月10日富山競輪場F1
買い目 | 車券代(円) | 結果 | 的中〇、不的中× | 収支結果(円) |
1-5 | 400 | 1-5 | 〇 | 1,720 |
5-7 | 400 | 3-7 | × | 1,320 |
5-7 | 500 | 4-5 | × | 820 |
4-7 | 600 | 3-4 | × | 220 |
2-3 | 700 | 1-7 | × | -480 |
3-7 | 800 | 1-3 | × | -1,280 |
1-4 | 900 | 1-5 | × | ⁻2,180 |
2-5 | 1,000 | 2-5 | 〇 | 420 |
1-4 | 400 | 1-4 | 〇 | 2,820 |
5-7 | 400 | 4-5 | × | 2,480 |
1-3 | 500 | 1-5 | × | 1,980 |
2-4 | 600 | 2-5 | × | 1,380 |
第1回目での検証結果は1,380円のプラスとなりました。
検証2
2023年10月9日久留米競輪場G3
買い目 | 車券代(円) | 結果 | 的中〇、不的中× | 収支結果(円) |
1-7 | 400 | 2-3 | × | -400 |
3-5 | 500 | 3-5 | 〇 | 4,400 |
3-9 | 400 | 3-7 | × | 4,000 |
2-9 | 500 | 2-9 | 〇 | 5,800 |
2-3 | 400 | 2-9 | × | 5,400 |
1-2 | 500 | 1-4 | × | 4,900 |
1-9 | 600 | 3-6 | × | 4,300 |
1-2 | 700 | 1-5 | × | 3,600 |
1-4 | 800 | 3-5 | × | 2,800 |
1-9 | 900 | 4-9 | × | 1,900 |
2-4 | 1,000 | 2-7 | × | 900 |
1-2 | 1,100 | 1-8 | × | -200 |
2回目の検証は200円のマイナスとなってしまいました。
前半は調子が良かったのですが、中盤から最後まですべて不的中となってしまったのが影響しています。
検証3
2023年10月4日G1オールガールズクラシック最終日
買い目 | 車券代(円) | 結果 | 的中〇、不的中× | 収支結果(円) |
2-6 | 400 | 2-6 | 〇 | 2,040 |
4-6 | 400 | 4-5 | × | 1,640 |
2-4 | 500 | 1-7 | × | 1,140 |
4-5 | 600 | 4-7 | × | 540 |
1-2 | 700 | 2-4 | × | -240 |
1-2 | 800 | 1-3 | × | -1,040 |
1-2 | 900 | 5-6 | × | -1,940 |
4-5 | 1,000 | 1-2 | × | -2,940 |
2-7 | 1,100 | 3-2 | × | -4,040 |
2-6 | 1,200 | 2-6 | 〇 | 520 |
2-6 | 400 | 2-3 | × | 120 |
2-3 | 500 | 3-6 | × | -420 |
検証結果は420円のマイナスで、今回に関してもモンテカルロ法を用いてもプラスにはなりませんでした。
検証結果から分かる事
3度検証した結果、最終的には780円のプラスにはなりましたが、36レースすべて勝負してたった780円しかプラスにならなかった結果を見て、自分もモンテカルロ法を実践してみようという気にはあまりならないでしょう。
今回の検証に関しては、モンテカルロ法は競輪の投票で実践してもあまり有効ではないという結論になります。
まとめ
モンテカルロ法は数列を設定し、それをもとに賭け金を設定する投資方法です。
競輪で活用する際の具体的な手順は以下の通りになります。
・400円を数列化し(123)、不的中の場合は数列を1つ増やして(1234)両端の数字をプラスした金額「500円」を賭ける
・的中ならば400円に戻り、不的中ならば数列をさらに1つ増やして(12345)両端の数字をプラスした金額「600円」を賭ける
・以上を繰り返す
モンテカルロ法のメリットとデメリットは以下の通りです。
・他の投資法(マーチンゲール法、バーレー法)と比べるとローリスクで実践できる
・負け続けると取り返すのが大変
・大きく稼げない
・オッズが変動して3倍以下になってしまうと利益が出ない
今回実際に競輪でモンテカルロ法を実践するとどうなるかを検証しましたが、時間に見合った成果が出たとはとても言えない結果となりました。
結果を見てどのように判断するかは人それぞれではありますが、競輪にモンテカルロ法を用いるのはあまりおすすめできないというのが今回の結論です。