競輪は天気の確認が大事!雨がレースに及ぼす影響は?
競馬をやっている人は、土日の競馬場周辺の天気に関しては自然と詳しくなります。
競馬では雨が降ってコースの水分量が多くなると馬場状態が変化するため、競走馬の有利不利が大きく変わるからです。
では競馬と同じ公営競技のひとつである競輪はどうでしょうか、本記事では競輪のレースにおいて天候、特に雨が及ぼす影響について解説していきます。
競輪は天気の影響を強く受ける
(引用元:KEIRIN.JP)
競輪は一部を除き完全屋外でレースが開催されるため、競馬と同様に天気の影響を直接受ける競技です。
競輪の予想をするうえで天候の確認は必須といえるでしょう。
特に今回取り上げる「雨」に関しては多大な影響を及ぼすため確認しておかなければなりません。
雨が降ったらどうなる?
雨が降ってしまうとコースを走っている選手たちはどのような影響を受けるのでしょうか。
具体的には以下のふたつの影響を大きく受けます。
スリップして転倒の危険性
雨が降ると選手が走るバンクは当然濡れて滑りやすくなります。
この記事を見ている人の中にも雨が降っているときに自転車に乗っていてスリップして転倒してしまったという経験を持っている人は多いのではないでしょうか。
いかに自転車のプロである競輪選手といえども雨が降ってバンクが濡れてしまうと転倒しやすくなります。
競輪選手が乗っている自転車のタイヤの幅はたった2センチしかありません。
私たちが乗っているシティサイクルよりもずっと細いタイヤの自転車に乗り、時速70キロ近くスピードを出すわけですからスリップする危険性は更に高まります。
特に傾斜があるカント部分では更にスリップの危険性が増すため、「まくり」を得意とする選手は雨が降ってしまうと自分の能力をまったく発揮できないレースになってしまうことでしょう。
競輪で転倒してしまうとそのレースの勝ちが無くなってしまう上に場合によっては以降長期的に休まざるを得ないようなケガを負ってしまう危険性もあるので、たとえまくり以外の戦法が得意な選手であっても慎重にならざるを得ません。
強い雨だと視界も悪くなる
雨が降った場合、時速70キロ近い速度で走る選手たちには容赦なく雨粒が当たります。
弱い雨ならばたいしたことはありませんが、強い雨だと目の中に雨が入ってくることがあり、そうなると前の選手を目視で確認することが難しくなります。
すると前の選手が仕掛けた瞬間だったり、後方の選手がまくって上がってきているのに全然見えていなかったりすることがあります。
そうなると一瞬それの対応が遅れますが、この遅れがプロの選手同士の戦いでは致命的でそのまま負けに繋がってしまいます。
更に強い雨だと路面がぬれるだけではなく小さな水溜まりもできてしまうのですが、前の自転車が上げる水しぶきも後方選手はまともに受けることになります。
前の自転車の水しぶきを浴びながら走ることになる雨のレースは選手からするとかなり辛いそうです。
競輪が中止になるケース
多少の雨くらいでは競輪のレースが中止するようなことはありません。
しかし近年は想像を絶するような量の雨が降り、大きな被害を与えるケースが増えてきました。
競輪もどんな雨が降ろうがレースを続行するというわけではなく、以下のケースに当てはまるような雨が降った場合は中止になります。
また雨以外でも中止になる状況があるので、本項目でまとめて競輪が中止になってしまうケースを紹介していきます。
バンクに影響を与えるような雨や雪
バンクに影響を与える雨や雪とは、例えばバンクに大きな水溜まりが溜まるような量の雨や雪ということになります。
多少の水溜まりであれば問題なく走行できますが、池のような水溜まりになってしまうとその上を走行すればスピードは一気に落ちてしまうでしょうし、それ以前にスリップや転倒の危険性が非常に高いです。
まともなレースが出来るわけがないので、レースが中止になってしまうのもやむなしといえるでしょう。
台風で公共交通機関がストップした時
台風や大雨で公共交通がストップするほどの事態になった場合も当然レースを中止します。
これは選手たちの安全を考慮してということもありますが、それ以上に競輪場に来場するお客さんたちの安全を考慮しての中止といえるでしょう。
転倒者続出でまともにレースが成立しないと判断した場合
たとえレースが行われている途中であっても選手同士の接触とかではなく、強風や大雨が理由で転倒する選手が続出するといった事態になった場合は途中でレースを中断し、そのレースを中止扱いにする事があります。
以上3つが競輪においてレースが中止となってしまう主なケースです。
競艇では一度中止になってしまうとその日のレースがすべて中止になりますが、競輪では一度中止になっても時間が経過してレースが続行できると判断できたならば、残りのレースを再開することがあります。
雨が降っているレースは荒れやすいとは限らない
競馬では「雨が降ると荒れる」といわれていて、それは数字にも顕著に表れています。
これは競走馬にも得意不得意があって、天気の馬場だと全く結果を出さないのに雨が降ると水を得た魚のように走るという競走馬が何頭かいて、そういった馬が波乱を起こすケースが多々あるからです。
競輪においても「雨が降ると荒れる」とよく言われているのですが、実際はそこまで荒れた結果にはなりません。
雨の日は荒れるよりもむしろ本命が人気通り上位を独占する、「堅い決着」になることがほとんどです。
雨が降ると路面が滑りやすくなるのは何度も説明した通りです。
路面が滑りやすくなるとスリップして転倒する危険性が高くなります。
レース中に転倒してしまうとそのレースで勝つことはもう不可能で、最下位が確定してしまいます。
