競輪の「上がりタイム」とは?予想に活用できるかも解説
競馬の馬券を買っていて「上がり最速」とか「上がりタイム」といった言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。
上がりタイムとは、ゴール前600メートルからゴールまでのタイムの事です。
ここは各競走馬が全力で走る部分となっているため、それぞれの競走馬の能力を知るデータとなります。
したがって競馬における「上がりタイム」というのは買い目を決めるうえでかなり重要なデータのひとつといえるでしょう。
では競輪における上がりタイムはレースの予想に生かすことができるのでしょうか。
「上がりタイム」とは?
競輪における上がりタイムとはどういうことを意味するのでしょうか。
したがって、400mバンクであればゴール手前200mから、500mバンクであればゴール手前250mからゴールに到達するまでのタイムということになります。
この部分は競輪においても競馬と同様に選手たちにとって最後の勝負をしかける場所になるので全速力で漕いでとにかく前を目指そうとするため、このタイムが早い選手というのは必然的にラストの瞬発力に優れた選手と判断できます。
選手の強さを比較するうえでひとつの指針となることは間違いなさそうです。
「上がりタイム」は出走表を確認すれば分かる
(引用元:KEIRIN.JP)
上がりタイムは競輪初心者でも簡単に調べることができます。
競輪の公式サイト「KEIRIN.JP」などでは各レースの結果を見ることができますが、このレース結果の表には必ず」上り」と書かれている項目があり、そこには各選手ごとに数値が記載されています。
これがそのレースにおける各選手の上りタイムの数値で、この数値が小さければ小さいほど上がりタイムがそのレースでは早かったということになります。
上がりタイムがほかの選手よりも0.5秒以上遅い場合はラストで加速できず、逆に失速しているという判断もできます。
「上がりタイム」はレースの予想に活用できる?
上がりタイムがレースの予想に活用できるかどうかについてですが、これは正直そのレースがどんなレースになるかによって活用できるかどうかが大きく変わるといえるでしょう。
もし上がりタイムをレースに活用したいのであれば、前回のレースだけではなく、直近数レースの上がりタイムを確認する必要があるでしょう。
直近数レースの上がりタイムを確認することで、現在その選手がどのような戦法で戦おうとしているのかがなんとなく分かるようになります。
「上がりタイム」最速なら軸候補にしてもよい?
上がりタイムが最速の選手は最後のスパートでスピードが出せる選手だと思い込んでしまい、ついつい軸候補にしてしまいがちです。
上がりタイムがもっとも早い選手を軸にして車券を購入するということは本当に車券の買い方として正しいのでしょうか。
「脚質」によって上がりタイムは全然変わってくる
結論から言えば、上がりタイムだけで車券の軸候補にするというのは非常に危険な買い方です。
まず、脚質によって上がりタイムというのは大きく変わってきます。上がりタイムだけで言えば、ずっと前を走る「逃げ」の選手は後ろから追い上げる事を得意としている「差し」「まくり」の選手と比べればかなり遅いタイムとなるでしょう。
しかしだからといって逃げの選手が勝つ事は絶対にないのかと言えば、そんな事はありません。
逃げの選手は上がりタイムがそこまで早くない代わりにレースのペースを自由に操作する事ができますし、スタミナや総合的な脚力など選手としての能力は非常に高いです。
逃げの選手が平均よりもかなり早いペースを作り出すと、差しや追い込みの選手は普段よりかなり無理をしてついて行くしかありません。
すると本来ならば最後まで温存するはずのスタミナや脚がどんどん削り取られて残らなくなってしまいます。
そうなると最後の周回で追いつくだけの力が残らなくなり、上がりタイムも遅くなってしまうでしょう。
このように上がりタイムというのは脚質によって全然変わってきますし、レース全体のペースによっても大きく変化してしまう事は頭に入れておきましょう。
後ろから追い上げる戦法の選手なら参考になる
差しやまくり、追い込みなど後ろから追い上げる戦法の選手であれば上がりタイムは参考になります。
ただし異なるレースの結果で比較しても個々のレースで展開やペースが異なるため全く参考になりません。
比較したい選手が同じレースに出走していた時の上がりタイムであれば同じ条件で走っていたことになります。
その選手にとって思い通りの展開になっていたかによっても上がりタイムは変わってきますが、実力を測るための大まかな指針にはなるでしょう。
「差し」選手の上がりタイムの変化には注目
差しを得意とする選手にとって上がりタイムの数値は勝敗に直結するため非常に重要です。
他の選手と比較するのではなく、選手個人の調子を調べるのであれば直近レースの確認タイムを比較する事はとても有効なので、毎レースごとに上がりタイムの推移はどうなっているのかを確認しましょう。
実際に「上がりタイム」をレース予想に生かす際の手順
実際に「上がりタイム」をレースで活かすためにはどうすれば良いのかを考えて行く事にしましょう。
まずは選手の脚質をチェック
まずは「出走表」を見てそのレースに出走する選手の脚質をチェックします。
出走している選手のうち脚質が「逃げ」の選手の場合は上がりタイムで勝負する戦い方はしないので、上がりタイムはレースの予想をする上でそこまで重要ではありません。
後方から追い上げる脚質の選手の「上がりタイム」をチェック
逃げ以外の脚質の選手、「差し」や「追い込み」「まくり」を得意としている選手は上がりタイムがかなり重要な数値となります。
だだし比較するのではなく、あくまでも選手一人一人の調子を測るための数値として活用しましょう。
上がりタイムが直近で速くなってきているのであれば、その選手は上り調子であるため、今回のレースでも活躍が期待できます。
逆に上がりタイムがどんどん遅くなっているようであれば調子を落としている可能性が高いため、今回のレースでは評価を少し落とした方が良いかもしれません。
ラインと「上がりタイム」を複合して最終的に買い目を決定
上がりタイムがどれだけ他の選手より優れていたとしても、ライン争いに負けてしまっては最後の局面で大きく不利を強いられることになります。
競輪はライン争いを制さなければ勝つ事は難しいので、上がりタイムの差は頭に入れつつ、各選手がどのラインに入るのか、または単騎で挑むのかを調べましょう。
ラインに関しては出走表に「ライン予想」という項目があり、実際にレースで組まれるであろうラインが記載されています。
レースではこのライン予想通りのラインが組まれて進行していくので信用しきって問題ありません。
ただし記載されるのはあくまでもレーススタートしてすぐに組まれるラインであるため、レースが進んでいけば別ラインに紛れ込む選手が出てきたりするため、展開予想はしっかりと行う必要があります。
同じラインに入ると想定しているのであれば、最終的に上がりタイムの差がレース結果に大きく影響するので、上がりタイムが速い選手を優先して買い目に含めるようにしましょう。
まとめ
上がりタイムとは、最後の周回のバックストレッチからゴールするまでのタイムを表したものです。
レースの勝敗を最終的に決定づける部分であるため、このタイムが早いほど良いのは間違いないのですが、上がりタイムはレースのペースや進行の仕方によって大きく変わるので、何も考えずにタイムが早いからといって車券の軸にするのはあまりおすすめしません。
上がりタイムをレースの予想に活かすのであれば、その選手の上がりタイムがどのように推移しているかや、各レースがどのようなペース又は展開だったのかをしっかりと把握しておく必要があるでしょう。
同じ条件で選手同士を比較するのであれば、上がりタイムは選手の実力差を確認するデータとして非常に有効です。