それだけならばまだ良いのですが、転倒して大怪我をしてしまうと怪我の状態によっては数か月間休まざるを得なくなります。
競輪選手の収入源はほぼレースに出走する際の賞金や手当ですから、レースに出られないということはその間の収入はほぼゼロとなってしまうでしょう。
そして競輪選手はレースの成績によってランクが決定されるのですが、このランクは一度上がればそのままというわけではなく、結果によってはランクが下がってしまうこともあります。
レースに出られずに休養となってしまうと、成績はどんどん落ちていってしまいますし、レースの成績だけではなく「出走回数」もランクを決める評価ポイントとなっているので長期休養となってしまうとこの出走回数にも引っかかってしまう恐れがあります。
これだけのリスクがある転倒が発生しやすい雨の日で思い切って勝負をしかけようとする選手はなかなか居ません。
危険かどうかは各選手の判断基準によりますが、雨の日は「着順を上げるよりも転倒せずに無事に完走することに専念しよう」という気持ちになりやすいです。
したがって、展開によって能力が劣っている選手が人気上位の実力選手に勝つといったケースが発生しにくく、順当な結果となりやすいため、雨の日のレースは堅い決着となることが多いのです。
雨が降っているレースの予想ポイントについて
雨が降っているレースは堅い決着となりやすいということを踏まえたうえで、自分が買おうと考えているレースが雨となった場合の予想ポイントをいくつか紹介します。
逃げ選手に有利な展開となりやすい
後ろから勝負を仕掛けてくる選手があまり居ないので、雨の日は前を行く選手にとって有利な展開となりやすいです。
出走表を見て、脚質が「逃げ」となっていて、なおかつ選手の能力を表す「競走得点」が高い選手だとかなり高い確率で車券内に入ってくれるでしょう。
若手選手に注目!
通常のレースでベテラン選手と若手選手が一緒に出走している場合、やはりベテラン選手の法がレースの駆け引きも良く知っていますし、競輪が終盤まで「ライン」と呼ばれるチーム戦である以上、ベテラン選手のほうが人脈は広いので同じ条件であればベテラン選手のほうが強固なラインを組みやすいので、若手選手は少々買いづらい印象です。
ところが雨が降っているときのレースは逆に若手選手は狙い目となります。
ベテラン選手は後々のことを考えて雨の日は控えたレースをしてしまうことが多いですが、若手選手はそれを逆にチャンスと捉えて積極的に攻めることが多く、それが良い結果をもたらすことが多いです。
もうひとつ、若手選手は経験はないですが、体力はあるので先行で走ることが多くなります。
本項目の最初にも書いた通り、雨の日は「先行選手に有利」となるので、前を走ることが多い若手選手にとって雨の日のレースというのは実は非常に有利な条件のレースとなっているのです。
差しや追い込みの人気選手は落車の危険性が高い
雨の日で上位人気選手の脚質が「差し」「追い込み」だった場合、これらの選手を軸にするのはあまりおすすめしません。
差しや追い込みといった戦法は後ろから前の選手を追い抜くといった走り方ですが、この走り方は多かれ少なかれリスクがあり、接触などで転倒してしまう危険を感じながら仕掛けています。
これに雨の日だと路面が濡れてスリップするというリスクが追加されます。
このリスクは差しや追い込み選手にとってはかなり大きいものとなるのでそこまで思い切った走りをすることができません。
いかに実力上位選手といえども、自分の必殺技を封じられてしまってはその能力をほとんど発揮することが出来なくなってしまいます。
力を発揮できない人気選手を買う要素などどこにもないので、雨の日の差しや追い込み選手は思い切って切ってしまうのもひとつの手です。
無理に穴狙いはしない方が良い
雨の日は選手の心理状態を考えると「大勝負」を仕掛けることは少ないです。
したがって、雨の日は荒れるといった根拠のない言葉はあまり意識せず、本命中心とした堅い予想で買い目を絞って購入するとよいでしょう。
ただし人気薄の若手でなおかつ「逃げ」を得意とする選手は積極的な走りをする可能性が高いので、人気薄でも買い目に含めておくことをおすすめします。
しかしながら、これはあくまでもレースグレードが「一般戦」だった場合限定で、レースグレードがG3以上の重賞レースとなった場合は獲得賞金も得られる競走得点も高くなるので、多少リスクを冒してでも前に行こうとする選手が多く出てきます。
まとめ
競輪は一部の競輪場を除いて屋外にあるので、天候の影響を非常に強く受けます。
特に雨が降っているときは路面が濡れて自転車がスリップして転倒する危険性がありますし、前を進む自転車からの水しぶきを受けながらの走行となるので、晴れている時とはまったく別物と考えて予想しなければなりません。
まず雨の日は荒れるとよく言われていますがそれは大きな間違いで、雨が降ると選手はどうしても転倒を恐れて慎重になり、積極的な勝負ができなくなるのでレースは堅い決着となりやすいです。
特に人気選手が先行選手だった場合はその選手を軸にして買い目を組み立てるようにしましょう。
また雨の日は若手の先行選手にも注目です。
多くの選手が慎重になる雨の日のレースですが、若手選手はそれを逆手にチャンスだと捉えて逆に積極的なレースをしてくれることが多いですし、先行だった場合はオッズよりも良い結果をもたらしてくれる可能性があるので積極的に買い目に入れていきましょう。
逆に差しや追い込みを得意とする実力選手は自分の能力を全て出せない戦いとなるので評価は大きく下げて予想することをおすすめします。
ただしG3以上のグレードレースの場合は賞金や得られる競走得点が一般戦とは比べ物にならないほど高いので、多少リスクを冒してでも積極的な走りをしようとする選手が多くなります。